モトクロスでかっこよく走りたい人必見! マイカルチャンプがスタイリッシュなライディングテクニックを伝授
スタイリッシュなライディングに憧れるライダーも多い、人気YouTuberのマイカルチャンプ。彼のようなかっこいい走りはどうしたらできるのか? 基本姿勢・コーナリング・ルーストの巻き上げ方の3つを教えてもらいました。
Mical Champ(マイカルチャンプ)
https://www.youtube.com/@micalchamp.113
マイカルチャンプにとってかっこいい走りとは?かっこよさの追求はまず安全に走る基本から
そもそも、かっこいい走りとはなんでしょうか。マイカルチャンプにとっての「かっこよさ」を聞いてみました。
「モトクロスをやってて、ダサいということはないでしょう。だって、モトクロスはかっこいいから。もちろん、かっこいいかかっこよくないかは見てる人が決めると思うんですけど、速く乗るよりもかっこよく乗る方が大事だと思ってます。『速さよりもかっこよさ』。これがマイカルチャンプの定義です。
初心者の人やキッズ・ジュニアライダーの子たちは、ジャンプを飛びたいとか、速く走りたいという考えがどうしても先に浮かぶと思います。しかし速さばかりを求めると今度は怪我のリスクが出てきます。結果を先に求めがちだけど、それが怪我につながる。やっぱり自分の好きなことで怪我するっていうのは一番悲しいし、あってはならないことだと思うんです。モトクロスは怪我のリスクの高いスポーツだと思っていますが、やり方さえちゃんとすれば楽しいスポーツになると思っています。
なので、僕が思う『かっこいい乗り方』は、安全に乗るための基本が身についてからのものです。基本ができた後に速さや、ジャンプを飛ぶスキルがついてきます。どうしてもモトクロス=危ないというイメージが先行して、怖さを感じる方もいると思います。しかし、速さではなくかっこよさを求めて乗ることで、安全に走ることができ、自然と怖さも払拭できると思っています。今回は、そんな僕のライテクを教えていければと思います!」
かっこいい走りを作る基本姿勢
かっこいい走りは安全に乗るための基本を身につけてから、ということで、まずは基本姿勢のポイントを教わります。マイカルチャンプによると、基本姿勢は座る位置・ハンドルの持ち方・ニーグリップの3つがポイントとのこと。
座る位置
「まず、座る位置はマシンの中心にあたる、ステップの真上がベストです。モトクロッサーにはシートにくぼみがあって、そこがちょうどマシンの中心くらいになります。ただ、初心者は大体中心より後ろに座る人が多いです。というのも、原付やママチャリ、リッターバイクとかって、大体シート位置が後ろなんですよね。けどモトクロッサーは体を前後に使う仕様になっていて、後ろに座るとバランスが悪くなってしまいます。マシンに座る位置を知って、それを意識できるか否かで乗り方が全然変わってきます。なお、乗車位置はマシンの大きさ関係なく、基本的にはステップの真上に乗ることで中心に乗ることができるので覚えておいてほしいポイントです」
ハンドルの持ち方
「次に基本姿勢として大事なのは、脇を開いて、肘を上げることです。この基本姿勢を身につけるためには、まずハンドルをハの字に、小指から握ります。
普通にハンドルを握ると脇が閉じちゃうんですよね(写真NG例参考)。脇が閉じていると手や腕に力が入りやすくなります。特に初心者の場合は、怖くて腕に力が入って、脇を閉じてしまいがちで、そうなると腕が疲れやすく、マシンをコントロールしにくくなります。さらに、脇を閉じた状態で肘を上げろと言ってもなかなか上げれないんです。だからまずは、ハの字に持つという意識がポイントになってきます。ハの字に持つと自然と肘が開くので、基本的な姿勢がとりやすいです。
僕も動画では片手で乗ったりしてるんですけど、それができるのは手に力が入っていないからです。本当に添えるくらいのイメージで握っています」
ニーグリップ
「基本姿勢の中でもニーグリップ、これが一番大事ですね。ニーグリップをしてみるとわかりますが、マシンを挟んでるか挟んでないかだけで、安定感が全然違いますし、上半身の力が抜けます。ニーグリップ=太ももで挟むという意識を持っている方も多いと思いますが、正しくは太ももじゃなくて膝下で挟むイメージです。足首から膝の下ぐらいに力を入れて挟むことで、スタンディングがスムーズにできます。
イメージが掴みにくい方は、手を離した状態でバイクの上に立って、ニーグリップする場合としない場合を確認してみるとわかりやすいと思います」
コーナリングは肘を上げて、足を膝から出す!
乗車姿勢
「コーナリングも姿勢が大切になってきます。練習する際には、まずはフラットな場所で、足を出さないままハンドルを切ってみましょう。ハンドルを切った時に外側の肘が下がっているのはNGです。バイクを倒したければ、外側の肘をちょっとだけ上げるように意識することが大切です。
肘が下がってると自然と前に押す力が働いちゃって、無意識に力が入ってしまうんですよ。一方で、外側の肘を上げるとハンドルを上から内側に押すような状態になります。そのため、手を添えるだけで勝手にバイクが寝ていきます。
イメージが湧かない人は、フラットな場所で円を描いて走ってみてください。スピードはそこまで出さなくていいです。ゆっくりな状態で進んでいって、コーナーを曲がる時に肘を上げることを意識しながらハンドルを切ります。肘を下げた場合と肘を上げた場合でぐるぐる回り続けると、肘が下がっている場合は曲がろうとしてもバイクが起きようとする力を抑えきれず円が大きくなってしまいます。一方で肘を上げた場合は、自然と円が小さくなります」
足の出し方
姿勢ができるようになったら、次は足を出していきます。
「モトクロス=足出すというイメージを持っている方も多いと思いますが、多分大半の人はなんで足を出すのかわからずにいるかもしれません。基本的な理由としてはコーナーにはバンク角があるので、バイクを倒しすぎるとステップが擦れてしまいます。この擦れを防ぐために足を出しているということです。極端に言えば、あまりバイクを倒さない人は足を出さなくてもいい。でも足を出してる方が、モトクロスやってるぜ感も感じられるので、足を出していきましょう! ここはかっこよさを極めるマイカル流です」
「足の出し方は、横ではなく基本的に前に出します。ただ、モトクロスブーツって結構重たいので、つま先から足を上げようと思ったら、どれだけトレーニングしててもやっぱり重たく感じるし、それを続けていくと疲れて足が上がらず、開いていっちゃいます。こうなると、足を出す時にバランスを崩したり膝をついちゃったり、足を地面に引っ掛けたり……転倒に繋がって危ないです。これは良くないです。
また、基本姿勢で話したニーグリップは、コーナーリング時もしてほしいです。けど、足を出すということはニーグリップができていないということなので、コーナーがふらつく原因にもなります。これは、オフロードでコーナリングが怖くて倒せない理由にも繋がります」
「足の上げ方の対策としては、つま先ではなく膝から上げること。やってみるとわかるのですが、膝からだとすっと足が上がるんですよね。極端に言えば膝から先は伸ばしても伸ばさなくても、どっちでもいいです。膝を上げると自然と内腿でニーグリップができるので、バイクを安定させることができます。足を上げることが怖くなくなってきたら、足を前に伸ばす。段階を踏んでいくのが良いでしょう。この方法は、バイクにまたがらず、立った状態でも実感できると思うのでやってみてください。足を伸ばして上げるのと、膝で上げるのでは上げやすさが違うと思います。マイカルチャンプのライテクはできるだけ無駄な力を使わずに、スタイリッシュに乗ることを大切にしています。ということで、足を上げる時もなるべく力を使わず膝から! 楽に上げていきましょう」
「コーナリング時の目線は行きたい方向へ、コーナーの出口がちょうど良いでしょう。地面の近いところを見ちゃうと、スピードが速く感じて怖くなるんですよね。一方で、前を向いていると、スピードを出しても怖くない。ただ、あんまり前を見すぎると石などの障害物を見落とすので、気をつけてください。たまに空を見てる人もいるのですが、上を向きすぎるのも危ないです。やりすぎは注意ですよ」
ルーストは、”お尻で感じろ、スライドコントロール!”
マイカルチャンプといえば、ルーストを巻き上げるかっこいいコーナーが魅力的。どうすれば綺麗にルーストを巻き上げることができるのでしょうか。
「ルーストの巻き上げ方は、コーナー立ち上がりで前に乗ることです。アクセルを開けて加速するタイミングで前に荷重をかけるように前傾姿勢で乗ることで、リヤタイヤの荷重が抜けて、タイヤが滑り、ルーストが綺麗に上がります。逆に、後ろに荷重をかけたままアクセルを開けていくと、リヤタイヤがグリップしてしまって、綺麗なルーストは上がりません」
「あと意識することは、ここで曲がるというクリッピングポイントを決めること。方向転換する場所で、ここだ! とアクセルを開けるポイントを決めることでタイミングが掴みやすくなります。また、コーナリング時のスピードとしては、アクセルをある程度開けないといけないけど、開けすぎもよくないです。バイクを寝かしている時に開けすぎると、リヤタイヤが今度は滑りすぎちゃう。バイクを寝かせるときは滑りすぎないようにマシンをコントロールするアクセルワークも必要になります。乗車位置・アクセルを開けるタイミング・クリッピングポイント、どれかひとつがズレても上手くいきません。全てが上手く合わさって初めて綺麗にルーストが上がるので、練習は大切です」
「練習する時は、最初はフラットコーナーで、コーンなり目印を決めて練習するのがいいですね。その感覚がわかったらコースで実践します。コースでいきなり試すと危ないので、ワンステップ踏んだ方が安心です。
路面の狙い目は、ちょっと軽い土が乗ってるようなところ。グリップの良い路面でルーストを狙うと、逆に思ってもみない方向に行っちゃったりする。品定めは大事です。どこでもできるわけじゃないんです。まあ僕ぐらいになるとどこでもできますが(ドヤ顔)。
基本姿勢ができていれば、腕に力が入らず、ルーストを上げる時も楽に乗れます。特にお尻の感覚が大事ですね。お尻でリヤがスライドするのを感じながらルーストを巻き上げていく、”お尻で感じろ、スライドコントロール!” ですよ!」
最後に、マイカルチャンプから一言
今回マイカルチャンプに初心者でもできるスタイリッシュライテクを教わり、かっこよく、魅せるライディングをするには基礎が大切だということがわかりました。では最後に、読者に向けてマイカルチャンプから一言。
「ま、せいぜい頑張れ!」
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