トライアンフの大型アドベンチャー「TIGER 1200」に、新型の情報が公開された。Off1.jpが2026年10月27日に掲載した技術説明会の取材記事によると、従来は前輪21インチだったRALLYを含め、全モデルのホイールを前19・後17インチへ統一。最高出力158PSの3気筒エンジンと、レーダーを利用する運転支援、停車時の車高調整などを組み合わせる。
注目したいのは、単なる出力増ではなく、長距離移動から低速での取り回し、乗降までをまとめて見直している点だ。本稿はメーカー「トライアンフ」の新型について、Off1.jpによる説明会取材を基に独自に整理したもの。バイクマン ニュース 編集部が試乗して性能を検証した記事ではない。以下の詳細仕様・装備は同取材記事で確認した内容で、価格は更新後の同記事掲載値を紹介する。発売・納車時期と最終仕様の適用範囲は、国内販売店で確認する必要がある。

まず押さえたい、3モデルの選び分け
Off1.jpの更新後の記事では、ラインナップはGT PRO、RALLY PRO、GT EXPLORERの3モデルとされている。前後輪のサイズは共通になる一方、ホイール形式や装備、燃料タンク容量には違いが残る。GTはキャストホイール、RALLYはスポークホイールを採用し、RALLYにはオフロードプロモードやエンジンプロテクション、調整可能な可倒式ブレーキペダルが加わるという。
| モデル | ホイール形式 | タンク容量 | 装備重量 | 価格(税込・記事掲載値) |
|---|---|---|---|---|
| GT PRO | キャスト | 20L | 250kg | 2,795,000円〜 |
| RALLY PRO | スポーク | 20L | 255kg | 2,895,000円〜 |
| GT EXPLORER | キャスト | 30L | 260kg | 2,895,000円〜 |
出典:Off1.jpの2026年10月27日付取材記事。価格は同記事の更新後の税込表記。仕様・価格の適用条件や国内の発売・納車時期は販売店で確認したい。
EXPLORERにはタイヤ空気圧監視システム(TPMS)や専用のロワーエンジンバーが備わり、ハンドルはPROより高さ・幅が各10mm増す。タンク容量だけで選ぶのではなく、重量やハンドル位置、必要な保護装備を一緒に比較したい。満タンでの航続距離は、燃費や使い方を確認しないまま容量から断定できない。
RALLYの19インチ化は、先代との大きな分岐点
Off1.jpの説明によれば、先代GTは前19・後18インチ、先代RALLYは前21・後18インチだった。新型では全車が前19・後17インチとなり、タイヤサイズも前120/70R19、後170/60R17へ揃う。リア幅は先代の150から170へ拡大。RALLYの標準装着タイヤにはピレリ・スコーピオントレイル3が挙げられている。
サスペンションのストロークも前後200mmに統一されるため、先代RALLYの前後220mmからは20mm短くなる。Off1.jpが報じた開発側の説明は、顧客が求める舗装路での走行性能を重視しつつ、オフロードで使える能力も残すというものだ。ホイール径の変更だけを根拠に、未舗装路性能が全面的に上がった、あるいは下がったと結論づけることはできない。
今回のサスペンションには前後のデュアルレートスプリングと、リアの油圧式セカンダリーバンプストップが採用されるとされる。ストローク終盤の動きを制御する仕組みを追加している点も、数値上のストローク減少と併せて見る必要がある。ただし、実際の乗り心地や路面追従性、荒れた道での扱いやすさは、本稿では未評価だ。
車高調整は「停車」と「走行」で役割を分ける
足回りにはSHOWAのEERA HEIGHTFLEXを採用。49mm倒立フロントフォークを備え、減衰はファーム・ミディアム・ソフトの3段階から選択する。リアは乗員や荷物に合わせてプリロードを自動調整するセルフレベリング機能を持つという。
停車時に注目したいのがオートライドハイトだ。Off1.jpの説明では、速度とブレーキ操作を監視し、止まろうとするとリアのプリロードを抜いてシート高を30mm下げる。発進後はリアショックに組み込んだポンプで、3~5秒のうちに設定した車高へ戻す仕組みとされる。乗員1人でも2人でも下げ幅は同じという説明だが、実車での足着きや操作感まで保証するものではない。
センタースタンドを掛ける際には、一時的にリアのプリロードを上げて補助する機能も紹介されている。停車中の低さを優先する場面と、走行時の姿勢を維持したい場面を、同じ固定車高で妥協しない設計と捉えられる。
更新後のOff1.jp記事では、シート高は790〜840mm、2段階調整式とされている。購入検討時には、国内仕様のシートと車高設定、乗車時の沈み込みを確認し、実車で両足・片足それぞれの支えやすさを確かめたい。

158PSへの増強と、極低速の扱いやすさを同時に見直す
エンジンは1,160ccのTプレーン3気筒。Off1.jpが伝える新型の数値は、最高出力158PS/9,250rpm、最大トルク130Nm/6,750rpmで、最高出力は先代比8PS増となる。シリンダーヘッド、ピストン、吸排気バルブ、燃料噴射、排気系などに変更が加えられ、回転部の慣性やカムプロファイルも見直されたという。
一方、低速域に関わる変更として、1~3速のギア比と一次・二次減速比を変更。説明会では、1速で走れる最低速度を6km/h下げたと紹介された。この値は「新型が6km/hで走れる」という意味ではなく、先代との低下幅として報じられたものだ。渋滞や狭い場所での扱いやすさに関わる改良として注目できるが、低速走行やUターンでの安定性を試乗前に断言することはできない。
6速ミッションとシャフトドライブは継続し、静粛性やシフト精度を見直す。クイックシフターのトライアンフ・シフトアシストは制御を更新するという。最大出力だけでなく、発進、変速、極低速といった日常的に使う領域の変更を確認したい新型だ。
レーダー支援は便利さと作動条件をセットで理解する
新型の特徴として、ボッシュと共同開発した前後レーダーを使う運転支援機能が挙げられる。ACC(アダプティブクルーズコントロール)は設定速度や前車との車間に合わせてスロットルとブレーキを制御し、コンフォート/ダイナミックの2モードを用意する。追い越しへの移行を助ける機能、コーナーでの速度調整、グループ走行を支援する機能も報じられている。
前方レーダーは車間距離アシスト、緊急ブレーキアシスト、前方衝突警告にも使われ、後方レーダーは死角の車両や後方からの接近を知らせる。機能名が似ていても、警告だけなのか、一定の条件で加減速へ介入するのかは同じではない。元記事では緊急ブレーキアシストは急ブレーキ時に制動圧を高める働きとして説明されており、これを無条件の自動停止機能と読み替えるべきではない。
これらは運転を補助する装備であって、周囲の確認や適切な車間距離の確保、進路・速度の判断をライダーから引き受けるものではない。具体的な作動速度、検知の限界、使用できる道路やモードの条件は、日本仕様の取扱説明書と販売店で確認したい。集団走行の支援があっても、隊列維持を優先して無理に追従してよいわけではない。

画面・モード操作も更新。走行前の設定が重要に
メーターは7インチHDタッチスクリーンとなり、ワイヤレスのApple CarPlay/Android Autoに対応するとされる。タッチ操作は2km/h以下で行う設計で、走行中はスイッチボックスや音声操作を使うという。冷却機能付きスマートフォン収納とUSB-C充電も紹介されている。対応端末やアプリ、国内で利用可能な機能については別途確認が必要だ。
ライディングモードにはロード、レイン、エコ、スポーツ、オフロード、ライダーA/Bを用意し、RALLYではオフロードプロも選べる。Off1.jpによると、オフロード系モードへ走行中に切り替えられるようになった一方、モードやブレーキ操作によってABSの働きが異なる。名称だけで制御内容を判断せず、停止した状態で設定と説明を十分に理解してから使いたい。
価格と購入前に確認したいこと
更新後のOff1.jp記事では、GT PROは2,795,000円(税込)から、RALLY PROとGT EXPLORERは2,895,000円(税込)からと案内されている。発売・納車時期は同記事の現行本文では確認できないため、国内販売店で確認したい。
新型を検討する際の軸は、GT/RALLYという名前だけではなく、ホイール形式、タンク容量、重量、保護装備、車高調整の条件という組み合わせになる。先代RALLYの21インチ前輪を重視していた人には大きな変更であり、舗装路中心の長距離移動と停車時の扱いやすさを求める人には、新しい比較材料が増える。購入前に、装備の適用範囲と実車の使い勝手を確認したい。
出典・確認日
メーカー:トライアンフ モーターサイクルズ。詳細仕様・技術説明会の内容の参照元:Off1.jp「新型TIGER1200発表。RALLYも19/17インチ化、電子制御をアップデートしてACCやハイトフレックスを標準装備に」(2026年10月27日公開、稲垣正倫氏)。確認日:2026年10月28日。本稿は取材記事の全文転載ではなく、バイクマン ニュース 編集部による独自要約・再構成。装備や数値は参照記事が伝える発表内容で、国内最終仕様の確定を示すものではない。
メーカー一次資料:Triumph公式メディアキット「TRIUMPH RELEASES FIRST LOOK AT FOUR NEW MODELS FOR 2027」。同予告では、新型Tiger 1200の公開日を10月27日とし、3気筒エンジンの更新、ライダー支援技術とサスペンションの進化を案内している。158PS、ホイール径、個別装備、価格など本稿の詳細数値は、このメーカー予告で確認したものではなく、前掲Off1.jpの技術説明会取材記事に基づく。
追記・訂正(2026年10月28日):参照記事の更新に合わせ、ラインナップ、価格、シート高の説明および写真を見直しました。











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