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MotoGP第12戦アラゴンGP Moto2、Moto3レースレポート/小椋藍が8位。右手負傷を抱えて完走を果たす

写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里

目次

MotoGP第12戦アラゴンGP
8月30日~9月1日/スペイン モーターランド・アラゴン

Moto2:小椋藍、8位完走でチャンピオンシップのポイント差を詰める

Moto2クラスに参戦する小椋藍(MTヘルメット – MSI)は、オーストリアGP土曜日のプラクティス2の転倒で負った、右手甲2カ所の骨折を抱えて今大会に臨みました。なお、この怪我により、オーストリアGPは欠場しています。

Q1からとなった予選では、Q2への進出を果たして16番グリッドを獲得。ただ、小椋としては、痛みよりも怪我でセッションの進行がいつもよりも遅いことが影響したと考えていたようです。実際のところ、土曜日午前中のプラクティス2は、ハーフウエットのコンディションだったために走行しませんでした。

「手の状況でスタートが遅く、リズム的にしっかり走れていなかったので、(Q1)15分、(Q2)15分の短い時間でピークにもっていくのがすごく難しかったです」(MotoGP.comのインタビューより)

16番グリッドから決勝レースに臨んだ小椋は、レース序盤こそ出遅れたものの、徐々に順位を上げていきます。そして、最終的に8位でゴール。8ポイントを獲得したのです。

Moto2のチャンピオン争いを繰り広げている小椋にとって、この8ポイントは重要でした。ランキングトップでありチームメイトのセルジオ・ガルシア(MTヘルメット – MSI)がリタイアで0ポイントに終わったことで、ランキング2番手の小椋との差は20ポイントから12ポイントに縮まりました。

小椋はMotoGP.comのインタビューで、今回のレースについてこう語っています。

「1周目は接触があってコースアウトしてしまったんです。今回の路面コンディション的にタイヤが汚れを拾うと回復するまで3、4周かかるので、序盤はかなり苦戦しました。ただ、何人かのライダーのタイヤが落ちるというのは、レース前から想定していました」

「ボクは自分のできる走りでラップすべてを回っただけですが、結果的に、トップ10以内という目標を達成できました。いい日曜日になったし、最悪の状況でこれなら悪くないんじゃないかなと思います」

負傷を抱えながら走り抜き、8位完走を果たした小椋藍。チャンピオンシップのポイント差を縮める結果になった

佐々木歩夢(ヤマハVR46マスターキャンプ・チーム)は、予選で自己ベストの19番手を獲得しました。前のライダーが3グリッド降格のペナルティを受けたことで、決勝レースは18番手からのスタートとなり、好レースを見せて12位でゴール。これは自己ベストリザルトであり、佐々木にとってMoto2で初のポイント獲得となりました。

「今週はオーストリアのテスト後、いいフィーリングで走れていて、難しいコンディションでもしっかり集中してレースを走ることができました。最終的に12位。初ポイントの4ポイントを獲得することができました」と、佐々木はMotoGP.comのインタビューで語っていました。

「ほんとに苦しいシーズンのスタートでしたが、あきらめずにチームとひとつひとつクリアしてポイント圏内までくることができたので、感謝したいです。前も遠くはないので、シーズンを終えるころにはトップ10、表彰台が見えるところまで集中して改善していければと思います」

Moto3:経験の少ないアラゴンで古里太陽が奮闘。6位でゴール

Moto3クラスの決勝レースでは、古里太陽(ホンダ・チームアジア)が一時は2番手を走行する奮闘を見せました。しかしその後、ポジションを落とし、我慢のレースを6位でゴールしています。

アラゴンGPは2023年に開催されなかったため、2022年にロードレース世界選手権デビューした古里がアラゴンを走ったのは、レッドブルMotoGPルーキーズカップとMoto3ルーキーイヤーの2022年だけ。さらに今季は路面が再舗装されており、古里にとっては難しい状況だったはずですが、それでも6位で終えたことに、本人もある程度は納得していたようです。

「いいスタートが切れてポジションを上げていくことはできたのですが、序盤に攻めすぎたせいで、5,6周目にはタイヤが終わってしまいました。ウイークを通してみると、6位は悪くはないです。苦手なサーキットを6位で終えられたのは大きいですし、次に向けて学ぶこともありました」(MotoGP.comのインタビューより)

アラゴンは古里太陽にとって、経験の少ないサーキット。6位という上々の結果で終えた

また、鈴木竜生(リキモリ・ハスクバーナ・インタクトGP)は、レース序盤にポジションを上げたものの、レース後半のタイヤマネジメントがうまくいかず、14位でした。古里同様、今回のレースでは路面コンディションがあまりよくなかったため、タイヤマネジメントがカギになったようです。

鈴木竜生は予選のミスもあって、難しいレースウイークとなった

山中琉聖は、このレースウイークでマシントラブルが連発しました。土曜日の走行ではプラクティス2、予選Q1でエンジンが壊れたということで、Q1では1周もアタックできずに終わりました。まともに走行できなかった影響は大きく、19位でレースを終えています。

「先週のオーストリアでずっと原因不明だった問題があったのですが、今週、フレームが割れていたことが分かったんです。原因がやっと分かって気持ちよく走れるかなと思ったら、今週は違うトラブルが出て、1本目も走れなかったし、昨日も数周しか走れなかったし、今日も思ったように走れませんでした。気持ちを切り替えて、チームとしっかり話し合ってやり直さないといけないかなと思います」(MotoGP.comのインタビューより)

マシントラブルが続いた山中琉聖だが、何もなければ上位を走るはず。サンマリノGPに期待だ

次戦、第13戦サンマリノGPは、9月6日から8日にかけて、イタリアのミサノ・ワールド・サーキット・マルコ・シモンチェリで行われます。

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