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MotoGP第6戦カタルーニャGP Moto2、Moto3レースレポート/Moto2小椋藍が1年半ぶりに表彰台の頂点に立つ

目次

MotoGP第6戦カタルーニャGP
5月24日~26日/スペイン バルセロナ-カタルーニャ・サーキット

Moto2:小椋藍が2022年日本GP以来の優勝を飾る

小椋藍(MTヘルメット – MSI)は、カタルーニャGPの予選Q2を10番手で終えていました。15分間の予選で、最初のアタックではミスをして計測タイムなし。後半のアタックで記録したタイムによるものでした。予選後、小椋は「午前中はトップとの差が縮まるのですが、路面温度が上がる午後はタイヤが動き出して高速コーナーでうまく走れないんです。ソフトタイヤのほうがタイムは出ているので、明日の決勝レースはソフトでいきます。スタートを決めて追い上げたいです」と語っていました。

そして、決勝レースで、小椋は土曜日に語っていたようにフロントにSC1(ソフト)、リヤにSC0(ソフト)、つまり前後ともにソフトタイヤを選択します。今大会では特にフロントタイヤについて選択が分かれ、約半数のライダーがSC2(ミディアム)を選んでいました。結果的に、小椋はこのソフトタイヤを最後までマネージメントして、優勝するのです。

好スタートを切った小椋は、1コーナーで3番手に浮上します。タイヤがフレッシュな序盤はやや後退したものの、小椋は冷静に状況を見ていました。6周目に4番手、11周目には3番手にまでポジションを上げます。15周目にトップを走っていたフェルミン・アルデグエル(ベータ・ツールス・スピードアップ)がトラックリミット違反によって受けたロングラップ・ペナルティを消化中に転倒を喫してリタイアすると、18周目にチームメイトのセルジオ・ガルシア(MTヘルメット – MSI)をかわしてトップに立つのです。そして、ガルシアに対してギャップを築き、チェッカーを受けたのでした。

17番手から2位でゴールした前戦フランスGPと同じように、今回もまた、終盤まで小椋のペースは他のライダーと比べて落ちなかったのです。小椋は「今回はよくタイヤをマネージメントできたと思います」と、MotoGP.comのインタビューで語っていました。

「レース終盤、ボクはセルジオよりも明らかにいいペースがありました。序盤にボクは彼よりも落ち着いていたので、それが違いを生んだのだと思います。10番手スタートでとても難しい週末でした。優勝できるなんて、思わなかったです。とてもうれしいです」

この優勝は、小椋にとって2022年日本GP以来、約1年半ぶりに飾ったものでした。2023年シーズンはチャンピオン争いを期待されながら、開幕前の左手首の負傷の影響で安定したシーズンになりませんでした。そして、2024年シーズンはチャンピオン獲得を目指してチームを移籍。小椋にとって、さままな意味のある優勝だったはずです。

小椋はこの優勝により、チャンピオンシップのランキング3番手に浮上しました。

素晴らしいスタートで順位を上げた小椋は、終盤にトップに立ちそのまま1位でフィニッシュ
2戦連続の表彰台。今回は優勝である。表彰台で、笑顔がこぼれる
優勝した小椋(中央)、2位のセルジオ・ガルシア(左)はチームメイトで、MTヘルメット – MSIは2戦連続でワン・ツーフィニッシュを達成。3位はジェイク・ディクソン(右)だった

今季からMoto2クラスに参戦する佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、25番手からスタートし、他車に接触されて転倒リタイアに終わっています。

「転倒は自分のせいではないだけに悔しいですけど、今週は今までのウイークと比べてトップとの差を縮めることができて、ポジティブだったと思います」と、MotoGP.comのインタビューで語っていました。

Moto3:日本人ライダーは苦しい週末に。最上位は山中琉聖の11位

Moto3クラスに参戦する日本人ライダーにとって、カタルーニャGPの決勝レースは厳しい戦いとなりました。

山中琉聖(MTヘルメット – MSI)は2列目5番手からスタートするも、エンジンに問題を抱えてスタートで後退し、レース後半は山中自身のミスもあって、11位でゴールしました。MotoGP.comのインタビューで、山中はこう語っています。

「自分の最低限の仕事はできたと思います。もともと(フロントの)SC2(ミディアム)はあまりいいフィーリングがなかったんです。SC1(ソフト)だったら、最後までもったかもしれません。序盤はすごくいいフィーリングで走れたとは思います。今回はいろいろなことがミックスして、難しいレースになったと思います」

鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は、予選でQ2に進出できず、21番手からのスタートでした。レースでは1周目に12番手に浮上しますが、コースのショートカットによりロングラップ・ペナルティを科されます。これの消化中に白線に触れてしまったことで「正しくペナルティを消化しなかった」とされ、再度、ロングラップ・ペナルティを消化することになりました。それでも、ポイント圏内の15位でゴールしています。

「1コーナーの進入でスリップストリームが効き過ぎてブレーキングミスをしてしまい、1コーナーから2コーナーにかけてショートカットした際に、それによって得たラップタイムが大きすぎてロングラップ・ペナルティを受けました。次戦のムジェロは僕にとって、半分、ホームレースのようなものです。頑張りたいと思います」

また、古里太陽(ホンダ・チームアジア)は、予選Q2で自己ベストグリッドの4番手を獲得しましたが、プラクティス2でライン上のスロー走行によって他車の走行を妨げたとされ、決勝レース中のダブル・ロングラップ・ペナルティが科されました。

土曜日を終えて「アウトラップのときに1コーナーでラインを妨害したのが理由なのですが、自分としては納得いかないです。走りは悪くないので、それだけにすごく悔しい。明日は何も考えず、全力でいくだけです」と語っていた古里でしたが、決勝レースでは1回目のロングラップ・ペナルティを消化したのち、転倒を喫してリタイアとなりました。

「すべてにおいて噛み合っていなかったけど、レースでは1回目のロングラップ・ペナルティを消化して上位に追いついて走れていたので、スピードはあったと思います。このスピードを生かして、次のムジェロ、頑張っていきたいです」

MotoGP第7戦イタリアGPは、イタリアのムジェロ・サーキットで、5月31日から6月2日にかけて行われます。

※ロングラップ・ペナルティ…
レース中、コース外側に設定された特定のエリアを通過しなければならないペナルティ。通常のコースよりも大回りとなるため、ペナルティを消化すると数秒ロスのラップタイムとなる。このペナルティを消化する際に白線に触れると、正しく消化されなかったとして、再度、ペナルティ消化を行わなければならない。

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PIRELLI(ピレリ)の公式情報以外にも、PIRELLIブランドのファンの方はもちろん、モーターサイクルファンのすべての方々に有益で面白い情報を集め、発信していく「ファンサイト」です。

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