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沖勇也がHSR九州で完全制覇|全日本スーパーモト第7戦、逆走と雨で動いた王座争い

10月4日に熊本県のHSR九州で行われた全日本スーパーモト選手権第7戦は、初採用の逆回りレイアウトに加え、途中からの降雨によって午後の決勝を全面舗装のフルターマックへ変更する難しい一戦となった。その中でS1 PROの沖勇也が予選と決勝2レースを制し、完全制覇を達成した。

シリーズ首位の小原堅斗は両レース2位。沖に対するリードは大会前の35点から25点となり、王座争いは最終戦へ持ち越された。MFJが10月4日に公開した公式レポートをもとに、3クラスの結果と終盤のポイント差を振り返る。

S1 PROで予選と決勝2レースを制した沖勇也
S1 PROで予選と決勝2レースを制した沖勇也。写真出典:公式レポート。
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初の逆走、午後にはダートを使わないコースへ

HSR九州は、ホンダ熊本製作所に隣接するモータースポーツ施設。全日本スーパーモトでは全長2350mのサーキットコースを用い、高速の舗装区間の一部をショートカットしながら、ジャンプやタイトターンのあるダート区間を組み込んでいる。

第7戦では、これまでと逆方向に走る特別レイアウトを採用した。その結果、通常はスタート直後に通るダートがコースの最後へ移り、舗装区間にはシケインも追加された。同じ開催地でも、従来の走行ラインや抜きどころをそのまま当てはめにくい構成になった。

朝はドライだったが、午前の決勝中から小雨が降り、昼前には雨量が増えた。午後のレース2はダートを外したフルターマックに変更。S1 PROは10周から13周へ、S1 OPENとS2は8周から11周へと周回数も増えた。午前と午後ではコース構成と路面の両方が変わり、同じ日に別の条件へ合わせ直す対応が求められた。

S1 PRO:予選0.061秒差から、2レースを制した沖勇也

S1 PROの予選は、沖と小原がタイムを更新し合う接戦になった。沖のベストは1分21秒949。小原は最終アタックで1分22秒010まで詰めたが、差はわずか0.061秒。五十住洋佑が3番手に続いた。

10周のレース1は沖が好スタートを切ったものの、小原がダートで逆転。舗装区間で沖が前へ出て、ダートで小原が取り返す場面もあり、両者は異なる区間で強みを見せた。6周目に沖がトップに立つと、小原が1秒以内で追い続けた。

雨が強くなった最終周、舗装区間で小原が転倒し、その直後に沖も転倒。両者はすぐに走行を再開し、沖が優勝、小原が2位となった。五十住も終盤に転倒して後続に迫られたが、3位を守った。

フルターマックに変わったレース2では、小原、沖、五十住の3台が最後まで優勝を争った。沖はいったん五十住にも先行されたが、9周目に抜き返し、11周目に小原を逆転。13周目のゴールでは小原との差が0.193秒、さらに小原と五十住との差も0.310秒という接戦だった。

S1 PROの表彰台。両レースとも沖勇也、小原堅斗、五十住洋佑の順となった
S1 PROの表彰台。両レースとも沖勇也、小原堅斗、五十住洋佑の順となった。写真出典:公式レポート。

両レースで表彰台の3人と順位は同じだったが、経過は大きく異なる。レース1はダートを含むコースでの転倒と再スタート、レース2は舗装区間だけでの僅差の攻防。沖は条件が変わっても勝利をつかみ、小原は首位を維持する結果を持ち帰った。

選手の振り返りにも表れた、当日の難しさ

公式レポートに掲載された沖の説明では、同じHSR九州で行われた第4戦で逃した2レース制覇を、今度こそ実現したい思いがあったという。ただし事前の逆走練習は、ダートやシケインの配置まで本番と同じではなく、十分なデータがそろった状態ではなかった。

午後は長いストレートに合わせるギア比のデータもない中での対応になったと述べている。一方、小原は強化してきた舗装路でのブレーキングに手応えがありながら、雨で想定した追い抜き場所を使いにくくなったと振り返った。単に速いラップを持っているだけでは対応しきれない変更が続いたことがうかがえる。

S1 OPEN:唐澤哲也が完全制覇、首位との差は28点に

S1 OPENで予選と決勝2レースを制した唐澤哲也
S1 OPENで予選と決勝2レースを制した唐澤哲也。写真出典:公式レポート。

S1 OPENはランキング首位の真木來人が前日の練習で負傷し、出場を見合わせた。予選では唐澤哲也が1分25秒958を記録し、森田直樹、佐野新世が続いた。

レース1は唐澤が先頭でスタートし、森田が追う展開。森田は大きく離されず終盤まで追ったが、唐澤がトップを守り、森田が2位、スポット参戦の平翔太が3位となった。

レース2でも唐澤がトップを確保。序盤から差を広げ、6周目には約10秒のリードを築いた。後方では平と森田が2位を争い、最後は平が2位、森田が3位。唐澤は予選と決勝2レースのすべてを制した。

大会後、森田は首位の真木と22点差、唐澤は真木と28点差となった。森田と唐澤の差は6点。真木がポイントリーダーのまま最終戦へ向かう一方、追う2人の差も接近している。

S2:高津戸義彦が総合優勝、寺平悠成のリードは26点

S2レース2の接戦を制して総合優勝した高津戸義彦
S2レース2の接戦を制して総合優勝した高津戸義彦。写真出典:公式レポート。

S2は森田直樹が予選トップ。今季限りで全日本からの引退を表明した高津戸義彦が2番手につけた。レース1では森田が序盤から主導権を握り、途中で2位へ上がった高津戸を引き離して勝利。高津戸が2位、宮田輝が3位となった。

フルターマックのレース2は高津戸が好スタートを決めたが、宮田が追い上げ、7周目には一度首位へ出た。翌周に高津戸が抜き返し、終盤は那須愛斗と森田も加わった4台の接戦になった。

最終周のコース終盤で那須と森田が転倒。高津戸が逃げ切り、宮田が2位、納冨桂が3位に入った。高津戸はレース1の2位と合わせて総合優勝。宮田は3位と2位で総合2位となった。

ポイントリーダーの寺平悠成は首位を維持したが、森田に対する差は大会前の39点から26点へ縮まった。森田はレース1で勝ちながら、レース2の転倒が響いた形だ。

主要結果と、最終戦前のポイント差

クラスレース1の1~3位レース2の1~3位
S1 PRO沖勇也/小原堅斗/五十住洋佑沖勇也/小原堅斗/五十住洋佑
S1 OPEN唐澤哲也/森田直樹/平翔太唐澤哲也/平翔太/森田直樹
S2森田直樹/高津戸義彦/宮田輝高津戸義彦/宮田輝/納冨桂
  • S1 PRO:小原堅斗が沖勇也を25点リード
  • S1 OPEN:真木來人が森田直樹を22点、唐澤哲也を28点リード
  • S2:寺平悠成が森田直樹を26点リード

MFJの大会ページでは、最終戦・第8戦美浜大会は11月14・15日、愛知県の美浜サーキットで予定されている。掲載されている選手エントリー期間は10月6~15日で、10月19日現在はその期間を過ぎているため、現在も申込可能とは案内しない。

最終戦で必要になる順位や、欠場した選手の復帰状況まで、このポイント差だけで断定することはできない。正式なランキングや出場者、大会の進行については今後の公式情報を確認したい。

出典:MFJ・全日本スーパーモト第7戦HSR九州大会レポート、MFJ・第8戦美浜大会情報。2026年10月19日確認。

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