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モトクロス・オブ・ネイションズ日本代表チームに注目

10月4日(金)〜6日(日)にイギリスのMatterley Basinで開催されるFIMモトクロス・オブ・ネイションズ(以下:MXoN)に、日本代表チームが参戦することが決定しました。代表メンバーにはダートフリークのサポートライダーである全日本モトクロス選手権IA1クラスで上位を争う、⼤倉由揮選手、⼤城魁之輔選手や、全日本モトクロス選手権とオーストラリア選手権に参加している横⼭遥希選手の3人が選ばれています。

ダートフリーク注目ライダーが出場するということで、この記事ではMXoNとはどんな大会なのか、今年の日本代表はどんなチームなのか、選ばれたライダーたちからのコメント含め、MXoNを楽しむための情報をまとめました。

目次

他の大会とは違う、MXoNの特徴

FIMモトクロス・オブ・ネイションズ(MXoN)とは、FIM(国際モーターサイクリズム連盟)が年に一度開催するモトクロスの国別対抗戦です。1947年から開催されており、今年で77回目と伝統のある大会です。大会は世界各国で行われ、今年はイギリスのMatterley Basinで開催されます。モトクロス世界選手権(MXGP)の会場としても使用されているコースで、MXoNの開催は今年で3回目となります。同コースはサウスダウンズ国立公園の中心にあり、1年のうち95%は牧場として使用されているそう。コースサイドからトラックのほとんどを見渡すことができる見晴らしの良さが魅力です。

MXoNは伝統的な大会であることに加え、一般的なモトクロスレースとは異なる点も多いです。そのポイントは大きく分けて5つ。

①開催は年に一度

モトクロスのレースというと、全日本モトクロス選手権やアメリカのAMAスーパークロス・モトクロスシリーズ、モトクロス世界選手権(MXGP)など、シーズンを通してレースが開催されます。一方、MXoNの開催は年に一度。国別対抗戦ということで、”モトクロスのオリンピック/ワールドカップ”とも言われています。

②各国の強者が揃う、国別対抗戦

MXoNは国別対抗戦です。オリンピックのように各国の代表チームが一堂に集まり速さを競い合います。メーカーごとのファクトリーチームに分かれて競い合うのではなく、MXoNはメーカー関係なく混成チームが編成されます。今回選抜されたメンバーを見ると、大倉選手と横山選手はホンダ、大城選手はヤマハのマシンに乗っており、メーカーが異なるのがわかります。

③最強の陣を敷いて挑む、3人のチーム戦

モトクロスは基本ライダー1人1人が競い合う個人戦。たとえば全日本モトクロス選手権を見ると、1位=25ポイント、2位=20ポイント、3位16ポイントというように、順位によって各ライダーにポイントが付与され、シーズンを通して合計ポイントが一番多いライダーが年間チャンピオンを獲得します。チームに所属しているライダーにはチームメイトも存在しますが、コース上では基本的に全員ライバルです。

一方で、MXoNは国別対抗のチーム戦です。クラスはMXGP(450cc)/MX2(250cc)/MX OPEN(排気量自由)の3つがあり、代表チームに選抜された3人のライダーは各クラス1人、エントリーしたクラスにそれぞれ出場します。今回日本代表に選ばれたメンバーは全員全日本モトクロス選手権IA1クラスで上位を競い合っているライバルになりますが、MXoNでは同じチームの仲間ということで、ライディングや作戦を共有しながら同じ目標を目指していく姿は新鮮に見えるかもしれません。

④チームで勝利を掴むためのポイント制

MXoNの予選は20分+2周で行われ、その順位がポイントとして計算されます。チームメンバー3人のうち成績の良い2名のポイントが合算され、合計ポイントが少ない順に予選の総合順位が決定する仕組みです。1〜19位までのチームが決勝に進出することができ、20〜32位のチームがBファイナル(敗者復活戦)へ、33位以下は予選敗退となります。

Bファイナルでは総合1位のチームのみが決勝へと進むことができます。20分+2周で行われ、クラス関係なくチーム全員、つまり39台(3人×13ヶ国)でレースを行い決勝へのひと枠を競い合います。なお、日本チームは2016年に18位を獲得して以降、Bファイナルでレースを終えており、今年は決勝進出、そしてこれまでの最高位である6位以上を目標に挑みます。

決勝はMXGP/MX2、MX2/オープン、MXGP/オープンという順で、2クラスずつの混走によって行われます。決勝レースは30分+2周の3ヒート制。各々の順位をそのままポイントとして計算し、チーム内のワーストリザルトを除いたベスト5の順位の合計ポイントが少ない順にチーム成績が決まります。総合リザルト21位以下は、B決勝2位〜最下位、予選33位〜最下位となります。

⑤日本の国旗をモチーフにした特別デザインのウエア

2022年参戦時。⼤倉由揮選手

MXoNでは国の代表として参戦するということで、ウエアやマシンの外装も国旗をモチーフにしたカラーリングの特別デザインになります。今年の代表ライダーたちは大倉選手と横山選手がFOX、大城選手がDFGと、ダートフリークで取り扱うウエアブランドを着用しています。2024年はどんなデザインのウエアで走るのか、こちらもぜひ注目してみてください。

これまでの日本チーム

日本は1990年からMXoNに参戦を始め、出場した大会のうち2000年と2003年に獲得した6位が最高順位となっています。以降も毎年ではないものの出場を続けており、今回は2022年から2年ぶりの参戦となります。代表監督には元全日本モトクロス選手権ファクトリーライダーであり、2017年よりMFJレーシングアドバイザーを務める熱田高輝(あつた たかてる)氏、代表チームマネジメントに一般社団法人 TEAM JAPAN MX PROJECT代表理事 元木龍幸(もとき たつゆき)氏が就任しています。そして、代表メンバーは以下の通り。IA1クラスで上位を争う3人が選ばれています。

・⼤倉由揮選手(おおくらゆうき/Honda Dream Racing Bells)

・⼤城魁之輔選手(おおしろかいのすけ/YSP浜松 with BABANASHOX)
※TEAMJAPANの代表ライダーとして参戦予定であった大城魁之輔選手(YSP浜松withBABANASHOX)がレース中の負傷により欠場することとなりました。急遽代役として、渡辺祐介選手(YAMAHAFACTORYINNOVATIONTEAM)が日本代表として参戦。

・横⼭遥希選手(よこやまはるき/HONDA Dream Racing LG)

2024年代表メンバー

代表に選ばれた3人は24〜25歳と同世代で、幼少期からともに同じレースを競い合ってきた仲。それぞれ海外での練習やレースの経験があり、横山選手は2018年に、大倉選手は2022年にMXoNに出場しています。

海外トレーニングで実力を伸ばす、大倉由揮選手

大倉選手は大阪府出身で、1998年12月23日生まれの25歳。Honda Dream Racing Bellsに所属し、ホンダCRF450Rで全日本モトクロス選手権IA1クラスを戦っています。2016年に全日本モトクロス選手権IBクラスでチャンピオンを獲得すると、翌年にはアメリカに修行へ。2017中盤からIA2クラスに参戦し、全日本でのキャリアを重ね、現在はIA1クラスに出場しています。

初めてMXoNに出場した2022年について、大倉選手は「アメリカのローカルレースに出たことはありますが、世界大会は2022年のネイションズが初めてでした。その時は、今まで自分がやってきたモトクロスはモトクロスじゃなかったんだと思ったくらい、周りとのレベル差を感じました。特にタイムアタックで全力を尽くして27位、トップとマイナス12秒って結果を見た時には崩れ落ちそうになりましたね。また、観客の多さや盛り上がりもスケールが大きくて、日本で経験してきたものとは全てが違って、圧倒されたのを覚えています」と鮮烈なデビュー戦を評しています。

前回の経験を経て以来、その実力は毎年着実に伸びており、2023年や2024年開幕前のシーズンオフ、さらに2024年の夏にヨーロッパで練習を積むとともに、モトクロス世界選手(MXGP)に参戦するなど、この一年で海外経験を増やしています。

そんな中選抜されたことについて、大倉選手は「前回出たことでレース形式はわかるので気持ちは少し落ち着いています。2022年はホンダに乗り換え、さらに450ccに乗り始めて一年目だったので、その時よりは今の方がマシンにも乗り慣れているので安心感があります。今年はMXGPに参戦させてもらったり、イタリアやベルギーでトレーニングさせてもらってパワーアップできてるっていう自信と、海外のレースの場慣れができてるので、気持ち的には前回よりも挑みやすいです。

ここ数年、日本チームは予選を通過してないので、まずは予選をストレートで決勝に進むことを目標にしています。あとは決勝では自分の持っている力を全て出し切って悔いのない走りができたらと思います。全日本モトクロス選手権とは違ってチーム戦になるので、普段ライバルの2人ですが、ネイションズでは3人でしっかりと作戦を立てて、協力し合って、1人1人が最大限のパフォーマンスができるレースにできたらと思います」とコメント。

怪我の悔しさを乗り越え再びの選抜、大城魁之輔選手

※TEAMJAPANの代表ライダーとして参戦予定であった大城魁之輔選手(YSP浜松withBABANASHOX)がレース中の負傷により欠場することとなりました。今回、欠場となりましたが来年の参加を願いインタビューを掲載させて頂きます。

大城選手は沖縄県出身。1999年11月5日生まれの24歳です。現在はYSP浜松 with BABANASHOXに所属し、ヤマハ YZ450Fで全日本モトクロス選手権IA1クラスに出場しています。幼少期にはアメリカに住みモトクロスの練習・レースに励んでいた経験があり、日本帰国後は中部モトクロス選手権NAクラスでチャンピオン獲得。さらに2021年に全日本モトクロス選手権IA2クラスで年間チャンピオンを獲得しています。

海外経験について大城選手は「自分は10〜14歳くらいまでの間、モトクロスのためにアメリカに住み、トレーニングを重ね、現地のレースに出ていた時期があります。ただ、IAクラスに上がってからは海外のプロレースに出たことはなくて、今回のMXoNが初めてです。素直にすごく楽しみです」と語ります。なお、この夏のインターバル期間では、アメリカへ渡りヤマハのスターレーシングのもとで3週間ほどトレーニングを積んでいます。

また、大城は2022年のMXoN代表メンバーとして選ばれていましたが、直前の怪我により出場辞退を余儀なくされました。前回の悔しさから再び今回選ばれたことについて、大城は「2022年に選ばれた時はかなり意気込んでいたので、怪我をして出られなくなった時はかなり悔しかったです。今年また選んでもらうことができて率直に嬉しいです。ただ、今季の結果を見ると、3人の中で僕が一番良くなくて、第5戦を終えた時点でのランキングは5番と、3人の中で一番下です。なので正直、なんで大城なんだっていう意見があってもおかしくないと思います。それでも、むしろ行ってよかったじゃないと思ってもらえるように精一杯頑張ります。

チームとしては、決勝に行けていない年が続いているので、今年こそ決勝を走りたいですね。でも走るだけじゃなくて、やるべきことを全て出し切って、行ってよかったなと思える結果を持って帰ってきたいです」と意気込みを述べてくれました。

オーストラリアで得た対応力が強み、横山遥選手

横山選手は埼玉県出身で、1998年10月21日生まれの25歳です。HONDA Dream Racing LGに所属し、大倉選手と同じくホンダのCRF450Rに乗って全日本モトクロス選手権IA1クラスに参戦しています。幼い頃に海外でのレース経験があり、2018年のMXoNに出場した経験があります。IA2クラス昇格後は2019・2020年の2年連続で年間チャンピオンを獲得。その後オーストラリアに拠点を移し、2022年から現在までオーストラリア選手権へ参戦しています。また、2024年には全日本モトクロス選手権の舞台に戻り、IA1クラスにも参戦。オーストラリアを拠点に、日本とオーストラリアを行き来しながらレースに出場しています。

2018年の思い出について聞くと、「2018年に出場した時はあいにく雨が降ってしまって、マディコンディションの中で転倒も多く、自分の思うような走りができなくて、自分の力を発揮せずに終わってしまったという苦い思い出が残っています。だからこそ、もう1回チャレンジしたいという気持ちがずっとあったので、今年選んでいただいてとても光栄ですし、さらに上を目指して頑張りたいなっていう気持ちが強いです」と苦い思い出を吐露。

また、今年の大会についてうかがうと「現在はオーストラリアを拠点にして、全豪モトクロス選手権と全日本モトクロス選手権に参戦しています。そのため、体力もメンタルも、どちらも6年前の(2018年)自分と比べて一回りも二回りも成長してると思います。特に、オーストラリアモトクロス選手権にシリーズを通して出場していることで、現地のコースやいろんなシチュエーションに対する対応力が上がっていると感じていますし、パッと違う国のコースへ行ってレースをするという状況に身体が慣れていると感じています。これはMXoNの本番でも調子を崩さず挑める自信に繋がりますし、強みだと思っています」と、力強いコメント。

目標については、「日本チームはここ数年決勝に進めていないので、今年は決勝への進出を目指しています。個人的な目標としては、予選で上位10位以内に入ることですね。なぜ10位かというと、今後アメリカでレースしたいという気持ちがあるので、このような国際大会でトップ10に入ることができたら自分に自信がつくし、海外への挑戦に向けて自分の背中を押してくれるんじゃないかなと思って設定しました。他の2人とは小さい頃からの仲なので、チーム一丸となって戦えるんじゃないかなと思います」と語ります。

それぞれの想いをかけて挑むMXoN。日本を背負い世界に挑戦する3人を応援しましょう!

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