サンクチュアリー本店が、Z1をベースとした「RCM-685」の製作状況を紹介した。持ち込まれた愛車を使い、オーナーが希望する耐久レースへの参加も視野に入れて車体を構成するプロジェクトだ。
10月13日の公式ブログでは、フレーム補強、リアサスペンションの取付位置変更、ワイドタイヤに合わせたチェーンまわりの処理を報告。パウダーコートを終えたフレームに、RCMのシリアルナンバープレートを取り付けるところまで進んでいる。

所有していたZ1を持ち込み、使い方に合わせて製作
今回の依頼車は、ケミカルメーカーのエーゼット関係者が所有していたZ1。新たにベース車を探すのではなく、既存の愛車をRCMとして仕立てる方法が選ばれている。
公式ブログによると、オーナーが希望しているのは遊び心のある耐久レースへの参加。具体的な大会名や参戦日程は発表されていないが、サンクチュアリーはレースで使われる可能性を踏まえて製作を進めている。
この用途が、今回のフレームづくりの前提となる。街中を穏やかに走る車両と、レース参加も考える車両では、同じZ1でも求める仕様が異なる。RCM-685は、車種名だけで決まる一律のメニューではなく、依頼主の使い方を出発点としている。
フレーム補強ST-2で重視するのは全体のバランス
フレームには、サンクチュアリー独自の補強メニュー「ST-2」を施工している。素材として紹介されたのはSTKM13のシームレスパイプや、SS400鋼板から成形したガセットなど。元のフレームとの組み合わせを考えた構成だ。
記事中で説明される考え方は、補強材だけを高強度にすればよいわけではない、というもの。サンクチュアリーは、補強材の材質だけでなく、形状や配置を重視する方針を示している。
ここで紹介されるST-2は、このRCM-685の用途を踏まえた施工内容である。すべてのZ1や公道用車両に同じ補強が必要だとする案内ではない点は押さえておきたい。
リアサスのレイダウンには、角度変更以外の目的もある
リアサスペンションのレイダウン加工では、取付角度の変更に加え、左右のリアサスペンション間の幅を295mmへ広げる目的が説明されている。
背景にあるのは、17インチのワイドなリアタイヤを使う仕様と、ドライブチェーンラインの21mmオフセットだ。外側へ移るチェーンとリアサスペンション内側の干渉を避けるため、各部の位置関係を一体として検討している。
この数値はRCM-685の製作内容を示すもので、別の車両にもそのまま適用できる設定値ではない。タイヤやホイール、スプロケット、フレーム、サスペンションの組み合わせが変われば、確認すべき条件も変わる。
専用治具で取付位置の精度を確保
レイダウン加工の紹介では、サスペンション取付部の位置を正確に出すための治具も登場する。公式ブログは、穴加工から取付部の固定・溶接まで、治具を介して作業することの重要性を説明している。
完成後には見えにくくなる工程だが、左右の取付位置や平行度に関わる部分だけに、単に外観上の角度を変える作業ではないことが分かる。今回のレポートは、製作側がどのような精度管理を重視しているかを知る材料となる。
車体の溶接やサスペンション支持部の変更を伴うため、本記事は加工方法を再現するための手順ではない。実車のカスタムを検討する場合は、専門店と用途や車両状態を共有したうえで相談したい。
ワイドタイヤとチェーン、フレームの関係を整理
RCM-685では、チェーンラインを外側へ移すことに対応したフレーム内側の処理も完了している。サンクチュアリーは、190幅のリアタイヤを使う場合に、チェーンがタイヤ側面やフレームと干渉しないようにするための内容として紹介した。
「幅の広いタイヤを入れる」という一つの変更でも、周囲の部品との位置関係は連動する。今回の報告を読む際は、タイヤの寸法だけでなく、チェーンラインとリアサスペンションの配置が同時に検討されている点に注目すると、製作の意図を理解しやすい。
ただし、完成後の走行評価やタイヤ銘柄、最終的な足まわり一式の仕様は、今回の報告では示されていない。製作中の加工内容と、完成車の確定スペックを混同しないことが大切だ。
フレームは塗装を終え、車体組み立てへ
一連の加工後、フレームはパウダーコートから戻り、RCMのシリアルプレートを取り付けた。これは作業が完成したという意味ではなく、車体を組み上げていく段階へ進む節目となる。
サンクチュアリーが示した完成目標は、2026年末から2027年初めごろ。あくまでブログ公開時点の目標であり、納車日を確約した発表ではない。
今回の報告で確認できたポイント
- 車両:オーナー持ち込みのZ1をベースとするRCM-685。
- 用途:耐久レースへの参加希望を踏まえた製作。
- フレーム:ST-2補強、リアサスのレイダウン、チェーンラインのオフセットに対応する処理を実施。
- 進捗:パウダーコート後のフレームにシリアルプレートを装着し、組み立てに進む段階。
- 未確定:完成車の全仕様、実測性能、具体的な参戦大会、完成・納車日。
RCM-685の見どころは、空冷Zの雰囲気を残すことと、想定する用途に合わせて車体各部を整えることが、別々ではなく一つの製作方針として進められている点だ。今後の組み立てでどのようなZ1に仕上がるのか、続報を待ちたい。
出典・関連情報
本記事は2026年10月19日時点で確認できた公式情報に基づいています。予定、仕様、販売条件は変更される場合があるため、最新情報は各公式ページで確認してください。











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