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G-NET最終戦 Bikeman Presents G-zone「藤原慎也が韓国・台湾からの挑戦者を寄せ付けず優勝」

全日本ハードエンデューロ選手権G-NET

最終戦 Bikeman Presents G-zone

日程:2022年12月11日(日)

場所:愛媛県デッキーランド

 

昨年様々なドラマを生んだG-NET最終戦が、今年もデッキーランドで開催された。藤原慎也、田中太一、山田礼人……今年はさらに韓国チャンピオンのジェホンも参戦し、6名の完走者が誕生した!

 

日本最難のコースに挑む

18名のハードエンデューロライダー

 

全日本ハードエンデューロ選手権の最終戦が愛媛県デッキーランドで開催された。この大会は会場のキャパシティの都合からG-NET年間ランキング20位以内のライダーと、希望する他ジャンル(MFJの統括する選手権およびJNCC)のトップカテゴリー6位以内のライダー、そして海外からの招待ライダーだけがエントリーを許された特別なものとなった。

 

限られたトップライダーだけのためのコースということで、元G-NETチャンピオンであり、九州男塾塾長・藤田貴敏が去年から腕によりをかけて難コースを開拓した。通常どんなハードエンデューロでもレベル差の激しい100名前後のエントラントに合わせてある程度「走れる」コースを作るものだが、このレースに関してはその必要はなく、遠慮なく難易度をあげることができたのだった。

 

出場選手は全部で18名。G-NETから山田礼人、鈴木健二、原田皓太、水上泰佑、佐々木文豊、大塚正恒、藤原慎也、泉谷之則、西川輝彦、永原達也、三輪嘉彦、林宏志、久保山満生、大津崇博、木村つかさ。全日本ロードレース選手権JSB1000の濱原颯道。そして海外から韓国のハードエンデューロチャンピオンのジェホン、台湾のトライアルライダー、チェン・マオが参戦。また、昨年に続きエグゼクティブ・マーシャルとして田中太一が賞典外で出走した。なお、このレースの出場権を得るために第5戦日野ハードで優勝した吉良祐哉とV6チャンピオン高橋博は、家庭や仕事の事情で出場を断念。

 

韓国チャンピオンのジェホンをアテンドしたのは水上泰佑。韓国遠征で仲良くなり、日本での移動やマシンのサポートを行った。なお、マシンは山田礼人が提供したGASGAS EC300にジェホンが持ち込んだハンドルやレバー、シートなどを取り付けたもの。

藤原慎也は昨年このレースで優勝したものの、完走には至らなかった。「今年はなんとしても完走して優勝します」とこのレースへの意気込みを語った。

特別にエグゼクティブ・マーシャルとして参加した田中太一。すでに現役は引退したものの、日本人唯一のエルズベルグロデオ完走経験者だ。

 

韓国チャンピオンのスピードに驚愕!

予選タイムアタック

 

レースフォーマットは昨年と同様、まずは予選タイムアタックにて決勝レースのスタート順を決める。難易度の低いダウンヒルやヒルクライムを織り交ぜた1分30秒ほどのショートコースが作られ、そこを1台ずつタイムアタック。泣いても笑っても1ヒートのみの一発勝負だ。

スピード勝負となれば、やはり期待されるのはモトクロス出身でJNCCやJECでも何度もチャンピオンを獲得してきた鈴木。しかしそう簡単には行かないのが、G-NETだ。

 

西川、水上、大津、藤原らG-NETでもスピードを併せ持つライダーが好タイムを出し、上位を占めていたが、最後に出走した韓国チャンピオンが、桁違いのタイムを出してきた。

ジェホンのタイムは1分20秒31。2位の西川は1分25秒87なので、5秒以上もリードしている。実はジェホンはハードエンデューロをやる前にはKNCC(韓国版JNCC)でもチャンピオンを獲得していて、モトクロス出身のためスピードも持っているのだ。

しかし、それすらも上回ったのが、田中太一だった。正確には選手ではないため記録には載らないものの、ジェホンの記録をわずか0.03秒上回った。とにかくアクセルを開けて暴れるマシンを押さえつけながら走るジェホンと、しっかりとタイヤをトラクションさせ、スムーズなライン取りとマシンコントロールで走る田中。正反対なライディングをする2人のタイムが拮抗しているのが、とても興味深い点だろう。

 

迷いのない走りで藤原が単独トップ

ジェホンVS田中が白熱!

 

コースは昨年のものをほとんどそのまま使っていたものの、中盤に新しい沢が追加され、昨年は誰も到達できなかった終盤にもセクションが新たに追加された。昨年誰一人完走者がいなかったのにセクションが追加された理由は、この一年間のフリー走行などでコースが走り込まれ、土が締まって走りやすくなってしまったため。特に昨年多くの参加者を苦しめ、藤原でさえ一度落ちて手前のセクションからやり直した「やり直しキャンバー」などはかなり難易度が下がっていた。

 

始まってみたら、決勝レースは藤原の独壇場だった。予選で3番タイムだった藤原は2列目のスタート。すぐに先頭に出ると、最初の難所「選別ヒル」をトップで駆け上がり、そのまま誰にも追いつかれずにトップを独走。

 

難所を次々と単独でクリアし、とにかく前に進み続けた。この一年間、どれだけイメージトレーニングを重ねてきたのだろうか。迷いのないライディングからは藤原のこのレースに賭ける情熱が伝わってきた。

 

前半のヤマ場「K猫の細道」をトップで登頂すると、昨年よりも丸太の数が激増した「倒木祭りMAX」も難なくクリア。その後誰にも背中を見せずにゴールに辿り着いた。なんとタイムは2時間5分34秒。昨年は4時間かかって2/3しか進めなかったコースを、半分の時間で完走してしまった。いくら全体的なコース難易度が下がっていたとはいえ、これは藤原が一年間で圧倒的に成長したことの証明に他ならないだろう。そしてそれはテクニック的なものではなく、マシンの作り込みであったり、ハードエンデューロの経験値を積んできた、という意味なのだ。

藤原を追いかけて2番手を走っていたのは、韓国のジェホン。トライアル出身の藤原や田中と違い、モトクロス出身のジェホンは基本、パワーを生かしたライディングを得意としており、ヒルクライムの排気音は誰よりも大きい。

そんなジェホンと接戦を繰り広げていたのは田中だった。正式には選手ではないものの「真面目に走る」と宣言した以上、エルズベルグロデオ・フィニッシャーの面目は潰せない。トライアルをベースに持ち、ハードエンデューロで磨かれた田中のスキルは、いまだに衰えを感じさせなかった。特に下りセクションのスピードではジェホンを圧倒していた。

 

とはいえ、普段はバイクに乗らない生活をしている田中にとって4時間のハードエンデューロは想像以上にスタミナを消耗させた。休憩の時間が多くなり、結果的にはセクションで何度もジェホンと競り合うことに。

モトクロス出身だが、繊細なアクセルコントロールも上手いジェホン。「デスバレー」ではちょうどコーステープの反対側に後を追う田中の姿があった。

昨年、藤原がレースを終えた沢もさほどトラブルなくクリアし、2番手で終盤セクションへ入った。

結果、先にゴールしたのは田中。ゴール前のロックセクションでジェホンを抜き去り、最後の「真パーキングヒル」も一発登頂。正式な記録は掲載していないが、ゴールタイムはおよそ2時間20分ほど。そして田中のすぐ後にゴール下に現れたジェホンだったが、最後のヒルクライムに苦戦し、ゴールタイムは2時間27分44秒。

 

以下、山田礼人、泉谷之則、大塚正恒、原田皓太の順にゴール。ここまで6名が今年のフィニッシャーとなった。

藤原慎也

「去年に比べてだいぶ土が固められていて走りやすかったですね。ただコースが長かったので、しんどいレースでした。特に新しく追加された沢はまだ固められてなくて、到着したのも僕が一人目だったので、抜けるのにとても苦労しました。でもまだ余裕がありますので、もう2つくらいCPがあっても走り切れたと思います。後半の沢で2番手を走るジェホン選手の走りが見えるタイミングがあったのですが、正直驚きました。モトクロス上がりのライダーと聞いていたのですが、低速の扱いもとても上手でした。少し焦ってペースアップしたくらいです。

 

タイヤはフロントAT81EXに、リアEN91で、去年パンクしてしまったのもあって、今年は前後とも柔らかめのムースを入れて使用しました。今は来年のエルズベルグロデオに向けてマシン作りを進めていて、先週ケゴンベルグに来てくれたジャービスのマシンからヒントをもらい、スプロケットを変えてきました。本当はフロントを11丁にしたかったんですけど、間に合わなかったので、フロントは12、リアを54丁にして同じようなフィーリングを得ました。ぶっつけ本番だったのですが、これがかっちりハマって、すごく乗りやすくなりましたね。あとこれまではチャンバーにFMFの中高速寄りのものを使っていたのですが、低速トルクを得るために純正に戻し、サイレンサーにノリフミのTORCを入れました。ハードエンデューロ用のセッティングはこれを基準にして、来年のエルズベルグロデオまでにもっと煮詰めていきたいと思っています」

 

藤原はすでに来年のエルズベルグロデオ参戦を表明しており、イタリアのチームによる現地でのサポート体制も獲得している。今後は予選のためにスピード練習をつみ、予選用のセッティングも煮詰めていく方針とのこと。

 

田中太一

「今日は嘘偽りなく、全力で走らせてもらいました。すごくハードなコースで、本当に疲れました。現役を引退してからもスクールなどでバイクに乗らせていただく機会はあるのですが、ちゃんとレースに出るのはこのG-NET最終戦だけですからね。スタミナを回復するために休憩の回数もとても多くて、そこでかなりタイムロスしてしまいました。僕はできる限りバイクに乗って進みたいのに、塾長(藤田貴敏)の作るコースはバイクを降りて押すことが前提で作られているようなセクションも多くて、あとたった1mコーステープを広くとってくれれば直登できるのに、絶対にそれをさせたくない、という強い意志を感じましたね。

 

僕のバイクはKTM京都がセットアップしてくれたのですが、WP XPLOR PROの新しいエアサスペンションが使われています。とても軽くて、ダンパーのセッティング幅が広く、どんなレベルのライダーにも使い勝手の良いサスペンションだと思いました」

 

ジェホン

「タイスケ(水上)が招待してくれて、アヤト(山田)がバイクを貸してくれて、こうして日本でレースすることができました。本当に感謝しています。韓国では5〜6時間のレースが多いので、スタミナにはまだ余裕がありましたが、下りセクションがとても難しくて腕がパンパンになってしまいました。今日はコンディションが良かったので、ヒルクライムはとても楽しかったです。また、韓国ではGPSを使ったレースフォーマットが主流で、日本のようにコーステープでラインが限定されないため、このルールに慣れるのに苦労しました。また来年も日本に来たいと思います。そして今度は絶対に優勝したいです!」

 

今回のフィニッシャーたち。優勝の藤原には大会スポンサーであるBIKEMANから10万円の賞金が贈られた。

 

全日本ハードエンデューロ選手権G-NETはこれで2022年の全日程を終了。チャンピオンは第5戦ですでに山田礼人に決定している。吉良祐哉の今後の参戦動向や、藤原慎也のエルズベルグロデオ・チャレンジなど、2023年も引き続き目が離せない!

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この記事を書いた人

Off1.jp(ANIMALHOUSE)所属。2016年からG-NETの取材を続けるカメラマン兼ライターです。台湾、韓国、ルーマニアクスら海外レースへも取材に出かけ、日本のハードエンデューロシーンにかける情熱は誰にも負けません!

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