写真/刀鍛冶、カドヤ、メッツラー
ピレリタイヤ、なかでもDIABLO™ SUPER CORSA V4が圧倒的なシェアを誇るテイスト・オブ・ツクバ(以下T.O.T.)にあって、メッツラーのハイグリップタイヤ、RACETEC™RRでレースに挑んでいるライダーがいます。
もともとマン島TTレースに代表される公道レースで勝つために生まれたRACETEC™RRですから、T.O.T.でもその実力を十分に発揮しています。
今回は、RACETEC™RRを使用してT.O.T.に出場しているその2人のライダーをご紹介しようと思います。
まずひとり目は、D.O.B.A.R ZERO-3クラスに油冷のスズキ・GSX-R750で参戦している深野将和さん。カドヤの代表取締役の深野さんは、多忙のために練習走行をする時間がなかなか取れずに、いつもT.O.T.ウイークに入ってから準備を進める感じ。しかし、そんな中でも昨年秋のKAGURADUKI STAGEではポール・トゥ・ウインを飾り、今回も見事なポール・トゥ・ウインを披露してくれました。
「久しぶりに乗っても、すぐに以前の感じで走れてしまうのはRACETEC™RRのおかげだと思います。1週目から結構攻められて、今回の予選では2周目からタイムアタックができ、4ラップ目でベストタイムを記録しました。前日に降った雨で、ところどころウエットパッチがあったんですが、そんな状態でも安心して走れて、滑ることもありませんでした。メッツラー・RACETEC™RRは自分と相性が合うんだと思います」
そう語る深野さんは、今回はD.O.B.A.R ZERO-1とのダブルエントリーで、今年生誕40周年を迎えたカワサキ・GPZ750Rを走らせました。バイクを貸してくれたチームはピレリタイヤユーザーだったのですが、深野さんのリクエストでタイヤはRACETEC™RRを装着していました。
「バイクはまったくの借り物で、当然、乗り方も変わるんですが、それでもタイヤに絶対の信頼があるので安心して走れました」
そう話してくれた深野さんは、慣れないバイクながら予選は2番手。決勝もホールショットを決めましたが、3週目にクラッチトラブルに見舞われペースダウン。しかし、なんとか最後まで走り切りました。
来年はハヤブサエンジン+刀の外装で挑む
そしてもうひとりのRACETEC™RRユーザーは、最速クラスのHERCULESに参戦しているレーシングチーム刀鍛冶の行方知基さん。水冷エンジンを積んだモンスターマシンがひしめく中、油冷エンジンを積んだ刀で戦っています。
「RACETEC™RRは、ブレーキに入力したまましっかり突っ込めるのがいいですね。筑波の1コーナーはリヤを流して入っていくんですが、グリップした際のフィーリングもいい感じです。タイヤをしっかり潰せる人に向いたタイヤだと感じています。この先もRACETEC™RRで行こうと思っています」
今回、行方さんは土曜日の練習走行中に他社と接触して転倒。マシンも、フロントのブレーキローターが曲がり、マフラーにクラックが入ったりと修復が必要になりました。
そして、日曜日の予選では、走行を始めてすぐにオイルクーラーが破損していることが発覚。途中で走行を中止し、決勝は14番グリッドからスタートして8位フィニッシュと不本意な結果で終わってしまいました。
さすがに油冷エンジンでは厳しくなってきたのではと、刀鍛冶の石井社長に言うと、驚く答えが返ってきました。
来年秋のT.O.T.に間に合うように、ハヤブサエンジンを鉄フレームに搭載し、フューエルインジェクションをキャブレターに換装、それを刀外装の車体に積んだニューマシンを製作するというのです。
行方さんもそのニューマシンには大いに期待しているようで、来年秋のHERCULESクラスに新風を吹き込みそうです。そして、タイヤはもちろんRACETEC™RRに違いありません。
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