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WSBK第7戦ポルトガルレースレポート/ラズガットリオグルが13連勝を達成。記録更新の快挙

写真:Pirelli
テキスト:伊藤英里

目次

WSBK第7戦ポルトガル
8月9日~11日/アウトドローモ・インターナショナル・アルガルベ

スーパーバイク世界選手権(WSBK)第7戦ポルトガルラウンドが、8月9日から11日にかけて、ポルトガルのアウトドローモ・インターナショナル・アルガルベで行われました。

ラズガットリオグル、空力デバイスを失いながらも優勝を飾ったレース2

ポルトガルラウンドもまた、トプラク・ラズガットリオグル(ROKiT BMWモトラッド・ワールドSBKチーム)が席巻した週末となった、と言っていいでしょう。

ラズガットリオグルは第3戦オランダラウンドのレース2以降、連勝を続けており、今大会では連勝記録の更新が注目されました。これまでの連勝記録は、アルバロ・バウティスタ(Aruba.it レーシング-ドゥカティ)とジョナサン・レイ(パタ・プロメテオン・ヤマハ)が持つ11連勝です。ラズガットリオグルは、前戦チェコラウンドで10連勝を達成しており、ポルトガルラウンドで11連勝を更新する可能性がありました。

果たして、ラズガットリオグルは今大会でもレース1、スーパーポール・レース、レース2のすべてで優勝を飾り、SBKにおける連勝記録を更新したのです。ラズガットリオグルは、現在、13連勝中。その記録はまだ更新中です。また、第4戦エミリア・ロマーニャから4戦連続で、3レースで優勝を果たしています。

「素晴らしい週末だった」と、ラズガットリオグルはWorldSBK.comのインタビューに答えました。

「ボクたちはレコードを更新し、今や13連勝を果たした。合計で54勝。本当にうれしいよ。レース2では、(ニッコロ・)ブレガとバウティスタとトップ争いをしたけど、全体的には満足だよ。日々、伝説に近づいているような気がして、とても特別な気分なんだ! この連勝がいつ終わるのかは分からないけど、フィーリングはいいし、優勝を目指して全力を尽くすだけだよ」

実は、レース2には、ちょっとしたハプニングがありました。レース序盤、トップを争っていたアレックス・ロウズ(カワサキ・レーシングチーム・ワールドSBK)とメインストレートで軽く接触した際、ラズガットリオグルのフロント左側の空力デバイスが脱落したのです。これは、走行に影響を与えました。

「ウイングが取れた後は(バイクが)うまく旋回しなかったんだ。特に最終の右コーナーでは、だいたい0.5秒くらいタイムロスしていたんじゃないかな。ドゥカティはそこで本当に強かったよ。残り4周ではアルバロ、そのあとにブレガとトップ争いをした。だから、最終ラップでは最終セクターに入る前に100パーセント以上の力を尽くさなくては、と考えていたんだ。最終的に、作戦がうまくいって優勝できた」

レースの世界において0.5秒といえば、大きな時間です。ラズガットリオグルは空力デバイスの脱落によって最終コーナーで余儀なくされたタイムロスがありながらも、Aruba.it レーシング-ドゥカティのバウティスタ、ブレガとトップ争いを演じ、そして優勝を飾ったのです。こうした状況だったからこそ、レース2はラズガットリオグルとBMWという今季のパッケージのよさを示すレースだった、とも言えるかもしれません。

ラズガットリオグルは今大会でも3レースで優勝を飾り、この結果、チャンピオンシップではもちろんランキングトップを維持。ランキング2番手のブレガに対し、92ポイントという大きな差をつけています。

ラズガットリオグル(中央)はスーパーポール・レースで12連勝を達成し、バウティスタとレイの記録(11連勝)を塗り替えた

レース2でバウティスタが見せた接戦の優勝争い

ポルトガルラウンドはラズガットリオグルが席巻した週末ではありましたが、一方で、2022年、2023年チャンピオンであり苦戦が続いているバウティスタが、ついにラズガットリオグルと優勝争いを演じたレースウイークでもありました。

バウティスタは前戦チェコラウンドで、「2024年で初めて、思い通りにバイクに乗ることができた」と語っていました。翌戦となったポルトガルラウンドのレース1では2位表彰台を獲得。また、レース2のトップ争いは短い時間ではありましたが、バウティスタの復活を予感させるシーンだった、と言っていいでしょう。

レース2の終盤、トップのラズガットリオグルに追いついたバウティスタは、ラズガットリオグルと接戦を演じていました。しかし、残り5周、下りのブレーキングとなる5コーナーで、ラズガットリオグルがバウティスタのインサイドに入ったとき、バウティスタがスリップダウンを喫したのです。この転倒によって、バウティスタは19位でゴールしました。

「バイクのフィーリングはよかったし、トプラクをとらえることができた。今季初めてのことだ。それだけフィーリングのよさを感じていたんだ」と、バウティスタはWorldSBK.comのインタビューで語っています。

「優勝争いは久しぶりだったね。見せ場を作りたかったし、トプラクと少しやりあってみたかったんだ。でも、5コーナーで彼がボクをパスしたときにちょっとワイドになって、ボクはラインを閉じようとしたんだけど、フロントが切れ込んだんだ。残念だよ。パフォーマンスはとてもよかったからね。とても強さを感じていたんだ」

バウティスタはポルトガルラウンドについて、「思い通りにバイクを走らせることができていた」と言います。チェコラウンドにあった感触は、ポルトガルラウンドでもバウティスタに戦うポテンシャルを与えていたようです。

「モスト(チェコ)とここで、昨年のように走ることができるようになっているんだ。ちょっと限界に近いかもしれないけどね。うれしいよ」

なお、バウティスタはレース1の2位によってWSBKにおける100度目の表彰台を達成しています。ストップ・ラズガットリオグルを果たすのは、やはりバウティスタなのか……。ポルトガルラウンドで、その可能性を示したことは確かです。

レース1で2位表彰台を獲得したバウティスタ(左)。100度目の表彰台獲得となった

第8戦フランスラウンドは、9月6日から8日にかけて、フランスのマニクール・サーキットで行われます。

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