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Z900RSが自己ベスト更新、CB750 HORNETは5位 2026年「鉄馬」で得た開発の成果

2026年9月19~20日、熊本県のHSR九州で開催された「鉄馬 with TSK 決戦の日」。MORIWAKI RACINGはアイアンエキスパートクラスに2台で参戦し、森脇尚護選手のZ900RSが2位、堀絢仁選手のCB750 HORNETが5位でファイナルを終えた。

Z900RSは1分03秒467という自己ベストを記録。初めてこの組み合わせで投入されたCB750 HORNETも、走行を重ねるなかでタイムを短縮した。同じ大会では、HondaのCB400 SUPER FOUR E-Clutchが別のアイアンNK4クラスに賞典外で実証参戦している。

PIRELLI FAN SITEの9月30日掲載記事とモリワキの公式参戦報告をもとに、3台がそれぞれ何を持ち帰ったのかを整理する。9月大会の結果を振り返る記事であり、新車や新パーツの発売発表ではない。

目次

まずは結果を整理。Z900RSとHORNETは同じクラス

ライダー/車両予選ファイナルファイナルのベストラップ
森脇尚護/Kawasaki Z900RS2番手/1分04秒0672位1分03秒467
堀絢仁/Honda CB750 HORNET4番手/1分06秒1725位1分06秒090

2台はいずれもMORIWAKI RACINGのアイアンエキスパートクラス参戦車両。表の最後の欄は各車がファイナルで記録した最速の1周であり、レース全体の所要時間ではない。

この結果から見えてくるのは、フィニッシュ順位だけでは捉えきれない開発の進み方だ。Z900RSは勝利こそ逃したものの、自身の従来の水準を更新した。HORNETも予選の4番手から決勝では5位となった一方、ベストラップは短縮している。順位とタイムを分けて見ることで、それぞれの成果と課題が分かる。

Z900RSは2位。1分03秒467で個人の目標を突破

今回のZ900RSは、エンジン出力のアップデートを施して大会に臨んだ。森脇選手は予選を2番手で通過し、セミファイナルでは3位。ファイナルでは2位に入り、2周目に1分03秒467を記録した。

ピレリの記事では、この周回が前年に宇川徹選手のMORIWAKI CB1000Fが記録した1分03秒748を上回ったと紹介されている。森脇選手もモリワキの公式報告で、Z900RSで前年の宇川選手のタイムを超えたいという目標を達成できたと振り返った。

ただし、今回の1分03秒467を大会全体の新コースレコードと呼ぶのは適切ではない。優勝した和田選手のTATARA-011は、さらに速い1分02秒台を記録している。Z900RSについて確認できる成果は、森脇選手自身のベスト更新とファイナル2位だ。

モリワキの報告では、レースウイークを通じてセットアップを検討し、ファイナルではそれまでに試した中から手応えのある組み合わせを選んだという。単にエンジン出力を上げたという一項目だけでなく、現場で車体の状態を詰めながら走りにつなげたことがうかがえる。

どの変更が何秒の短縮につながったかという項目別の比較データは公開されていないため、自己ベスト更新を特定の部品やタイヤだけの効果と断定することはできない。森脇選手が次の目標として掲げたのは、自身も1分02秒台へ入ること。今回の結果は、到達点であると同時に次の開発の基準になった。

CB750 HORNETは5位。新しい車両で実戦データを積み上げる

もう1台のCB750 HORNETは、堀絢仁選手が担当した。モリワキにとって今回の投入は、ミドルクラスの2気筒車で実戦に挑む取り組みでもある。十分な時間をかけて完成させた状態で臨んだというより、限られた事前テストを経て、レースウイークの中でもセットアップを進めた参戦だった。

予選は1分06秒172で4番手。ファイナルでは1分06秒090まで短縮し、5位でチェッカーを受けた。目標としていた1分05秒台には届かなかったが、チームはセッションを重ねるごとのタイム更新を成果として挙げている。

堀選手は走り始めから車両に良い感触を持った一方、決勝でのコースアウトによって順位を落としたことを課題に挙げた。本人のコメントと結果を合わせると、車両への手応えと、レースをまとめ切る難しさが同時にあった一戦といえる。

大会前からモリワキが掲げていたのは、CB750 HORNETの車両性能や各部品を実戦で検証し、その経験を今後の商品開発へつなげることだった。レースで得た知見が将来の製品にどう反映されるかは、今後の発表を待つ必要がある。今回の参戦報告には、新商品の品番、発売日、価格が確定したという情報は含まれていない。

CB400 SUPER FOUR E-Clutchは賞典外の実証参戦

同じ週末のもう一つの話題が、HondaのCB400 SUPER FOUR E-Clutchだ。Z900RSやHORNETと同じアイアンエキスパートではなく、アイアンNK4クラスに賞典外で出走した。

PIRELLI FAN SITEの報告によると、大橋選手が走らせたCB400 SUPER FOUR E-Clutchは、予選で1分11秒456を記録。セミファイナルと7周のファイナルでもトップでチェッカーを受けた。ただし、これは実証参戦車両の走行結果であり、正式なクラス優勝として扱うものではない。

大会前のピレリの記事では、E-Clutch搭載車の特性をレース環境で確認するとともに、2027年以降に一般ユーザーが同車でレースを楽しむための環境や規則づくりを見据えた取り組みと説明されていた。今回の実走は、その検討に使う経験を得る機会となった。

ここでも、賞典外でトップを走ったことから、既存のすべての参戦車両より有利だと結論づけることはできない。異なる参加条件を踏まえ、一般参加車と公平に競える仕組みを検討すること自体が実証の目的の一つである。今後の出場条件がすでに決まったと読み替えず、正式な規則の案内を待ちたい。

ピレリが支えた3台。タイヤの役割と結果の読み方

ピレリの報告では、モリワキのZ900RSとCB750 HORNETはDIABLO SUPERCORSA V4を使用し、雨天に備えてDIABLO RAINも用意した。CB400 SUPER FOUR E-ClutchにもDIABLO SUPERCORSAが装着されたという。

ただし、雨用タイヤを準備したことと、実際にそのタイヤで決勝を走ったことは別だ。また、元記事がCB400について記しているのはDIABLO SUPERCORSAという名称までで、3台すべての詳細なコンパウンドや空気圧が掲載されているわけではない。車両ごとの仕様を、ほかの参加車や市販車へそのまま当てはめないよう注意したい。

今回の結果は、タイヤ、車体、エンジン、ライダー、チームの作業を含めた参戦全体の成果である。タイヤだけを交換した比較試験ではないため、ラップタイムを製品の性能差に換算することはできない。一方で、異なる車両が同じレースの現場で使われ、開発や実証を進めた点には意味がある。

勝負、車両開発、将来のユーザー参戦。異なる3つの成果

Z900RSは既存の目標を超える自己ベストと2位を獲得した。CB750 HORNETは新しい車両を走らせ、タイムの短縮と次の課題を持ち帰った。CB400 SUPER FOUR E-Clutchは賞典外で実走し、将来のユーザー参戦につながる検討材料を得た。3台の取り組みは、同じ順位の物差しだけでは比較できない。

鉄馬は、鉄製フレームの車両を主役に2014年からHSR九州で続くレースイベントだ。主催者の公式サイトでも、街乗りやツーリングで親しむ愛車をベースに楽しむ催しとして紹介されている。メーカーや開発チームの実戦参加と、ユーザーがレースに挑む舞台がつながっているところに、その特徴がある。

今回の9月大会は終了している。次に注目したいのは、Z900RSのさらなるタイム短縮、HORNETの開発が具体的な製品へどうつながるか、そしてE-Clutch搭載車の参戦条件がどのように整理されるかだ。レース結果と今後の計画を分けて確認しながら、それぞれの続報を追いたい。

情報源

※本文は公開された参戦報告をもとにBikeman ニュース 編集部が再構成したものです。アイキャッチは編集イメージで、実車やレース現場の写真ではありません。

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