ピレリは2026年10月20日、スーパーバイク世界選手権(WorldSBK)のスペイン最終戦について公式ファンサイトで報告しました。10月16~18日にヘレスで行われた大会では、ニコロ・ブレガが3レースを制して年間32勝に到達。ピレリにとっても、2004年から続けてきた23シーズンの公式独占タイヤ供給を締めくくる大会となりました。
今回のポイントは勝利数だけではありません。同じ週末でもフロントの選択は土曜と日曜で異なり、決勝と予選ではリアの仕様も使い分けられています。結果とあわせて、ピレリが説明するタイヤ選択を整理します。

年間32勝と全36レース表彰台
ブレガはRace 1、スーパーポールレース、Race 2のすべてで優勝し、今季10度目の週末3連勝を記録しました。年間成績は32勝・726ポイントで、36レースのすべてを表彰台圏内で終えています。通算勝利数は52となり、トロイ・ベイリスに並びました。
チームメイトのイケル・レクオーナが挙げた4勝と合わせ、Aruba.it Racing – Ducatiは年間36レースすべてに勝利。メーカー全体ではなく、単一チームでシーズン全勝を達成した点も今回の大きな記録です。
- Race 1:ブレガ、サム・ロウズ、レクオーナの順。
- スーパーポールレース:ブレガ、レクオーナ、ロウズの順。
- Race 2:ブレガ、レクオーナ、ロウズの順。
Race 2では終盤に雨が降り始め、3位争いが最終周まで続きました。ロウズがアルバロ・バウティスタを抜いて表彰台へ上がり、3レースとも同じ3人が表彰台を占める最終戦となりました。

決勝はリアSCX、フロントは土日で選択が変化
土曜日のRace 1でブレガが選んだフロントは、ミディアムのSC2でした。レクオーナとミゲル・オリベイラも同じ選択で、ほかのライダーはソフトのSC1を使用。リアは全車がスーパーソフトのSCXを選びました。
ピレリは、ヘレスでは温度上昇に伴い路面のグリップが下がりやすく、タイヤの摩耗も大きくなると説明しています。土曜のSC2については、厳しい条件で周回を重ねても性能を保てたと評価しており、ブレガはこの組み合わせで20周を走り切りました。
一方、日曜のスーパーポールレースとRace 2では、全車がフロントSC1・リアSCXを使用しています。ブレガもSC2からSC1へ変えていますが、本人の変更理由までは公式記事に明示されていません。「柔らかい方が常に速い」「硬い方が常に有利」と単純化せず、そのレース条件で採用された仕様として読む必要があります。
予選では全22人がリアにエクストラソフトのSCQを使用し、ブレガのポールタイムは1分36秒643。日曜のスーパーポールレースでは1分37秒196を記録し、前年の決勝ラップレコードを0秒463短縮しました。予選用の一発の速さと決勝の連続周回は、目的を分けたタイヤ選択で支えられています。
日本勢は岡本裕生がRace 2欠場、アクス・タイヨウが連続トップ10
WorldSSPの岡本裕生は、予選で前年のヘレスより約2秒速いタイムを記録しましたが、Race 1は2周目に転倒してリタイア。医療チームの判断によりRace 2を欠場し、年間26位でシーズンを終えました。
WorldSPBのアクス・タイヨウはRace 1で今季最高の9位、Race 2で10位。最終戦の両レースでトップ10に入りました。WorldSBK、WorldSSP、WorldSPBはそれぞれ別クラスであり、ブレガの32勝と日本勢の成績を同じランキングとして混同しないよう注意が必要です。

23年間で蓄積した技術は次の製品開発へ
ピレリの独占供給は2004年に始まりました。2013年には16.5インチから17インチへ変更し、市販スポーツバイクとの共通性を高めています。その後、2019年にSCX、2022年にSCQを導入。今回のヘレスでも、それぞれ決勝と予選で使われました。
公式記事は、2007年のDIABLO SUPERCORSAから翌年の公道向けDIABLO SUPERCORSA SPへ技術を展開した例も紹介しています。ただし、レースでのコンパウンド名や使用実績だけで、読者のバイクへの適合や公道使用可否が決まるわけではありません。購入時は個別製品の用途、サイズ、車両への適合を別途確認してください。
本記事はピレリの公式報告を基に編集部が要約・再構成したものです。大会結果の記録とタイヤメーカーによる評価を区別し、変更理由など公表されていない内容は推測で補っていません。
メーカー・出典:ピレリ/PIRELLI FAN SITE スペイン最終戦レポート
元記事公開日:2026年10月20日
情報確認日:2026年10月20日(日本時間)
関連記事:エストリル戦の結果とクラス別タイヤ選択。本稿はその後に行われたヘレス最終戦の公式報告を扱います。











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