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JEC全日本エンデューロ選手権

開幕戦 広島大会

日程:2022年3月20日

場所:広島県テージャスランチ

 

昨年は、飯塚翼という若き新チャンピオンを産んだJEC。今年は昨年の最終戦にスポット参戦して釘村忠と接戦を演じてみせた馬場亮太がフル参戦の名乗りを上げており、さらに面白いシーズンになることが予想されている。まず開幕戦は例年通り広島テージャスランチ。昨年は雨の影響で極悪なコンディションになった広島で、今年も金・土に雨が降っていた。

 

目次

難所をカットするも
コースコンディションは回復傾向

 

日曜日の天気は朝から曇り。時々晴れ間が見えたが、急に風が出て雨を運んでくるような気まぐれな天候がずっと続いた。ライダーは服装に悩みつつも朝イチの1周目はテスト区間の計測がないことからも、上着を一枚羽織って走り出した者が大半だった。

二日間ふり続けた雨の影響でコースはマディ。泥の水溜りも多数あり、レース前のパドックでは水対策を行うライダーの姿が見られた。

 

トップカテゴリーのIAクラスでは昨年のチャンピオン飯塚翼と、このクラスで4度のチャンピオン経験を持つ釘村忠のバトルに注目が集まった。しかしたくさんの伏兵が潜んでいた。

 

まずは馬場亮太。ご存知、JNCC2021チャンピオンの馬場大貴の弟であり、大貴曰く「バイクのセンスは弟の方がある」というほどの素質の持ち主。モトクロスIAを怪我で引退したあとはほとんどバイクに乗っていなかったという亮太だが、昨年のJEC SUGOでは初出場にしてクラス2位の成績を叩き出し、ライバルたちを震撼させた。

そして田中教世。こちらは元モトクロスのファクトリーライダー。成田亮や熱田孝高らとチャンピオンを争ったレジェンドだ。何度かJECにスポット参戦し、表彰台に乗っていたが、ここでもまた大きな存在感を見せてくれた。

 

さらに榎田諒介や村上洸太、沼田誠司など、モトクロス経験者がIAクラスに名を連ねた。

 

レースの前半を支配したのは馬場。2周目のテストで1番時計を叩き出すと、2周目のみ田中に遅れを取ったが、3、4と続けてトップタイム。大きなリードを築いた。そしてそれを追いかけたのは田中だった。

 

チャンピオン飯塚はその後ろにぴったりつけていた。終盤では田中を抜き去り2番手に浮上したが、後半なかなかタイムを縮めることができなかった。

 

釘村はと言うと、昨年まで使用していた300ccのマシンから200ccに乗り換えたことで思うようにタイムがまとまらず、前半は試行錯誤に費やした。その甲斐あって6周目には1番時計をマーク。さらに7周目にはこのレース全体のベストラップを記録した。しかし最終周となる8周目にはフロントブレーキの破損からのクラッシュを喫し、順位を沈めてしまう。

 

結果、リザルトは優勝・馬場亮太。準優勝・田中教世。3位・飯塚翼。4位・榎田諒介。5位・保坂修一。6位・釘村忠という結果。なお、注目のIAルーキー酢崎友哉は8位でレースを終えた。

「リザルトはあんまり気にしないようにしていたのですが、兄の大貴がサポートで来てくれていて、パドックで順位を教えてもらって作戦を考えて走りました。朝はマディだったコースが中盤で乾いてきたのでエンジンのマッピングを変えたりしましたね。シーズンオフには身体作りとトライアル練習を取り入れました」と馬場。

 

田中は「毎週リザルトをしっかりチェックして走りました。2周目にはトップタイムが出ていたのですが、馬場くんが速くって。追い上げてくる飯塚くんとのタイム差を気にしていたら、後半になって釘村くんが急にタイムを上げてきて『やめて〜』って思いながら、なんとか逃げ切った感じです」と。2デイズのレースはスケジュールや体力面などで参戦予定はなく、九州大会へのスポット参戦は検討中とのこと。

 

3位の飯塚は「今日はマディかと思いましたが、ベスコンでした。前年のチャンピオンということでプレッシャーはありましたが、落ち着いて走れて成績も大きく落とさなかったので満足しています」という感想。

 

今年からマシンをチェンジした釘村や保坂がシーズン中にどんどんタイムを上げてくることが予想される。今年は5大会、全8戦で争われるチャンピオンシップ。戦いはまだ始まったばかりだ。

IBクラスでは高校生ライダー青木琥珀が優勝候補かと思いきや、6周中5周でトップタイムを出したルーキー、向坊拓巳が制した。向坊も大学生であり、モトクロスIB。向坊に一矢報いたのは世利和輝。

 

「モトクロスコースは得意なんですけど、マディは苦手なので、コンディションが回復してくれてよかったです。最近は馬場選手とかと一緒に練習させてもらえる機会があって、すごく刺激になっていて、テスト区間が長いコースでも成績が出せるようになってきました」(向坊)

 

NAクラスは丹羽洋介。こちらもモトクロスIBで、キャンオフ西日本では主催を務めているライダー。キャブレターのホース詰まりやパンクなどトラブル続きだったというレースだったが、遅着はなく、テスト区間をうまくまとめて優勝。NBクラスは塚越智也、ウィメンズは太田晴美が優勝して開幕戦を飾った。

 

次戦、第二戦はわずか3週間後、4月16、17日に宮城県スポーツランドSUGOにて開催される。

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この記事を書いた人

Off1.jp(ANIMALHOUSE)所属。2016年からG-NETの取材を続けるカメラマン兼ライターです。台湾、韓国、ルーマニアクスら海外レースへも取材に出かけ、日本のハードエンデューロシーンにかける情熱は誰にも負けません!

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