バイクのリチウムイオンバッテリーのデメリット

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バイクのリチウムバッテリーは、一般的な鉛バッテリーよりも自然放電しにくい特性があり、しばらくバイクに乗っていなくてもバッテリー上がりを起こしにくいため、人気があります。
ただし、以下のようなデメリットがあるので、導入を考えている人はデメリットと比較をした上で、検討するのがおすすめです。
①寒さに弱い
リチウムバッテリーは急激な温度変化に弱く、気温が0℃以下になると始動性が大幅に落ちることがあり、寒さに弱い点がデメリットのひとつです。
特に寒冷地で冬場の取り扱いが難しく、多くの電力が必要となる始動時に、うまくセルが回らないなど、機能しない事態も起きます。
低温以外にも高温にも注意が必要で、直射日光が当たる場所や高温になる場所での保管を避けるようにしましょう。
②価格が高い
リチウムバッテリーは、純正などにも採用されている、一般的な鉛バッテリーと比べると2~3倍価格が高い点もデメリットです。
しかし、鉛バッテリーよりも高寿命でメンテナンスもする必要がないので、ランニングコストや点検の手間から見た場合は、必ずしも価格が高いとは言えない面があります。
純粋にバッテリーの価格だけで比べた場合は、リチウムイオンバッテリーのほうが高く、手軽に入手しづらいという点で、価格の高さはデメリットと言えるでしょう。
③専用の充電器が必要な場合がある
リチウムバッテリーは鉛バッテリーとは充電方式が異なるため、専用の充電器が必要になるケースがほとんどです。
鉛バッテリーの充電器は、ガソリンスタンドなどさまざまな場所に用意されていますが、リチウムバッテリーの充電器まで用意されていないこともあり、鉛バッテリーほど手軽に充電できません。
鉛バッテリーの充電器を使用すると、最悪の場合は過充電による発火の可能性もあるので、必ず専用の充電器を使いましょう。
④電圧変動にシビア
LiFePO4などの一般的なリチウムバッテリーは、使える電圧範囲が10V〜14.5V程度と狭いため、電圧が変動すると使用範囲を超えてしまうことがあります。
使用範囲よりも電圧が高くなる(14.6V以上:過電圧)と発熱や発火、本体が膨張するリスクが生じ、10Vを下回ってくると、バッテリーが回復しなくなる可能性が高いです。
使用電圧範囲が狭く、使用範囲を超えてしまうと発火や回復不能などのリスクがあり、電圧変動にシビアな点も、リチウムバッテリーのデメリットになります。
⑤互換性・取り付け注意
電圧が安定しなかったり、古いバイクだったりする場合、鉛バッテリーからの交換がスムーズにできない互換性の問題もデメリットです。
バイクのレギュレータや充電系統がリチウムイオンバッテリーに対応できないと、過充電になる可能性があり、取り付け時に注意しないといけない点もデメリットになります。
鉛バッテリーからリチウムイオンバッテリーに交換の際は、互換性があるのか、取り付けができるのかを確認したうえで交換しましょう。
⑥突然使用停止のリスク
リチウムイオンバッテリーには、過電圧や過放電などの状況になると、回路を遮断して機能を停止させる保護回路が備わっています。
そのため、使用環境によって過充電などの状況に陥ると、リチウムイオンバッテリーが突然使用できなくなる点もデメリットです。
鉛バッテリーは突然機能停止することがなく、除々にライトが暗くなるなど予兆がありますが、リチウムイオンバッテリーは突然使用停止になることもデメリットと言えます。
⑦発火・発煙リスク(ごく稀)
極稀に発火や発煙リスクがある点も、鉛バッテリーにはないリチウムイオンバッテリーのデメリットです。
特に質の悪い安価なリチウムイオンバッテリーを選ぶと、過充電でも保護回路が働かず、発火や発煙のリスクが生じます。
一度発火すると消火は難しく、水をかけるとリチウムに反応して爆発を起こす危険性もあるので、使用の際は価格だけで判断せず、信頼と実績のあるリチウムイオンバッテリーを選びましょう。
バイクのリチウムイオンバッテリーのメリット

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バイクのリチウムイオンバッテリーのメリットは、以下のようになっています。
- 超軽量
- 長寿命
- 自己放電が少ない
- 充電スピードが速い
- 高出力・安定した電圧
- 液漏れ・ガス発生の心配なし
- 急激な劣化が少ない
メリットを順番に詳しく見ていきましょう。
①超軽量
リチウムイオンバッテリーは、鉛バッテリーの3分の1~5分の1の重量と超軽量な点がメリットです。
リチウムイオンバッテリーの重量は500g~700g前後で、バッテリーが軽くなるとバイクの重心が下がってコーナリングでの安定感も増します。
また、ハンドリングの向上にもつながり、特にレース車両では走行に大きなアドバンテージ(優位性)が生まれ、軽量によりメリットが大きいです。


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