バイクのプラグ交換時期の目安は走行距離3,000km~5,000km
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バイクのプラグ交換は、走行距離が3,000Km~5,000Km毎での交換がメーカー推奨の交換時期ですが、プラグの種類によっても交換距離の目安が異なります。
プラグには、電極にニッケル合金を使用した一般プラグ(レジスタープラグ)のほかに、より高性能な電極にイリジウムを使用したイリジウムプラグがあり、どちらも基本的な交換距離の目安は3,000Km~5,000Km毎です。
・NGK スパークプラグ イリジウムプラグ
プラグの種類による交換距離の目安の詳細は下記も参考にしてみてください。
NGKスパークプラグ製品サイト:
https://www.ngk-sparkplugs.jp/ngk/sparkplugs/basic/inspection
NGK高性能プラグの場合
多くのバイクメーカーが採用し、スパークプラグの世界シェアでもあるNGKには、交換距離の目安が8,000Km~10,000Kmと、より交換距離が長い「Moto DXプラグ」があります。
MotoDXプラグは、純正プラグよりも耐久性や耐汚損性を大幅に強化し、加速性能や燃費性能まで向上させた高性能プラグです。
Dの断面形状をした外側電極と、新素材のルテニウムを配合した中心電極により、長く安定した性能で使えるプラグなので、交換頻度を減らしたい方はチェックしてみてください。
詳しい交換時期は取扱説明書に従うのがベスト
プラグの詳しい交換時期は、バイクの取り扱い説明書に記載されているので、交換時期をチェックした上で交換時期や距離になったら交換しましょう。
また、交換時期が来ていなくてもプラグの先端にカーボンが付着していたり、濡れていたりする場合はプラグ被りの可能性があります。
プラグ被りはエンジン始動性の低下や、燃費や出力の低下となることも多いので、エンジン始動が悪くなったと感じる場合は、距離に関係なくプラグの点検も行いましょう。
スパークプラグが劣化するとどうなる?現れる症状について
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スパークプラグが劣化した場合、以下のような症状が現れていきます。
- エンジンのかかりが悪くなる
- 燃費が悪化する
- 加速がスムーズにいかない
- エンジンが停止する
- 排気ガスが臭くなる
もしこれらの症状が出てきたらプラグの点検を行い、先端が汚れている場合はワイヤーブラシで磨き、劣化が進んでいる場合は新しいスパークプラグに交換しましょう。
症状1.エンジンのかかりが悪くなる
スパークプラグが劣化すると火花が飛びにくくなり、エンジンのかかりが悪くなります。
特に気温の低い日はエンジンがかかりにくくなりますが、劣化が進んで火花が飛ばなくなると、エンジンがかからなくなることも。
エンジンのかかりが悪くなったと感じたらスパークプラグの点検を行うか、バイクショップなどで点検をしてもらいましょう。
症状2.燃費が悪化する
スパークプラグが汚れ、寿命になってくると正常な火花が飛ばなくなり、燃費の悪化につながります。
正常な火花が飛ばなくなると燃焼効率の悪化となり、パワーを出すのにより多くの燃料が必要となるのが燃費悪化の原因です。
これまでと変わらない運転をしているのに燃費が悪くなったと感じる場合は、一度スパークプラグの点検を行ってみましょう。
症状3.加速がスムーズにいかない
スパークプラグが劣化すると、燃焼効率低下の影響で加速性能も鈍くなることがあります。
劣化によってベストなタイミングで火花が飛ばせなくなったり、必要な火花を出せなかったりするため、加速がスムーズでなくなったり、アクセル量に応じた加速が得られません。
スパークプラグの劣化のみならず、プラグコードやイグニッションの不調でも加速がスムーズにいかなくなることもあるので、スパークプラグの清掃や交換でも改善されない場合は、プラグコードなどもチェックしてみてください。
症状4.エンジンが停止する
スパークプラグが汚れていたり、寿命を迎えていたりするとアクセルを開けるとガクガクして加速が鈍かったり、エンジンが停止したりすることがあります。
特にスパークプラグの先端が湿っていると「プラグかぶり」の状態となり、エンジン停止まではいかなくても、アクセルを開けてもエンジンが吹け上がらないなど、加速性能が悪くなることも。
エンジン停止が起こる状態で走行していると事故につながる可能性がありますので、できるだけ早くスパークプラグの点検をしてみましょう。
症状5.排気ガスが臭くなる
スパークプラグが劣化すると燃焼効率が落ちるため、排気ガスが臭くなることがあります。
燃焼効率が悪いと燃料が燃焼されにくくなり、不完全燃焼の燃料が排気ガスに混じるのが、排気ガスが臭くなる原因の一つです。
排気ガスが臭くなった、やたら濃い感じがするようになった場合は、スパークプラグの点検や交換を行いましょう。
イグニッションコイルなどに負担がかかる
スパークプラグが劣化したり寿命を迎えていたりして、正常な火花が飛ばない状態が続くと、イグニッションコイルなど、点火に関わるパーツに不具合が生じることがあります。
スパークプラグの電極が摩耗するなどして火花が飛ばなくなっている場合、火花を飛ばす際の電圧が行き場を失い、イグニッションコイルなどに負担をかけるためです。
「加速が鈍くなった」「アイドリングが不安定になった」「燃費が悪化した」と感じる場合は、できるだけ早くスパークプラグの点検を行ってみてください。
スパークプラグの状態チェックをしよう
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スパークプラグを取り外し、発火部(電極/ネジ山が切ってある方)の焼け具合を見れば、エンジンの状態がわかります。
まずは工具を使ってスパークプラグを取り外しましょう。
スパークプラグの取り外し方・点検の仕方
スパークプラグの取り外しや点検には、「プラグレンチ」「ブラシ」と軍手など作業用手袋を準備しましょう。
イグニッションコイルまたはプラグコード(車種による)を取り外し、プラグレンチを使ってスパークプラグを取り外します。
点検後の取り付けは取り外しの逆の手順で行い、取り付けが終わったらエンジンを始動し、正常にアイドリングをするか、アクセルを回して違和感がないか確認を行いましょう。
チェック1.発火部の色が薄茶色~茶色
スパークプラグの発火部にある電極が薄茶色(きつね色)から茶色の場合は、エンジンが正常に燃焼している状態で問題はありません。
スパークプラグのコンディションも良好で、最も理想的な焼け具合です。
チェック2.発火部の色が真っ黒
スパークプラグの発火部が真っ黒になっていたり、焦げたような状態になったりする場合は、スパークプラグにくすぶりやかぶりが起きており、異常な状態です。
混合気の燃料が濃すぎるなどの原因により、発火部にカーボンなどが付着してすすになった状態で、スパークプラグの火花が上手く飛ばなくなります。
加速性能が低下したり、エンジン始動性が悪くなったりする症状が起こる状態です。
チェック3.発火部の色が真っ白
発火部が真っ白の状態は、スパークプラグが焼け過ぎで、燃料が薄すぎたり異常燃焼を起こしたりしている可能性があります。
異常燃焼を起こした状態だと最悪エンジンを痛めることもあり、スパークプラグの電極も熱によって融解することも。
バイクショップなどで点検をしてもらうか、スパークプラグの熱価を上げるなど、早めの対処が必要です。
チェック4.発火部が湿っている
スパークプラグの発火部が湿っていと、火花が飛びにくくなりエンジン始動性の悪化や、加速力の低下につながります。
濃いめの混合気(燃料と空気の混合)が燃焼しきれず、燃料が液体に戻ってプラグを濡らしてしまうケースです。
濡れた先端をウエスなどで拭き取ったり、サンドブラストなどの工具で湿気を吹き飛ばしたりするか、自然乾燥させて湿気を取り除きましょう。
スパークプラグの交換費用目安
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スパークプラグの交換は、バイクショップなどプロに交換依頼をするケースと、自分で交換するケースがあります。
それぞれの交換費用の目安を解説していきますので、スパークプラグ交換時の参考にしてみてください。
自分で交換する場合
自分でスパークプラグを交換する場合、スパークプラグの代金と接点復活剤が必要で、費用は交換するスパークプラグにもよりますが、1本あたり900円~2,500円程度、接点復活剤が800円前後です。
ただし、スパークプラグの取り外しには「プラグレンチ」が必要で、カウル付きのバイクで交換する場合は、カウルを外すためのドライバーなどの工具も必要になります。
スパークプラグの交換工賃は無料ですが、工具が揃っていない場合は、スパークプラグや接点復活剤の代金に加え、工具を揃えるための費用が必要です。(プラグレンチ:1,000円~3,000円程度、ドライバー:200円~)
業者に依頼して交換する場合
バイクショップなど業者にスパークプラグの交換を依頼する場合の費用は、スパークプラグ代金(800円~2,500円程度)に加え、交換工賃として1本につき1,500円~3,000円程度が必要です。
カウル付きバイクは、さらにカウルの脱着工賃として1,000円~2,000円程度必要になることがあります。
バイクのプラグ交換時期に関するFAQ
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バイクのスパークプラグ交換や交換時期に関する「よくある質問」と「回答」についてまとめてあります。
スパークプラグの交換を考えている方、自分で交換できるのか気になっている方はぜひ参考にしてみてください。
プラグ交換って自分でできるの?
バイクのスパークプラグは比較的簡単にできますので、工具の取り扱い(ねじ回し)ができる方なら自分でできます。
交換にはスパークプラグや接点復活剤のほかに、プラグレンチやカウル付きのバイクの場合は、カウルを取り外す工具(ドライバーなど)が必要です。
実際の交換手順についてはYouTubeなどの動画配信サイトでも公開されているので、初めて自分で交換する場合は、動画を参考にするとよいでしょう。
プラグ交換時期=寿命なの?
スパークプラグの交換時期とは、メーカーが推奨する交換時期のことで、スパークプラグが性能を維持できる期間でもあり、食品でいえば賞味期限に該当します。
対してスパークプラグの寿命とは、スパークプラグ本来の性能が発揮できなくなることで、寿命を超えて使用すると最悪の場合、エンジン破損の原因となることも。
スパークプラグは高電圧を受けて火花を飛ばすため、使う期間が長ければ長いほど劣化が進み、燃費性能やエンジン始動性が悪くなるなど不調の原因にもなるので、早めの交換がおすすめです。
スパークプラグを早めに交換するメリット
スパークプラグを早めに交換すると、以下のようなメリットが受けられます。
- エンジン始動性の安定
- 燃費性能の向上
- 加速性能などエンジンパフォーマンスの安定・向上
気温の低い日はエンジン始動性も悪くなりますが、スパークプラグが新しいとエンジン始動性がよくなり、加速性能などエンジンパフォーマンスもよくなります。
始動性の向上やエンジンパフォーマンスの向上により燃費性能も向上するため、ガソリン代の節約にもつながり、より経済的なバイクライフとなるでしょう。
スパークプラグの交換時期は、スパークプラグメーカーの推奨では走行距離が3,000Km~5,000Km毎での交換となっていますが、こまめな交換がおすすめです。
そもそもスパークプラグの役割ってなに?
スパークプラグは、混合気(ガソリンと空気を混ぜたもの)に着火し、エンジンのパワーとなる爆発のきっかけを生み出すのが役割です。
4サイクル(4スト)エンジンは、①混合気の吸入→②混合気に着火→③爆発→④燃焼ガスの排気というサイクルを繰り返しています。
エンジン内に入ってきた混合気に着火(②)し、次の爆発(③)へと導くのがスパークプラグの役割です。
まとめ
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バイクのスパークプラグの交換時期について、交換時期の目安や交換の判断基準、交換しないとどうなるのかについて解説してきました。
スパークプラグはエンジンの混合気に着火する重要なパーツで、劣化してくると燃費性能や加速性能の悪化、エンジン始動性が悪くなるなど、エンジン不調の原因にもなります。
メーカー推奨の交換時期がありますが、バイクの性能をいかんなく発揮させて走りを楽しみたい方、バイクの寿命を少しでも長くしたい方は、早めの定期交換がおすすめです。
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