ニュースの天気予報などでよく耳にする「降水確率」の“ちゃんとした意味”ってご存知ですか?
今回はツーリングの予定日が微妙な雨予報になってしまった場合に、決行か否かを見極めるための参考になる“降水確率”と“降水量”について解説します。
明日のツーリング、40%の雨予報なんだけど降るの?降らないの?
次のツーリング予定日が、どうやら40%の雨予報……。
なんだか雨が降りそうな予報でもあり、少しくらいしか降らなさそうな予報でもある微妙な空模様の時って、けっこう判断に悩みますよね。
現在では高性能なレインウエアがあるとはいえ、ライダーにとって雨のツーリングはできるだけ避けたいものだと思います。
せっかく予定を組んだから、少しくらいの雨なら決行したいけど、たくさん雨が降るようなら別の日に変更するべきかを判断するときに、まずは天気予報の「降水確率」を見るかと思います。
しかし、ニュースの天気予報などでよく聞く「降水確率」って、そもそもどういう意味なのでしょうか?
そもそも『降水確率』ってどういう意味なの?
現在ではスマートフォンのアプリなどで、いつでもリアルタイムの天気予報がチェックできるようになり、数日先の天気予報までみられるので、先々の予定が随分立てやすくなったともいえます。
天気の移り変わりは自然現象ですから、絶対に当たる天気予報はありませんが、ニュースなどで目にする「降水確率」は、過去の膨大なデータに基づき、気圧配置や雲の動き、風向きや気温&湿度、気象予報士の経験や知識など様々な予測方法を用いて、計算によって算出されています。
【降水確率】とは?
「降水確率」とは気象庁によって下記のように定義されています。
「降水確率 40%」とは、40%という予報が100回発表されたときに、そのうちの40回は1mm以上の雨が降る確率。
とされています。……う〜ん、なんだかちょっと分かりにくいですよね。
これを分かりやすく言い換えますと、過去にあった同じような気圧配置や気象条件を100日分のデータとして探し出し、その中で合計40日間で1mm以上の雨が降っていたら、降水確率は40%ということになります。
例えば、過去に50日降っていたら50%、80日降っていたら80%となります。
ちなみに、降水確率は基本的に10%刻みになっていて、5%分は四捨五入されるので、降水確率1〜4%は→降水確率0%になるわけです。
降水確率0%だったのに局地的に雨が降ったり、降水確率67%などの中途半端な予報数値がないのはこのためなんですね。
つまり「降水確率」とは、あくまで『雨が降る確率』であって、パラッと少量の雨が降っただけだったとしても、それは「雨予報」となるわけです。
そうはいっても、気圧や雲の動きは一定ではありませんし、エリアや地域、時間ごとによっても雨雲の範囲は変わってきますから、局地的に降ったり降らなかったりもするので、降水確率だけで「雨か・晴れか」の二択を判断するのは少し早合点と言えます。
【降水量(予想降水量)】とは?
天気予報には降水確率以外にも、どれくらいの雨の量が降ったかを示す「降水量」というものがあります。
降水量の観測には、様々な方法が用いられていますが、代表的なのが雨水を転倒する“ます”で計測している「転倒ます型 雨量計」です。
「降水量」とは気象庁によって下記のように定義されています。
「降水量」とは、1時間や10分などの一定時間に降った雨が流れずにそのまま溜まったときの水深で、雨がどれくらいの量が降ったのかをmm(ミリメートル)で表した数値。
例えば、降水量が5mmの場合は1時間に降った雨がその場で溜まると水深が5mmになります。降水量5mmの目安は、1平方メートルの広さに1時間で5リットルの雨が降ったことになります。
……これもイマイチ、ピンとこないのですが、気象庁では降水量のイメージ目安を下記のように表現しています。
1時間に降った降水量が10mmだと「やや強い雨」→「地面からの跳ね返りで足元が濡れる」
1時間に降った降水量が20mmだと「激しい雨」→「傘をさしていても濡れる」
1時間に降った降水量が50mmだと「非常に激しい雨」→「傘は全く役に立たなくなる」
これならどれくらいの雨が降りそうかイメージしやすいですね。
降水確率とは違い、時間別によってどれくらいの雨の量が降りそうなのかを計測する「予想降水量」も発表されていて、6時間や12時間、24時間などで〇〇mm降りそうかを地域ごとに予測したものもあります。
雨が降りそうな確率に加えて、どれくらいの雨の量や強さなのかを示す「予想降水量」もチェックしておきたいですね。
【コラム】山の天気はなんで変わりやすいの?
ライダーはワインディングが堪能できる山道のツーリングに出かけることも多いでしょう。
そんな時、山の麓では晴れていたのに、山頂に近づくにつれて雨が降ってきた……、なんていうことは結構あることです。
「山の天気は変わりやすい」とは言われますが、なぜ山の天気は急変するのでしょうか?
これは海と山の地形が大きく関係しています。
海水の水分が蒸発することで、湿った空気が山の斜面にあたり、上昇気流が山の上で雨雲を発生させます。
反対側の山の斜面に陽光が当たると、平地より先に地表面が暖められ、低層の雲は山を越えられず、山に当たった時点で雨を降らせます。
麓や山の反対側はからりと晴れるのに、峠を越えるといきなり雨、というのは上昇気流によってできた雨雲が原因なのです。
また、熱い空気が山を駆け下るとフェーン現象という「熱い」風になることもあります。山はこうした様々な要因で天候が変わりやすいと言えます。
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