2026年のロードレース世界選手権第18戦オーストラリアGPは、悪天候のためMoto2・Moto3の決勝が中止された。タイヤメーカーのピレリが10月27日に公開したレポートによると、フィリップアイランドでは予選までを実施。Moto2の古里太陽は11番手、佐々木歩夢は15番手だった。
ピレリはこの大会へ新開発のMoto2用ハードリアタイヤ「F0604」を投入したが、決勝が行われなかったため、レース距離での摩耗や性能の持続性を確かめる機会は得られなかった。予選の結果とタイヤ開発の狙いを、分けて整理する。

決勝中止は医療搬送体制も含めた判断
大会期間は10月23~25日。決勝予定日の25日は雨と強風で視界が悪く、予定を調整しながら天候回復を待ったものの、医療ヘリコプターの安全な運航を確保できなかった。レポートではMoto3、Moto2の順に中止が決まり、その後MotoGPも中止になったと説明している。
走行できる路面かどうかだけでなく、事故時に医療機関へ搬送できるかも開催判断の前提となった。以下の順位は決勝順位ではなく、実施された予選の記録である。
古里はポールから0.222秒差、佐々木もQ2へ
| クラス | 選手 | 予選順位 | 記録 |
|---|---|---|---|
| Moto2 | 古里太陽 | 11番手 | Q2:1分30秒344 |
| Moto2 | 佐々木歩夢 | 15番手 | Q2:1分30秒495 |
| Moto3 | 山中琉聖 | 17番手 | Q2:1分36秒850 |
| Moto3 | 三谷然 | 総合22番手 | Q1:1分37秒100 |
Moto2のポールポジションはマヌエル・ゴンザレスの1分30秒122。古里との差は0.222秒、佐々木との差も0.373秒に収まった。古里はドライとウェットの双方でマシンの感触が改善したと振り返る一方、予選のアタックには改善の余地を感じていたという。小さなタイム差が順位に響く接戦だったが、決勝での走りを確認することはできなかった。
Moto3はベダ・プラタマが1分35秒299で自身初のポールを獲得。マキシモ・キレスが0.021秒差、ジョエル・ケルソが0.067秒差で続いた。山中はQ2へ進み、三谷はQ1のセッション8番手でQ2進出を逃している。異なるセッションのタイムを、同じ条件で走った順位表として比較しない点にも注意したい。
F0604は何を狙った新仕様なのか
高速コーナーの多いフィリップアイランドはタイヤへの負荷が大きい。ピレリが投入したF0604は、耐摩耗性の向上を狙うハードのリア仕様だ。Moto2のリアには前年の決勝で全ライダーが使用したミディアムのD0922も用意された。新仕様を評価する走行機会を確保するため、リアスリックの供給本数は通常の9本から10本へ増やされた。
| クラス | フロント | リア |
|---|---|---|
| Moto2 | ソフトSC1/ミディアムSC2 | 新開発ハードF0604/ミディアムD0922 |
| Moto3 | SC1/SC2 | ミディアムSC2/開発仕様ハードC1096 |
ここで区別したいのは、開発の目的と実証された性能である。F0604が耐摩耗性を高めるための仕様であることと、この大会で長距離性能の優位性が確認できたことは同じではない。今回は評価が予選までの走行に限られるため、決勝距離を走った後の摩耗や持続性について結論を出すことはできない。また、上記はクラスごとに供給された仕様であり、個々の日本人選手が予選でどの仕様を選んだかを示す表ではない。
次戦は10月30日からマレーシアGP
レポートで案内されている次戦は、10月30日~11月1日にセパン・インターナショナル・サーキットで開催されるマレーシアGP。豪GPで決勝を走れなかった日本勢にとって、予選までに得た感触を実戦へつなぐ次の機会となる。F0604の次戦投入を確認した情報ではないため、その使用予定とは切り分けて受け止めたい。
メーカー:PIRELLI(ピレリ)。出典:PIRELLI FAN SITE「Moto2/Moto3オーストラリアGP」レポート(公開:2026年10月27日/確認:2026年10月29日)。本文は出典を基にバイクマンニュース編集部が独自に要約・再構成した。











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