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メカのウンチク話 速く安全に気持ちよく走るためのセッティング 〇その心得編#1

はじめに

ダートフリーク 通信販売担当の鈴木です。

ダートフリークのある愛知県、MXコースのスラムパークでは、ここ数年、走行日には必ずYZ125やKX112といった新しめの2ストローク車に遭遇します。時代は2ストローク・ブームの様子です。
4ストロークユーザーだった私鈴木もこのブームに乗じてYZ250Xや125などを手に入れて楽しんでいたのですが、周囲は4ストロークで育ったライダーばかり。情報も少なく、セッティング出しには苦労していました。

5秒速くなれる!?「メカチク」がWEBで復刻!

そんな2ストローク・ブームの中、オフロードモータースポーツ専門誌「ダートクール」では、2020年No.3号に「メカのウンチク話。キャブセッティング実践編」(2004年No.2号の復刻)が掲載されました。この号を手に取った時は、この情報が欲しかったんだ!と大喜びしました。
ただ、ダートクール誌は残念ながらこの号から休刊となり、続編の記事の復刻・情報の入手は難しい状況となりました。

ブームとも合わさって、オフロード、特にエンデューロが盛り上がりを見せる今、
多くの人が、マシンのセッティングに悩み、情報を欲しているはず・・・。
そういった経緯からダートクールの浦島編集長に相談したところ、今回「メカのウンチク話」のサイト掲載のご許可を頂く事ができました。

今回の「速く安全に気持ちよく走るためのセッティング 〇その心得編」(ダートクール 2003年No.3号掲載)から続けて、「ライディングポジション編」、2ストロークユーザー必見の「キャブセッティング・基礎編」、「サスセッティング・基礎編」「サスセッティング・応用編」「キャブセッティング・実践編」「サスセッティング・実践編」、最後に「4ストキャブセッティング編」まで、これから連載8回分を掲載していく予定です。

本記事の内容は、かつてレジェンドメカとして活躍された故・小菅登氏のご協力により作成されました。2024年現在の情報に合わせて、一部注釈や文章、図の修正を行っています。小菅氏のご貢献に心より敬意と感謝を申し上げます。

■2003年#03より – 01

速く、そして楽しく走るために欠かせないメカ知識とモトクロッサーの正しい整備方法を紹介するメカのウンチク話。レジェンドメカ、小菅登氏の、タメになるウンチク話をたっぷり紹介いたします。

目次

速く安全に気持ち良く走るためのセッティング – その心得編

● 勝敗にまで影響するセッティングの正体とは? ●

モトクロスの練習走行後やレース後などにプロライダーが「もう少しセッティングを煮詰める必要があるね」とか「今日はマシンのセッティングがバッチリ決まっていて楽勝でした」という風に語るのをテレビやレース会場で見たことがある人も多いはず。

では、このレース結果までを左右してしまうバイクセッティングの正体とは一体なんだろう?傾向としてプロや経験豊富なエキスパートライダーこそセッティングの重要性を知っており、素人ライダーの皆さんは面倒くさがったり、興味がなかったりしてセッティングを軽視しているようだ。

そこで今回から連載で、あなたのセッティング作業の手助けをしていこうと思う。セッティングとひとことで言っても、その作業は様々な箇所やパーツに分かれており、しかもそれぞれが影響しあってバイクのトータル性能を引き出しているので、限られたページ数ではその全ては書き切れない。

そこで初回である今回はまずセッティングの心得と基礎知識をレポートする。連載を進めるにしたがって具体的なセッティング方法やメカ知識、実走テストなどをレポートしていく予定なので楽しみにして欲しい。

さて、AMAのライダーはセッティングの煮詰めをしている時に、走行後に「コンフォータブル」という言葉を使ってマシンの状態を表現することがよくある。コンフォータブル(comfortable)の直訳は「心地良い」とか「快適」という意味だが、セッティング時の意味合いとしては「バイクが自分に合っていて、思うように走ってくれる」という風に解釈できる。セッティングの正体の最初の答えがここにある。

「バイクが自分に合っていること」がセッティングの基本であり到達点なのだ。

プロライダーと素人ライダーはライディングテクニックやレベルこそ違うが、速く快適に走りたいという気持ちは同じ。そのためにバイクにほどこすのがセッティングという作業だ。しかも具体的な適正セッティング値は一つではなく、バイクの数だけあり、ライダーそれぞれ求めるものが違っている。だからこそやっかいで難しいのだが、それゆえに面白いと感じて欲しい。自分のバイクを知り、自分に合わせ、自分の走りもバイクの性能も100%発揮できるように仕上げていくのだ。

【セッティング】
最初に確認しておきたいのは、セッティングとは本来あるバイクの性能を引き出す作業で、バイクの性能を向上させるチューニングとは違うということ。どんなにセッティングが決まっても元々そのバイクが持っている性能以上のポテンシャルを発揮することはない。逆に言えばセッティングをせずに乗っていると、その性能差の分だけ損をしているということでもある。
また単純にバイクを走らせるだけならセッティングをしなくても走る。しかしそれはバイクが動いているだけで、深い意味での「走る」というのとは違う。本来、バイクとはセッティングをしてから乗るもので、購入したまま乗っていいものではない。

[#02へ続く]

【クレジット】
Text: Dirt Cool
Illustration: Takuma Kitajima
Special Thanks: Noboru Kosuge

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