実はeEDIT275はワイドタイヤを履くことができます。前後リジッドのeEDIT275の乗り味が、まるで別の自転車かと思うほど激変しますよ!!
太いタイヤはクッション性能、トラクション性能、乗り越え性能がアップ
オフロードバイク同様、MTBのタイヤもサイズを選べるのをご存じでしょうか。MTBの場合はホイール外径(リムサイズ)も選べるため多少複雑なのですが、26、27.5、29インチの3種類があり、現在の主流は27.5と29となっています。29の方は大きめなので山の中で扱うには少し乗り手の体格を選ぶところがあります。そんなこともあって、eEDIT275は名前のとおり27.5インチのホイールを標準で装着しています。
さて、外径だけで無く太さを見てみましょう。この27.5インチのホイールに合わせられるタイヤの幅は1.9〜2.8インチくらいまでラインナップされており、2.6以上のサイズをワイドタイヤ、あるいは27.5+と呼んでいます。

ワイドタイヤを使うメリットとして、まず想像しやすいのがクッション性能の向上です。エアボリュームが増えるため、リジッドサスペンションであってもサスペンション初期の動きくらいの衝撃吸収力があります。また、タイヤの接地面積が増えるため、トラクション性能も向上します。特に人力よりもトルクが出るE-MTBとの相性は抜群ですね。加えて、断面積が拡大するためタイヤの外径が大きくなることもアドバンテージのひとつです。タイヤの外径が大きくなると、石や木の根などに当たったときに乗り越えやすくなり、走破性が向上します。27.5+のタイヤはおおよそ29と外径が同じになります。
通常、フレームの設計に余裕がないとワイドタイヤを履かせることができないのですが、eEDIT275には幅・深さともに若干の余裕を持たせてあり、27.5+のタイヤを履けてしまうのです。リムを変えれば29インチのタイヤも履けてしまうそうですよ。

左2.4インチ幅、右2.8幅。0.4インチの差はおおよそ10mmの違いに相当します
見た目にもMTBらしさが出てかっこよくなった
というわけで、早速編集部のeEDIT275にIRCから発売されているTANKEN GEKKOTAを履かせてみました。eEDIT275のノーマルは27.5 × 2.4インチですが、取り寄せたタイヤは27.5 × 2.8インチ。TANKEN GEKKOTAのラインアップでも最大幅になります。

まず、太いタイヤで見た目がかっこよくなりますね! 車もバイクも自転車も、足下がしっかり決まると途端に印象が変わります。特に今回はダートに特化したサイズ、ブロックのタイヤを選んだため、トレールバイクにエンデューロタイヤを履かせた時のような見た目のアップグレード感があります。ただし、E-MTBの場合はクローズドコース限定です。タイヤの周長が変わってしまうとアシスト制限の関係上、法規を逸脱してしまいます。

2.8インチタイヤを履いてもシートステーは約10mmの余裕がありました

チェーンステーにはさらに余裕があって、18mほど
シートステイとの隙間は約10mm、チェーンステイとの隙間は約18mmと、実はまだ少し幅に余裕があります。幅3.0もいけるのでしょうか? とりあえず、この記事では幅2.8で実証していきます(※編集部車輌はフロントフォークをサスペンションに換装していますが、元々幅が広いので問題無く装着可能です)。
こんなに違うとは! ワイドタイヤってすばらしい〜
ワイドタイヤに換装したら、早速実走へ出かけましょう。今回は東名高速磐田I.C.から小一時間ほど走った浜松市の山中にある「はるの山の村MTBコース」にお邪魔しました。キャンプ施設内をうまくつないだトレイルが張り巡らされており、普通の人力MTBで1周30分程度、E-MTBなら楽々12分程で回れるくらいの広さになっています。

ワイドタイヤになったことでの変化は、誰が乗ってもわかるレベルで明らかでした。オフロードバイクよりも繊細なMTBは、ちょっとした変化でもライダーに伝わりやすいと言われますが、タイヤ幅の変更はまるで違う乗り物に乗っているかのようでした。まず、上りの安定感が断然違います。アシストパワーをプラスしたペダリングの力がほとんど逃げること無く、路面を掴んで登っていくのがよくわかりました。特に木の根が連続するような場所はノーマルタイヤだと難しいのですが、まるで木の根が半分以下の高さになったかのような感覚で、小さなものであれば、完全に無視して漕いでいくことが出来ます。もちろん、真価を発揮するのは下りです。とにかくギャップの感じ方がノーマルタイヤとはまるで違っていて、上り同様木の根を無視して走ることができるため、選べるラインの幅が段違いに増えました。ただ、コーナリングについては少し好みがわかれるかもしれません。シャキッとシャープなコーナリングにはならず、ややアバウトな乗り心地に感じました。元々E−MTBは車体の重さゆえに、若干ダルな部分があるので、そこが強調されたようなイメージを受けますね。

下りの根っこ路面でまったく意に介さず通過できる!

上りの安定感もばっちりです
高低差の大きなドロップオフなどを楽しむのでなければ、eEDIT275のようなリジッドMTBにワイドタイヤを履かせることで、さらにオフロードを楽しみやすくなるんじゃないでしょうか。
ちなみに、今回履いたタイヤはIRCのオールマウンテンタイヤTANKENの中でも、オートバイのエンデューロから派生したGEKKOTAコンパウンドを採用した、GEKKOTAシリーズ。トレッド面・ブロックが非常に柔らかく、路面を包み込むような乗り心地で、発売以来MTB界隈でもとても人気があるものです。ワイドタイヤであることに加えて、このGEKKOTAコンパウンドが一層その「ワイドタイヤ感」を高めてくれています。実は、このTANKEN GEKKOTAワイドタイヤ、オフロードバイク民にめちゃくちゃオススメで、ガレたゲレンデなどものともせずに上るのです。これがあれば、一層レースの下見に活躍してくれること間違いなしです!

コンパウンドが非常に柔らかい、GEKKOTAシリーズ


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