X-ADVはとても個性的なバイクです。
スクーターのような利便性を持ちつつ、ルックスはアドベンチャー。排気量745cc、水冷4ストロークOHC4バルブ直列2気筒エンジンに先進のDCT(デュアル・クラッチ・トラスミッション)を装備しています。似たようなマシンが他に存在しないので、たぶんこの記事を読んでいる皆さんもどんな走りをするのかイメージできないのではないかと思います。
そこで今回は、長年スポーツバイクに乗り続けているベテランに試乗していただいて感想を聞かせていただくことにしました。
もてぎ7時間耐久ロードレースで優勝もしたベテランライダー
加納さんは55歳。
10代のときからバイクに乗り続けています。
スポーツライディングとスーパースポーツをこよなく愛し、レースにも積極的に参戦。2004年には、もてぎ7時間耐久ロードレース、通称「もて耐」で優勝を果たしました。
最近は息子さんと一緒にカブ耐久レースなどのモータースポーツも楽しむようになりました。
さらに2024年モデルのCBR600RRレースベースモデルも購入。
また、日常ではVTR1000に乗るなど、スポーツバイクにどっぷり浸かったバイクライフを送っているのです。
X-ADVと初対面
そんな加納さん、X-ADVを目にするのは今回が初めて。
「排気量が750ccなんですよね?そのわりに車体がとてもコンパクトで驚きました。250ccクラスのビッグスクーターよりも小さく感じます。」
スポーティーでアグレッシブなデザインなど、かなり好印象の様子です。
細かく車体を見ていって目が止まったのは足まわり。
「スポークホイールがオフロードバイクっぽくていいですね。」
X-ADVはフロントに17インチ、リアに15インチのスポークホイールを採用。タイヤはチューブレスです。
倒立フォークを採用していてフロントのブレーキキャリパーは剛性の高いラジアルマウント。
パイプハンドルはオンオフ問わずバイクをコントロールしやすそうな形状。
Honda SMART Keyシステムが標準装備されていることにも驚いている様子です。
エンジンとDCTが好印象
デュアル・クラッチ・トランスミッション(DCT)搭載マシンも初体験だということで興味津々。
ボタンの操作を確認しています。
シフトモードやマニュアル時のシフトアップ、ダウンのことなどを頭に入れて試乗に出かけていきました。
しばらくして一度戻ってくると開口一番に、予想以上に早くて面白いバイクだと教えてくれました。
「ちょっと舐めてました(笑)。マッタリ走ることしかできないんじゃないかと思っていたらけっこうパワフルで速い。かなり楽しいバイクです。」
エンジンのフィーリングも気に入ったようです。
「ツインの鼓動感とか排気音もいいですね。ホンダのVツインが好きで、これまで何台も乗り継いできたんですが、それらのバイクに通じるフィーリングがあります。」
そして驚いていたのがDCTの完成度の高さ。
「シフトのフィーリングが自然だし、乗っていて楽しいです。とても完成されたシステムだと思いました。」
次はパワーモードの違いを確認するためにまた走り出します。
「モードを切り替えるとエンジンの特性がずいぶん変わりますね。パワーモードを全部試してみたけれど、個人的にはレインモードが気に入りました。街や田舎道をノンビリと走るのにちょうどいいエンジン特性になります。」
「もし自分で所有していたとしたら普段はずっとレインモードでしょうね。時々スタンダードモードにするくらいかな。ストリートだとスポーツモードはあまり使わない感じがします。でもワインディングなどで元気に走りたい気分になったとき、対応できるスポーツモードがあるのはいいと思います。」
ストリートを楽しめるハンドリング
ハンドリングに関してはどうだったのでしょう?
「サスペンションがしなやかで良く動きますね。普段サーキットで乗っているレース用のマシンはサスペンションの動きが硬いから正反対なので最初は『こんなにサスガ動くんだ』と驚きました。でもストリートならX-ADVくらい動いてくれたほうが走りやすいです。乗り心地も良いですしね。」
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