ツーリングの途中でバッグを外して持ち歩きたい。そんな使い方の候補になるのが、車種別アタッチメントと組み合わせるGIVIの「タンクロック」だ。デイトナは2026年9月18日、ワンタッチ脱着式のタンクバッグを紹介する動画を公開している。
ただし、選ぶ際は容量の数字だけで決めないほうがよい。同じ5Lでも外寸や施錠機能が異なり、大きなモデルでも積める重量が増えるとは限らない。本稿では動画の案内を入口に、2026年10月19日に確認したデイトナ公式の商品情報と取扱説明書から、3L〜15Lの5モデルを比較する。新商品の発売速報や実走テストではなく、購入前に確認したい条件を整理したガイドだ。
タンクロックは、バッグ本体と別売の取付部品を組み合わせる
タンクロックシリーズは、磁石を使わず、車種別の取付部品を介して固定する方式。ここで比較する5モデルはいずれも、タンクに取り付けるためのアタッチメントを別途用意する必要がある。バッグにフランジが付属していても、そのまま全車種へ取り付けられるわけではない。
たとえばMT505の公式説明書では、車両側のフランジとバッグ側のロック位置を合わせて上から押さえ、取り外すときは赤いレバーを操作する構造が説明されている。脱着が簡単でも、走行前の固定確認やセーフティベルトの装着を省いてよいわけではない。取付部品の選定と初回の装着作業は、バッグを外して持ち歩く日常操作とは分けて考えたい。
なお、「タンクロック」という名称だけで盗難防止用の鍵が付くと判断するのも早計だ。今回の比較ではWL902にバッグとタンク間の施錠機能があり、MT505とST610+の説明書には盗難防止機能がない旨が記載されている。固定方式と防犯機能は、別々に確認する項目となる。
出典:デイトナの動画紹介記事、MT505商品情報、MT505取扱資料。
5モデルの容量・積載重量・外寸を比較
下表は公式掲載の標準価格(税込)と寸法を整理したもの。価格はバッグ本体の標準価格で、別売の車種別アタッチメントや取付工賃を含む購入総額ではない。寸法は底部の縦×横×高さ、単位はmm。高さに幅のあるモデルは、拡張時を含む公式表記に沿って記載した。
| モデル/品番 | 容量 | 最大積載重量 | 寸法(mm) | 標準価格(税込) |
|---|---|---|---|---|
| XS319Y/48834 | 3L | 1kg | 210×210×150 | 15,400円 |
| MT505/94562 | 最大5L | 2kg | 280×220×190→220 | 19,800円 |
| ST610+/63427 | 6〜10L | 2kg | 290×260×150〜200 | 30,800円 |
| WL902/63429 | 5L | 2kg | 310×260×170 | 35,200円 |
| ST612+/48831 | 12〜15L | 2kg | 335×280×260〜310 | 35,200円 |
特に見落としたくないのが、容量と最大積載重量の違いだ。XS319Yは3Lで1kgまで、ほかの4モデルは容量が異なっても2kgまでとなる。ST610+を10Lへ、ST612+を15Lへ拡張できても、積載重量の上限が増えるという意味ではない。
最低限の荷物ならXS319Y。小ささと1kg上限をセットで見る

XS319Yは、財布など最低限の荷物を収納したい人に向けた3Lモデル。今回の5モデルでは最も小さな容量で、標準価格も15,400円と低い。レインカバー、ショルダーベルト、フランジが付属する。
「小さいから必ずハンドルに当たらない」とは言えない。公式ページはこのモデルにも、車種によってハンドル操作時に接触する場合があると注意を添えている。持ち物の量を絞り、バッグの外形と1kgの上限が使い方に収まるかを確認してから選びたい。
出典:XS319Yの仕様・取付条件。
同じ5Lでも違う。MT505とWL902は外寸と施錠機能で比較

MT505は最大5L、最大積載重量2kg。底面が280×220mmで、高さは190→220mmと案内される。標準価格は19,800円。公式ページは、構造上、磁石式などに比べてバッグの位置が高くなり、体格によっては身体が当たってハンドルまで遠く感じる場合があると説明している。
一方、WL902は5Lのハードシェルタイプ。底面は310×260mm、高さは170mmで、MT505より底面の寸法が大きく、掲載上の高さは低い。この数字から、車両に載せたときの占有範囲が同じではないことが分かる。ただし、数値だけで乗車姿勢との相性や干渉の有無まで断定することはできない。

WL902の特徴は、バッグとタンク間を鍵で施錠でき、開口部のファスナーにもダイヤルロックを備えること。標準価格は35,200円で、同じ5Lという数字のほかに、外形と施錠機能をどう評価するかが比較点になる。施錠できることを理由に、盗難されないと保証された製品として扱うことはできない。
WL902は、別売のS430シートロックフランジ(品番17874)を使えばシートバッグとしても使える。ただし、本体単独でシートへ固定できるという意味ではなく、取り付け先と部品の条件を確認する必要がある。
出典:MT505商品情報、WL902商品情報、WL902取扱説明書。
容量を増やせるST610+とST612+。大きさと上限重量は別に確認

ST610+は、容量を6Lから10Lに変えられるセミハードタイプ。公式商品名には「6L」とあるが、本文仕様では6〜10Lと明記されている。普段と荷物が増えたときで容量を変えたい場合に比較しやすいモデルだ。底面は290×260mm、高さは150〜200mm。WL902と同様に、別売のS430を使ったシートへの装着にも対応する。

より大きな容量を選ぶならST612+が候補となる。12〜15Lへ拡張でき、スマートフォン収納窓を備えるセミハードタイプだ。底面は335×280mm、高さは260〜310mm。ST610+と比べて高さも大きく異なるため、容量の余裕だけでなく、ハンドル操作や身体との位置関係を確かめたい。
ST612+には、公式ページに「BF24取り付け不可」という個別条件がある。車種に対応するBFアタッチメントが存在しても、選んだバッグとの組み合わせが成立するとは限らない。ST610+とST612+を容量違いだけの製品として扱わず、品番ごとの制約まで確認することが大切だ。
出典:ST610+商品情報、ST612+商品情報。
購入前に確認する4項目
- 車種別の取付部品とバッグの組み合わせ。 車名だけでなく年式などの適合条件を確認する。ST612+とBF24のような組み合わせ制限にも注意する。
- 実際の荷物の重さ。 容量は収納空間の目安であり、積載できる重量とは別。入れたい物を用意し、モデルごとの1kg・2kg上限に収まるかを確認する。
- バッグの外形と操作への影響。 ハンドルの切れ角、身体との距離、拡張後の高さを確認する。小容量でも接触の可能性はある。
- 雨と駐車中の扱い。 レインカバーの有無だけで完全防水と判断せず、鍵の有無もモデル別に確認する。
レインカバーが付いていても、完全防水とは限らない
MT505、ST610+、WL902の取扱資料では、レインカバーが完全防水ではないことと、荷物側にも雨対策が必要なことが案内されている。濡らしたくない物は袋で密閉するなど、バッグの外側だけに頼らない準備をしておきたい。これは本稿で確認した各モデルの説明書に基づく注意点で、GIVIのすべてのバッグを同じ防水仕様とする説明ではない。
また、MT505とST610+は走行時のセーフティベルト装着を求めている。固定部、バッグ本体、ベルトに異常がなく、操縦を妨げない状態かを走行前に確認する。ST610+の説明書は、取り付けに専門知識と技術が必要として販売店への依頼を案内している。取付方法や締付条件は車両・アタッチメントごとに異なるため、記事だけを手順書にせず、対象製品に付属する説明書に従ってほしい。
出典:MT505取扱資料、ST610+取扱説明書、WL902取扱説明書。
容量を決めたら、外寸・取付条件・機能の順に絞る
少量の荷物をまとめるなら3LのXS319Y、5Lで比較するならMT505とWL902の外形や施錠機能、容量の変更が必要ならST610+とST612+の拡張範囲が検討の入口になる。その後で、愛車に合う取付部品、バッグとの組み合わせ、乗車姿勢や操作への影響を確認していくと選びやすい。
タンクバッグ全体にはタンクロック以外のモデルもある。気になる製品は、デイトナ公式のタンクバッグ一覧から個別ページと取扱資料を確認したい。
※仕様・標準価格は2026年10月19日の確認時点。実売価格、販売店在庫、取付可否は購入先で確認を。本文画像はデイトナ公式掲載の製品画像。アイキャッチは製品写真ではなく、AI生成による編集イメージ。











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