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スタートデバイスを深くかけることで、今まで以上にスタートを決める

ZETA RACINGから発売するプロラウンチコントロールは、既製品よりも大きめのボタンにすることで操作しやすくなっています。それだけ? と思うことなかれ、このプロラウンチコントロールのおかげでスタートが抜群に改善されるようになるのです

ZETA RACING
プロラウンチコントロール
¥12,980(¥11,800)

目次

深い位置でスタートデバイスをかけるのがトレンド

モトクロスのスタートは、ほんのわずかなロスが命取りとなってしまいます。たとえば、ほんの少しスロットルを開け過ぎただけでリアタイヤが多めに空転してしまったり、ほんの少し前傾姿勢が足りなかったことでフロントが大きく上がってしまったり。アメリカで行われているスーパークロスは、年々そのスタートの重要性が増していることから、スタートのためのタイヤチョイスや、各種電子デバイスの使い方が重視されるようになってきています。

MXoNの大倉由揮車・渡辺祐介車も、プロラウンチコントロールを使用していました

近年、日本のモトクロスでは全日本モトクロスが行われる埼玉県オフロードヴィレッジとHSR九州でメッシュ路面からのスタートが採用されているのですが、このメッシュ路面は旧来の土路面スタートとはまったく次元の違うトラクションが得られるため、スタートの方法論でも新たな進歩がありました。

そのひとつに世界的にみられるモトクロススタートのトレンドでもある、「スタートデバイスを深い位置でかける」というものがあります。路面にもよりますが、フロントサスペンションをこれまでより深く沈み込ませた状態でデバイスをかけることでフロント下がりの姿勢でスタートを切ることができるようになり、結果的にフロントが上がりにくくなります。リアタイヤのトラクションも逃げにくくなるため、高い初速を作りやすくなるのです。

ただ、この方法の問題点はスタートデバイスを深い位置にかけるのが難しいことにありました。レースのスタート直前にメカニックと二人がかりでスタートデバイスをかける光景は、モトクロスの風物詩ともいえますが、より深い位置にかけるとなると三人がかりで車体に体重をかけることもしばしば。その状態でロックボタンを押すのはなかなか大変で、これまでのデバイスに付いていた小さなボタンでは肝心なところで押しにくさを感じるシーンがありました。

モディファイにより問題を解消!!

そこで、このたび発売したプロラウンチコントロールでは、スタートデバイスをかけるためのボタンを大きくしました。旧来は親指で押すボタンですが、掌(てのひら)でもさっと押しやすくなっているのがポイントです。また、デバイスの内側にあるプッシュロッドの形状や滑らかさも見直すことで、サスペンションのアウターに引っかかってしまうのを防止し、スタートデバイスのかけづらさをうまく解決しています。旧来のスタートデバイスでも深い位置にかけられなくはないのですが、よりかけやすくなったということですね。また、前述したプッシュロッドの形状により、スタートデバイスの解除もされやすくなっています。スタートデバイスは、1コーナーのブレーキングでサスがさらに縮まることによって外れる仕組みですが、旋回に入るまでに解除されないトラブルも時々耳にします。プロラウンチコントロールでは、そういったトラブルも起きにくいと思います。

全日本モトクロス選手権IA1ライダーの中にも実際に使用しているライダーは多いです。前モデルから進化したその使用感はどうなのか? 3人のメカニックに聞いてみました。

#1ジェイ・ウィルソン(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)メカニック

「深さは試行錯誤しながら設定しています。日本だとメッシュスタートと土路面(ダート)のスタートの2種類があるので、その2つに合わせたセッティングを作り込んでいます。基本的にはダートが浅めで、メッシュスタートの方がタイヤがグリップするので深めです。どれくらい深いかというのは秘密です(笑)。セッティングではスタートのポジションでウイリーしないことと、スタート出た後の1コーナーでしっかり外れることを重要視していて、スタートの一瞬ではなく、1コーナーまでの流れを考えて調整しています。それこそスタートしてから3コーナー目くらいまでデバイスが外れなかったことが1回ありました。そういうことがないように擦り合わせながら深さを決めています。製品が改良されて、プロラウンチコントロールになってからは、メカニックの目線で言うとすごくかけやすくなりました。押すボタンが大きくなっていることもありますが、プッシュロッドが鍵状の形になっていて、ガチャッとかかる感覚がわかりやすくてとても良いです。慣れないメカニックだとかかるのにも時間がかりますが、これならすぐに慣れることができると思います」

#2⼤倉由揮(Honda Dream Racing Bells/ホンダ CRF450R)メカニック

「スタート出てから外れにくくするのと、フロントが浮かないように、大倉は深くかけています。大倉は半分くらいフロントフォークを縮めるセッティングで、多分周りのライダーと比べても深い方だと思います。メッシュスタートと土路面でのスタートはそれぞれタイヤのグリップ感が異なっていて、メッシュスタートの方が食いつきが良いのでフロントが浮いてしまいます。なのでメッシュスタートの方が深めのセッティングですね。ただ、深くかける分リヤへの荷重が軽くなってしまうのでトラクションがしづらいですが、そこは身体で上手く対応しています。コースによって変わりますが、大倉はセッティングをそこまで変えず、自分の身体で対応していくタイプです。プロラウンチコントロールは、前モデルと比べてボタンの仕様が変わりましたね。今まではボタンでピンを押す感じでしたが、プッシュロッドの形が変わったことで押しやすく、セットもしやすくなりました。また、リングを止める位置が今までは後ろだったのが前側に変更されているのもありがたいです。ホンダのフォークガードはサスペンションに巻くような形状なので、以前は干渉していたのですが、前側に変わったことでそれが解消されました」

#12渡辺祐介(YAMAHA FACTORY INNOVATION TEAM/ヤマハ YZ450FM)メカニック

「スタートデバイスをかける深さにはトレンドがあって、今は深めがトレンドですね。世界的にメッシュスタートが増えているので、それに合わせてみんな深めにセッティングしているんだと思います。特にパワーがある450ccに乗るライダーは深くセッティングしている印象です。メッシュスタートでもコースによって種類やグリップ感が異なるのですが、あまり変えずに、メッシュスタートはこの深さと決めています。スタート出て外れないのがライダーにとっても怖いので、フロントが上がらないかつ1コーナーで外れやすい位置でセットできるように調整しています。渡辺としてはメッシュと土の路面の2種類を作り込んでいる感じです。製品も新しくなってさらに使いやすくなりましたね。押しやすくなって、かけやすいのはメカニックにとってもありがたいです」

実はサンデーライダーにも大きな効果!

このスタートデバイス、選手権レースともなるとほぼ100%の装着率になるのですが、草レースではほとんど見かけることがありません。モトクロスのレースでスタートを切ったことがある人ならわかると思うのですが、どちらかというとタイミングのほうが大事で、トラクションのほんのわずかな違いなど、サンデーライダーレベルで差が出るとは思われていないのでしょう。実は筆者も、そう思っていました。スタートに出られないのは腕の差で、ほんの1%くらいの成功率をあげるためにデバイスを使うのではないか……と。実際、浅い位置でかけるスタートデバイスは、試しに使ってみてもいまいち効果がわからなかったのも事実です。

サスをタイダウンで縮めておき、限界まで低い取り付け位置を探りました

取り付けようケガキシールが付属。ドリルがあれば、コースでも装着できます

裏側からみても、スムーズで引っかかるところはありません。仕上げがとてもいい

YZ250FXの限界値。一人では到底かけられない位置です

最初は懐疑的だったけども・・・

どうせ、そう大きくは変わらないだろうと思いながらもプロラウンチコントロールで限界までYZ250FXのサスペンションを縮めてスタート練習をしてみると……思っていた以上の効果があったのです! フロントサスペンションを縮めずにスタートを切る時、僕のようなビギナーライダーであっても、フロントが浮くか浮かないか、かなり探りながらクラッチを繋げています。これはおそらく無意識の内にやっていることで気づかないのですが、パンッと一気にクラッチを離せるほど度胸が据わっていないので、ごく一瞬じわっとした部分を作るのです。そのわずかな瞬間に「これならフロントは上がらない」と認識してからスロットルを開け増しているのです。そうこうしているうちにビギナーの場合は1コーナーが迫っていて、フォームを調整したりする暇はなくコーナリング姿勢に移る。これでは余裕がなく、上手にコーナーを回れないですよね。それが、深くサスペンションを縮めてスタートを切ってみると、明らかにフロントの浮く気配が無いのが一瞬でわかるのです。これはクラッチを探る必要など一切なく、パチンとつないでOKだなと。この一瞬のタメがないだけで、気持ち的にもタイミング的にも圧倒的に速く、さらにはトラクションもかかりやすくなってロケットスタートを切ることができます。きっとタイミングも合わせやすくなっていることでしょう。何度か試してみましたが、1コーナーのブレーキングでしっかり解除もされました。もはや手では戻せないレベルの硬さまでサスペンションを沈み込ませているので不安だったのですが、作動性がよく安心して活用できそうです!!

プロラウンチコントロール未使用。いつもどおり、下手なスタートです。フロントが上がってしまう恐怖と戦っています

プロラウンチコントロール使用。明らかにタイミングもとりやすく、まわりで見ていた者いわく「それっぽいスタートができるようになったね!」とのこと

ごくわずかなタイム差なので正確にその差をはかることはできませんでしたが、その場にいる仲間に見てもらっても圧倒的に速いスタートを切ることができるようになりました。普段使わないスタートデバイスを限界まで深くかけるため、最初は三人がかりでかけていましたが、さすがボタンの大きなプロラウンチコントロール。慣れてくると二人でかけることができるようになりました。今後草レースに出るときは、まずこのプロラウンチコントロールを使うようになると思います。

小さな違いがスタートを変える!

本当に小さな違いですが、スタートを出られるかどうかで僕のようなビギナーライダーでもレースの結果は大きく変わります。むしろパッシングスキルのないビギナーのほうが大事なのかもしれない、とも思います。欲を言えば、このプロラウンチコントロールの存在は独り占めしたい、あまり世の中に知らしめたくないなと思うほどいいものでした!

確かに押しやすい!

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