ベテランライダーと会話していると、様々な「〇〇現象」が登場して理解できないことはありませんか?
そこで今回は、バイクにまつわる「〇〇現象」を分かりやすく解説していきます!
シミー現象とは?
シミー現象は、走行中にハンドルが振れる現象のことです。これは、特定の速度域で車体が共振し、ハンドルが振れてしまうことが原因です。
発生する速度域によって、「低速シミー(50km/hあたりまで)」と「高速シミー(100~120km/h付近)」に分けられます。走行中に五感を研ぎ澄ませば、速度域によって振動が変化するのが感じられるはずです。
すべてのモーターサイクルで振動を完全に排除することは難しいですが、メーカーはライダーが不快に感じるほどの共振を抑える対策を施しています。しかし、カスタム車では、車両のバランスが崩れてしまい、特定の速度域で共振が発生しやすくなることがあります。
シミー現象の原因としては、タイヤの空気圧不足、ホイールバランスの不良、サスペンションの変更やフレームのカスタムなどが挙げられます。
シミー現象を防ぐためには、下記のような対策が有効
・足回りやハンドル周りなど、各部の締め付け確認
・タイヤの空気圧調整
・ホイールバランス調整
・ハンドルブレースの装着
・ステアリングダンパーの装着
・ハンドルグリップを衝撃吸収タイプに交換
ウォブル現象とは?
ウォブル現象もハンドルの振れですが、特に120km/h以上の高速走行時に発生します。シミー現象との大きな違いは、振動の原因が車体後方にあるという点です。
ウォブル現象は、タイヤ特性、車体の剛性やアライメント、重心位置、空力など、バイクの特性が複合的に関与して発生します。つまり、高速走行時にウォブル現象が発生した場合は、その付近の速度が車両の実質的な走行限界である可能性を示唆しています。
レーシングマシンでは、アライメント調整(フォークの長さ・ネック角・スイングアーム長の変更、ピボット強度強化など)によってウォブル現象の抑制を試みることが可能です。しかし、市販車で同様の対策を行うことは現実的ではありません。強いてできる対策としては、タイヤの種類を変更してみる程度でしょう。
ウォブル現象を回避する最も確実な方法は、発生する速度域に達しないように走行することです。
ジャダー現象とは?
ジャダー現象もハンドルに発生する異常な振動現象ですが、共振以外の要因も考えられます。エンジン始動時や走行中に、通常では発生しないような大きな振動や異音がハンドルに発生する場合、ジャダー現象と判断できます。
ジャダー現象の原因は下記のような箇所が考えられる
・ホイール周辺(ベアリング破損、アンバランス)
・クラッチ周辺(調整不良、ダンパースプリング摩耗)
・エンジンマウント(防振ゴムの劣化)
・ブレーキディスクの歪み
これらの原因を特定し、適切なメンテナンスを行う必要があります。
ご自身でメンテナンスを行うのが難しい場合は、プロショップに依頼することをおすすめします。
コメント