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G-NET第4戦ブラックバレー広島「山本VS藤原、世界選手権での経験が自信となり、成績に繋がる」

10月 31, 2022

全日本ハードエンデューロ選手権G-NET

第4戦 ブラックバレー広島

日程:2022年10月16日(日)

場所:広島県ホワイトバレー松原

 

原田、鈴木が不在も藤原が参戦

6月に開催された日高ロックスから実に約4ヶ月ぶりとなる全日本ハードエンデューロ選手権G-NETの第4戦が、広島県ホワイトバレー松原で開催された。このブラックバレー広島は3年目の開催だが、例年G-NETの中では比較的容易とされるラウンドとなっている。そのためエントリー台数は過去最高の190台オーバーを記録。

 

しかし容易というのはあくまで一つ一つのセクションの難易度の話だ。一周の中には27個ものセクションが内包され、今大会では結果としてトップは6周することになった。コースレイアウトの妙から適度に渋滞も分散されており、休憩ポイントはほとんどない。シーズンもいよいよ後半戦となりランキング争いはここから白熱必至、上位のライダーは体力の限界に挑戦するレースを強いられた。

 

さらに「広島ルール」の存在も忘れてはならない。このブラックバレー広島では、通常のクロスカントリールールと異なり、3時間のレース時間が過ぎたあと30分間振られるチェッカーフラッグを受けないと失格となる。例えトップでも最後の一周でトラブルや時間配分ミスがあり、チェッカーを受けられないと一発でノーポイントになってしまうのだ。また、周回数がトップの60%に満たない場合も同じく失格だ。

 

なお今大会は原田皓太が整備中の怪我から感染症を発症したためドクターストップが入り、DNS。他には鈴木健二がYZの試乗会とスケジュールが重なり、森耕輔がトランポの故障、ZEROがマシンの修理が間に合わず、それぞれ欠場という事態に。主要トップライダーが欠く一方で、藤原慎也と石戸谷蓮がスポット参戦した。

藤原と石戸谷、鈴木は6月にエルズベルグロデオに、山本礼人と佐々木文豊は7月にルーマニアクスに参戦。さらに少し前ではあるが2016、2017にTKOに参戦したロッシ高橋。これらの大会はいずれもハードエンデューロ世界選手権のラウンドに数えられている。このように多くの日本人が世界に挑戦し、少しでも世界のレベルに近づこうと切磋琢磨しているのだ。

 

世界戦経験者が上位を占める

 

レースは山本と藤原の一騎打ちになった。序盤は水上泰佑、佐々木、高橋、大塚正恒らが食らいついていたものの、次第に2トップが抜きん出ていった。山本と藤原ではテクニックでトライアルIASの藤原に分があるのは誰もが認めるところだろう。しかし山本にはハードエンデューロで培った経験があり、昨年度チャンピオンの自信、そしてルーマニアクス参戦で身につけた強固なメンタルがあった。また、土曜日に会場入りし、じっくり時間をかけてコースの下見ができた山本に対し、藤原は日曜朝に会場入りし、下見ができなかったことも結果に影響したのではないだろうか。

レース中、何度も首位を入れ替えていたが、最後は山本がトップをキープ。山本は観客や他のライダーの情報から、藤原との差が5分ほどに広がっていることを確認し、レース終了40分前に6周を終えてチェッカー待機列にマシンを並べた。2時間50分で6周、通常であればもう一周行くことは可能だ。しかし休む間のないコースに体力を奪われていた山本はリスクの高さとチャンピオンシップを考慮し(優勝を争っていた藤原はG-NETフル参戦ではないため、ランキングを脅かさない)、ここでレースを終えることを決断した。まもなく藤原も山本に続いて6周を終え待機列へ。数分後、チェッカーが振られ始めると他のライダーと共にゴールした。

3位に入ったのはロッシ高橋。一昨年、膝の靭帯を痛め連続チャンピオン記録を6でストップさせた高橋は、復帰後はマイペースでのレースを意識している。特に今回はセクションの難易度が控えめだったため、山本と藤原のペースが上がり過ぎており、ここに勝負を挑むことはリスクが大きいと判断。チェッカー終了ギリギリに6周目を滑り込んだ大塚が4位。5位が泉谷之則、6位に佐々木が入った。

序盤、3位争いをしていた水上は2時間経過時点で両足の疲労が限界を迎え休憩を決断。さらに6周ペースで順調に周回していた若手注目株の大津崇博は4周目にマシントラブルで無念のリタイヤ。

 

今年のG-NETは全6戦の有効ポイント制でチャンピオンシップを争っている。そのため、ほとんどのライダーは遠方である北海道ラウンドを欠席して残りのラウンドでポイントを獲得する作戦だった。対して水上はフル参戦。さらに北海道では優勝していたため、この広島を落としても残りの日野、愛媛でしっかりポイントを獲れば問題ない、という計算もあったのだろう。

とはいえ、この結果で山本は4戦中3勝。日野で優勝すると最終戦を待たずに年間チャンピオンが決定する。約30ポイント差で山本を追うのは佐々木、水上、大塚。次戦は11月27日、群馬県日野ハードエンデューロなのだが、山本、水上、佐々木、原田の4人はその前に韓国遠征を控えている。

山本礼人

「広島のコースは本当に素晴らしくて、またここで優勝することができて本当に嬉しいです。先日たくさんの方に応援していただき、RedBullルーマニアクスに出場してきました。結果は奮わず、精神的にも苦しかったのですが、また気を取り直して練習して、海外レースでもいい成績を出していきたいと思います。

今日は特に『ここが難しかった』というセクションはないんですけど、全体的に適度に難しいコースがずっと続いていて、セクション同士もすごく近くて休めるところがないので、体力的にかなり厳しかったです。190台もエントリーがあったので2周目は渋滞がすごいかな、と覚悟していたのですが、コースの作りがすごく秀逸なので渋滞がほどよく分散されていて、とても走りやすかったですね。

ルーマニアクスは良い成績こそ残すことができませんでしたが、メンタルがすごく成長できました。日本ではあんなに恐ろしいセクションは絶対に存在しないので、心にすごく余裕ができましたね。最終戦でまた田中太一さんと一緒に走れるのがとても楽しみです」

藤原慎也

「ブラックバレーは初めて出たんですけど、今日はハードエンデューロの中でもスピード系のレースでした。急なスピードに目がついていかなかったせいか、1周目からずっと目のピントをうまく合わせられなくて、ほとんどコースがわからないまま走り続けてフィニッシュしました。途中で1位を独走している時もあったのですが、アヤト君に追いつかれてしまいました。それでもどちらかというと苦手なハイスピード系のレースで2位という結果を残すことができたので、エルズベルグロデオに参戦した経験がしっかり結果に結びついていると思います。G-NETはまた最終戦にエントリーしたいと思っていますので、応援よろしくお願いします」

4位入賞の大塚。日高ロックスでは自身初の2位も獲得しており、近々、初優勝が期待されるライダーの最有力候補。温厚な性格ながら熱い走りでチェッカーギリギリに周回してきた。

昨年は広島ルールでの順位とは別にG-NETポイントが付与されたため、トップ陣がみなチェッカーを受けられず、優勝したのは3周でチェッカーを受けた泉谷だったが、今年は実力を発揮し、G-NETでも5位を獲得。

ルーマニアクスから帰国後、しばらく体調を崩していたという佐々木だったが、ようやく体力を取り戻しつつあり、6位入賞。

木村吏が7位。これでポイントランキング5位に入っており、今年こそ念願の黒ゼッケン獲得は確実か。

大津はニューマシンのGASGAS EC300で初めてのG-NET参戦。転倒時にフューエルポンプコネクションを破損してしまい、リタイヤ。

11月4日〜6日、韓国で開催されるSANLIM EXTREME ENDUROに水上、佐々木、山本、そして怪我で欠場した原田を加えた4人が参戦する。

ブラックバレー広島では高齢のライダーをリスペクトしており、「爺-NET」が併催されている。50〜59歳、60〜64歳、65歳〜の3クラス別に成績優秀者を表彰している。