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ミニマムな北海道ツーリングを提案、小樽〜苫小牧クロスカブの旅

北海道ツーリングというと、一週間くらいお休みを取って大型バイクで北海道一周……そんな夢のようなものを想像してしまいますが、別に日帰りだっていいし、バイクはカブだっていいんです。

今回は最も手軽に北海道ツーリングを体感できるプランを提案します。

関東地方から北海道に行くライダーの多くは「新潟→小樽」か、「大洗(もしくは仙台)→苫小牧」のフェリーを利用します。キャンペーンや運航時間、北海道のどの地域を旅したいか、などによって使い分けるのですが、今回は往路に「新潟→小樽」を利用し、小樽から苫小牧までツーリング、そして復路は「苫小牧→大洗」という離れ業を使ってみます。

目次

朝4時オープンの朝市でいくら丼

新潟→小樽間で運航している新日本海フェリーは、昼の12時に新潟港を出港して翌4時30分頃に小樽港に到着します。

目指すのは大洗行きのフェリーが出る苫小牧港なのですが、出港は夕方の18時45分なので、約14時間も北海道ツーリングが楽しめるわけです。

それだけあれば、ザ・北海道が感じられる美瑛町や富良野を経由するルートも可能ですし、寄り道せずに走り続ければ宗谷岬に行くことだってできそうです。今回は少し余裕を持って「小樽→ニセコ→洞爺湖→支笏湖→苫小牧」というルートで、観光地を巡りながらゆったりと走ってみることにします。

こちらは新潟港の新日本海フェリーターミナル。初秋は北海道ツーリングに一番良い季節と言われていますから、平日だというのに同じようにフェリーで北海道ツーリングに行くバイクがたくさん停まっていますね。

爽やかな最高の天気! フェリーの乗船時間は16時間30分もありますが、船内には露天風呂やトレーニング設備、ゲームコーナーなどもありますので、時間を持て余すことなく小樽港に着いちゃいました。

というわけで、朝5時に小樽港にクロスカブと共に降り立ちます。当然、小樽にいるうちに朝ごはんが食べたくなるのですが、こんな時間からやってるのは大手牛丼チェーンくらいじゃないか……と思いきや。

さすが漁港、4時からやっている朝市と食堂がありました。

朝市食堂
住所:北海道小樽市色内3-10-15 鱗友朝市内
電話番号:0134-24-0668
営業時間:4:00〜14:00
定休日:日曜日

せっかく北海道に来たのだから、ウニ、イクラ、ホタテが乗っかった「小樽丼(¥2,400)」を注文。いきなりフルスロットルです。

これだよ……これが北海道だよ!!

僕は仕事柄、北海道には毎年1〜2回訪れているのですが、小樽に来るのは10年以上ぶり3回目。美味しいご飯にはありつけましたが、観光スポットなどはまだまだ開かないので、運河で写真だけ撮って小樽に別れを告げます。

濃霧と寒さを乗り越えて
ニセコパノラマラインへ

小樽から国道5号線を使って西へ。

……走り始めてすぐに激しく後悔しました。はい、寒いです。9月の北海道をナメてました。東京で毎日残暑に苦しめられていた僕はTシャツ一枚に3シーズン用のツーリングジャケットを羽織っただけという軽装で挑んでしまったのでした。

DFG
ナビゲータークール ジャケット
¥24,750(税込)

それにしても寒すぎませんかね? なんでこんなに寒いんだろう、と思って着ているジャケットを見てみると、なんとベンチレーションが全開じゃないですか!

このナビゲータークールジャケットは胸部、両腕、背中に大きなベンチレーションがついていて、体温調整がしやすいのが特徴なのです。

はい。ベンチレーションを閉めたらちょうどいい体感温度になりました。

右手には海水浴場が見えてきますが、平日の朝6時には誰もおらず。国道5号線から外れずに走ると、余市町に着き、そこから南下していきます。

稲穂峠でまさかの雨? いえ、正確には雨ではなく濃霧でした。その証拠にシールドに守られた身体は全く濡れておらず、濡れたのは風が当たる部分だけでした。

助けてくれたのは今回の旅にあたって新しく取り付けていたコレ!

ZETA
アドベンチャー ウィンドシールド クロスカブ110用
¥16,500(税込)

専用設計なので取り付けも安心・簡単。高速道路には乗れないクロスカブ110ですが、シールドを付けておいて本当に良かったです。

ナビゲーションにはもちろん、ZETAのタフロック スマートフォンマウントを使用しました。ハンドルバーにも装着できますし、アドベンチャー ウィンドシールドに付属しているφ22.2mmモバイル用マウントバーに装着すれば、こんなに見やすくセットできます。さらに懸念されているエンジンの振動によるカメラセンサーの故障も防いでくれる優れもの!

ZETA
タフロック スマートフォンマウント
¥15,950(税込)
タフロック スマートフォンマウント シールドセット
¥17,600(税込)

稲穂峠を抜けると倶知安(くっちゃん)町か岩内町かという分岐にたどり着くので、道なりに国道276号線に乗り換えて岩内町方面へ。

次の目的地はニセコ・羊蹄山なので、本当は倶知安に行く方が近いのですが、せっかく時間がたっぷりあるので、ニセコパノラマラインを走ってしまおう、という作戦です。

ほとんど誰も走っていないニセコパノラマライン。堪能させていただきましたー! ほとんどの区間では両側に林が広がっていて、あまり景色は見えないのですが、コーナーに差し掛かると少し開けて眼下に海が見えます。

完全に太陽も昇って、爽やかで涼しい早朝ツーリング、最高でした。そしてニセコパノラマラインを下っていくと共に、硫黄の匂いが強くなってきました。この辺りはニセコ昆布温泉という温泉郷なんですね。

蝦夷富士をぐるり半周

さてニセコパノラマラインを下り切ると、もうそこはニセコ町です。そして北海道をカブで走るときに注意しないといけないのは給油問題。CC110のガソリンタンクは4.1Lですから、燃費を30km/Lと仮定すると120kmしか走れません。実際にはもう少し燃費は良いのですが、北海道でガス欠とかシャレにならないので、少なめに見積もって早めの給油を心がけていきたいところ。

ニセコ町の入り口にあったホクレン(北海道農業協同組合連合会)が運営するガソリンスタンドで給油。ホクレンとセイコーマート(以下:セコマ)を見ると「北海道に来た」という実感が湧いてきますね。

ニセコから道道66号を東へ進み、真狩(まっかり)村へ向かうと、羊蹄山が出迎えてくれます。標高1,898m、その形が富士山に似ていることから蝦夷富士とも呼ばれています。写真は南西側から見る羊蹄山。

実は僕はこのニセコールスツ間を結ぶ道道66号を何度か通っているのですが、そのたびに看板を見かけて気になっていた場所があります。

そう、真狩村は演歌歌手の細川たかしさんの生まれた村なんです! 細川たかしさんと言えば「北酒場」「浪花節だよ人生は」「矢切の渡し」など、演歌に疎い僕でもよく知っている名曲がたくさんあります。

そんなわけで、真狩村の中心部を流れる真狩川の河川公園には細川たかし記念像が建てられており、南から見る羊蹄山をバックに熱唱する細川たかしさんを見ることができるのです。

雲ひとつない青空……めちゃくちゃカッコいいです。まさに「威風堂々」という言葉がよく似合います。

さて、このままスノーリゾートとしても名高いルスツに行きたい気持ちを抑え、東側からも羊蹄山を望むべく、少しだけ北上して望羊の丘を目指します。

未舗装路でこそありませんが、細い林道のような道を少し登っていくと、こんな絶景に出会うことができます。東から望む羊蹄山も美しいですね。

洞爺湖

さて、ルスツリゾートを横目に見つつ留寿都村を抜け、国道230号を南下すると洞爺湖に出ます。洞爺湖は2年ほど前に当サイトのツーリング企画で訪れたのですが、残念ながら雨でほとんど景色を見ることができませんでした。というわけで今回はリベンジとなります!

……最高でした!

ここは洞爺湖園地という公園の駐車場なのですが、洞爺湖の後ろに羊蹄山が見えて、素晴らしいロケーション。

予定ではここでお昼ご飯を食べるつもりでお店も決めていたのですが、なんと予定していたよりも1時間も早く到着してしまい、まだお店が開いていませんでした。

でも腹ペコだったので、とりあえずセコマ!

セコマで一番好きなHOT CHEFのおにぎり。本当は「すじこ」が大好きで、北海道に行ったら100%の確率で食べているのですが、ここのセコマではなんと売り切れ。明太マヨで我慢しました。あと北海道と言えばガラナ。ドク◯ーペッ○ーみたいで学生時代を思い出す味です。

そしてどうやら洞爺湖を見渡せる展望台的な公園があるということで、壮瞥公園というところを目指します。

これですよ。美しすぎるでしょ。

でも公園はめちゃくちゃ狭い上にトイレくらいしかありませんでした。本当はこの後、国道453号を使って支笏湖へ行く予定だったのですが、ちょっと面白そうな道を見つけたので急遽予定を変更。

22kmの超フラットダート
を使って支笏湖へ

インターネットで北海道の林道を探していて発見したのですが、北海道森林管理局のホームページにスマートフォンで使える北海道の林道マップが掲載されています。

それによるとどうやら壮瞥公園からそのまま林道が伸びていて、支笏湖へ向かう国道453号の途中に合流できるようなのです。

行ってみるとほぼずっと真っ直ぐ、騙しなしの完全フラットなダートがなんと22kmも続いていました。途中コーナーを曲がったら、ものすごい立派な角を持った大きな鹿に遭遇。すぐに逃げて行きましたが、その後も小さい鹿をたくさん見ました。北海道は林道でなくても鹿の飛び出しが多いと聞いていますので、十分に注意して走行しましょう。

道が下り始めると次第に舗装路が顔を出し始め、最後は支笏湖まで続く国道の、およそ1/3地点に合流。そこからは国道でまったり向かいます。洞爺湖から行くと西側に到着するのですが、ぐるっと回り込んで東側の湖岸にある支笏湖温泉の駐車場へ。

着きました、支笏湖!

7年ほど前に北海道ツーリングした時に、夜に支笏湖沿いの何もない道の真ん中でバイクが故障し、雨の中を空腹に耐えながらレッカー待ちをした思い出がありまして。あれ以来の支笏湖です。ようやく思い出を上書きすることができました。

晴れてる昼間の支笏湖、最高じゃん?

波もめちゃくちゃ穏やかだし透明度がエグいです。今すぐSUP(スタンドアップパドル)やりたい。支笏湖はもちろん一大観光地なので、SUPやカヌーをレンタルしている業者さんとかもたくさんあり、装備を持ってなくてもマリンスポーツができます。

お話はツーリングに戻ります! 支笏湖温泉の駐車場にはお土産物屋さんや食事処がたくさん集まっています。北海道土産として定番の木彫りの熊もたくさん売っていましたよ。

さて、洞爺湖でお昼を食べ損ねていた僕はもうお腹ぺこぺこです。何を食べようかとお店を巡っていたら、こちらのお店で支笏湖名物ひめます天丼という文字を発見!

絶対うまいやつ。これで¥1,300はお得すぎます。ひめますは柔らかくてホロホロだし、野菜はかぼちゃ、芋、コーン、いんげん、蓮根など、サクサクの衣に少し甘めのタレ。あっさり完食しちゃいました。

支笏湖レイクサイドキッチン トントン
住所:北海道千歳市支笏湖温泉番外地
電話番号:0123-25-4011

いよいよゴール
苫小牧へ

支笏湖まで来れば苫小牧は目の鼻の先。なのですが、支笏湖温泉の目の前にガソリンスタンドがあったので、ここでも給油しておきます。

念の為、というのもあるのですが、先ほどの北海道林道マップによると、支笏から苫小牧までの間にも林道がたくさんあったからです。時間もまだまだ余裕がありますし、これはもうできる限り林道を使って苫小牧に向かってみることにします。

というわけで一本目にGO!

ちーん……。

入り口から500mも走らないうちにゲートがあって通行止めでした。

なんの、林道マップによると他にもたくさんあったんだぜ! と思い、何箇所か林道の入り口を巡ったのですが、ことごとく入れませんでした。

無念。

仕方ないので大人しく苫小牧に向かいます。国道276号を使うと苫小牧まで何もない道をほぼ真っ直ぐ走るだけ。

なんとここで我がCC110が10,000kmを達成! 何回経験してもちょっとテンション上がる瞬間ですね。

というわけで散々寄り道して苫小牧に到着したのは16:00くらいでした。小樽を出発してからおよそ12時間。夏季は夕方の大洗行きの便は18時45分発なので、ゆっくり乗船でき、翌日の14:00には大洗着という寸法です。

このプランなら3日のお休みがあれば北海道ツーリングができてしまう、というミニマム北海道ツーリングの提案でした! 仕事柄連休が取りにくい方、ぜひお試しください!

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この記事を書いた人

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