サンクチュアリーを展開する株式会社ノーブレストは、2026年10月27日の公式ブログで、「内燃機関及びインジェクションキット」に関する特許証が届いたと報告しました。1970年代の空冷Zエンジンを使う車両の開発から生まれた技術で、精密な内燃機加工、燃料噴射制御、二次空気導入、触媒を組み合わせ、排出ガスの低減を目指すものです。
今回の発表は、市販キットの発売や全国での施工受付開始を告知したものではありません。旧車のエンジンを現代的な制御・加工技術と組み合わせる取り組みについて、開発経緯と今後の構想を紹介しています。
出発点は、独自フレームに空冷Zエンジンを載せるRCM-A16
同社の説明によると、開発の契機は2016年にロサンゼルスへ設立した関連会社RCM USA Inc.と、自社設計・製造のフレームを使ったRCM-A16でした。新たに製作したフレームへ1970年代のエンジンを搭載する計画では、古いエンジンをそのまま使うだけではなく、車両として必要な試験に対応することが課題になったとしています。
その試験用モデルとなったのがRCM-001。公式ブログでは、排出ガス試験で試行錯誤を重ねた経験が、現在の内燃機加工部門DiNx(ディンクス)の技術につながったと振り返っています。今回の特許取得報告は、その開発の積み重ねを背景にしたものです。

一つの部品だけでなく、加工と制御を組み合わせる
発表で挙げられている要素は、大きく分けてエンジン内部の加工、燃料・点火の制御、排気側の処理です。単にキャブレターをインジェクションへ置き換えたという説明ではなく、複数の工程や装置を組み合わせたパッケージとして紹介されています。
- 精密な内燃機加工:燃焼室へのオイル混入を抑えるため、シリンダーのホーニング精度を重視。電子制御ホーニング機の導入と加工技術の向上を進めたとしています。
- 温度情報を使う制御:シリンダーヘッドに温度センサーを設け、ECUへエンジンの温度情報を伝達。センサー取付部のないヘッドでは、加工前に取付用のボス部を設ける工程も説明しています。
- 排気側の対策:排気ポート直後のエキゾーストパイプへの二次空気導入と、排気系内部の複数の触媒を組み合わせています。
同社は、こうした要素を適切に組み合わせた結果、CO・HC・NOxの低減につながり、開発車両がユーロ4基準の冷間始動時の排出ガス試験に合格したと説明しています。本記事では、これは同社が公表した開発実績として紹介します。すべての旧車に同じ結果を保証するものではありません。

購入を考える前に押さえたい、発表の範囲
旧車を長く使いたいユーザーにとって、既存エンジンを生かしながら排出ガスを減らす技術は関心の高いテーマです。一方、今回のブログには、一般向けキットの価格、発売日、対応車種一覧、施工の受注条件は掲載されていません。名称に「インジェクションキット」が含まれていても、すぐに購入できる商品が発表されたと受け取らないよう注意が必要です。
また、特許取得の報告と、個別の車両に装着した際の登録・検査への適合確認は別の話です。実際の車両への適用については、その車両の状態や施工内容を含め、事業者からの具体的な案内を待つ必要があります。本記事では、特許の権利範囲や各車両への法的な適合性までは判断していません。
元記事はこの取り組みを「低炭素化」と表現していますが、本文で具体的に説明される試験対象はCO・HC・NOxです。CO2排出量や燃費の改善率は示されていないため、それらの効果を数値で断定することもできません。
今後はショップ同士の協力も視野に
ノーブレストは将来の普及に向け、自社だけではなく、レース活動などで技術を蓄積したカスタムショップやコンストラクターと協力する構想にも触れています。全国展開が決定したという発表ではなく、次世代へ技術を引き継いでいく方向性として語られたものです。
今回のニュースの中心は、旧車の再生やカスタムで培った加工技術を、排出ガス低減という課題にも応用したことです。商品化や具体的なサービス開始については、今後の公式発表が待たれます。
出典・確認情報
メーカー・製作事業者:株式会社ノーブレスト/サンクチュアリー。参照:NOBLEST公式ブログ「低炭素化に実用できる特許です。」(2026-10-27公開)。確認日:2026年10月29日。掲載許可済み情報源の発表をもとに、Bikeman ニュース 編集部が独自に要約・再構成しました。











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