カブで旅するフォトライター、「こばん」こと小林美希です。
岡山県浅口市在住の私ですが、前回の秋田・男鹿半島一周ツーリングに引き続き、2024年9月に赴いた東北・北海道ツーリングから、今回は青森・下北半島のおすすめスポットを紹介します。
原付二種で走り、ルートはこちらです。
昼過ぎに道の駅よこはまにたどり着き、むつ市街地のビジネスホテルで一泊、朝から恐山、尻屋崎、大間埼と巡り、13:40発の大間→函館間の津軽海峡フェリー(ノスタルジック航路)に乗りました。
およそ24時間の滞在で楽しめるルートとなります。
下北半島について
下北半島は、本州最北端、刃が西を向いた斧のようになっている半島です。
その形から「まさかり半島」と呼ばれているそうですよ。
太平洋・津軽海峡・陸奥湾と、3つの海に囲まれた、自然豊かな土地です。
青森市街地方面から北上していくと、まさかりの柄(え)の部分の長いこと!
原付二種なので自動車専用道を避けて、陸奥湾側の国道279号(むつはまなすライン)を使いましたが、海への展望はなく、単調な道が延々と続きます。
けれどこの先に、むつ市という青森で5番目に人口の多い市街地があるのです。
たどり着いたらびっくりしますよ。
下北スポット1 道の駅よこはま
眠い・・・休憩したい・・・。
そう思いながら単調な道を走っていたところで、救世主が現れました!
「道の駅よこはま」です。
レストランと品ぞろえ豊富なお土産屋さんがあっておすすめです。
私は、青森といえば!! ということで、ホタテの味噌汁や、リンゴジュースをお土産に購入しました。
下北スポット2 恐山が見えてきた!
道の駅よこはまからむつはまなすラインを北上すると、やっと海がのぞき、その先には恐山が。
反対側の山に入っていくと、ところどころ風力発電所の羽がまわり、穏やかな風景に心が和みました。
下北スポット3 むつ市街地
この日は、恐山のふもと、むつ市街地に一泊することに。
たどり着いてびっくり、よく栄えた街です。あんなに延々と林の中を走った最果ての地に、こんなに大きな市街地があるとは。
居酒屋もビジネスホテルもたくさんあり、夜過ごすのも楽しいと思うので、宿泊にぴったり。
居酒屋に入って、大間のマグロや日本酒「寒立馬(かんだちめ)」をいただきました。
寒立馬は、下北半島の北東端、尻屋崎に放牧されている馬で、名前の通り厳しい冬にも耐える力強い馬なのだそう。
会いに行けるかな?
下北スポット4 霊場恐山(おそれざん)
翌朝8時、真っ先に向かったのは、今回の東北・北海道ツーリングで、ぜひ行きたいと思っていた、日本三大霊場のひとつ、現世とあの世をつなぐ霊場恐山。
11月~4月閉山(積雪状況によって変動あり)となりますのでお気を付け下さい。
夕暮れ前や曇り、雨の日は、恐山の名にふさわしい雰囲気とのことで、怖がりな私はびびっていましたが、気持ちのいい晴天となってくれました。
木々がしげるくねくねと長い山道を進んでいくと、びっくり!
湖が生み出す神秘的な風景が急に広がり、硫黄の香りが立ちこめていました。
宇曽利湖(うそりこ)は、水面の標高214m、周囲12.5kmにおよぶ、円形のカルデラ湖です。周辺は、現在も活動する活火山。
なんとその先には、「三途の川」が。この橋は通行止となっていて渡れませんでした(ある意味良かった)。
三途の川を渡る前に、着ている服をはぐ係の爺婆の姿も。
さらに進むと、菩提寺があります。
入山料700円を納めて中に入ると、あちこちに風車がカラカラとまわっています。
この風車は、死者への供養の意味合いがあります。白い岩場の合間にカラフルな風車がまわり、独特な雰囲気。
硫黄のにおいが立ち込めます。
さらに進むと風景は一変し、穏やかな湖の風景が広がりました。ずっといたくなります。
硫黄のにおいが立ちこめる荒々しい岩場は地獄に、宇曾利山湖をとりまく白砂の浜は極楽に見立てられているのだとか。
亡き人を偲び、思いを受けとめる場。
一度は行く価値のある場所だと思いました。
下北スポット5 尻屋崎(しりやざき)
早起きしたおかげで、恐山をしっかり堪能して、まだ10時すぎ。
13時半に大間フェリーターミナルで乗る予定だったフェリーまでの時間に余裕ができ、尻屋崎まで行ってみることに。
風が強く、かつては多くの船が座礁・遭難して「海の墓場」と呼ばれていたのだとか。
尻屋崎灯台に向かう道には、ゲートがあります。ゲート入り口で、寒立馬に会うことができました!
穏やかに草をはんでいましたが、冬になると、吹雪の中、真っ白になりながら生き抜く力強さを見せる馬。
冬の姿は、ゲート入り口近くにある小屋の中で、地元の方が撮影された写真で見ることができます。
ゲートから尻屋崎灯台までの道がすばらしかったです。青い空、青い海、白い灯台のコントラスト!
私は時間がなかったため尻屋崎灯台の中には入りませんでしたが、レンガ造りで素晴らしいそうですよ。
灯台から東は、波の雰囲気が変わった気がしました。太平洋になったからかもしれません、どんぶらこと大きな波。
そのあたりに昆布が干されているような、漁業の町です。
下北スポット6 ふのり発祥の地
尻屋崎を発った時間は11時半。13:40発の大間→函館フェリーに乗るべく、今度は本州最北端へ向かって走ります。
下北半島の北側を、東から西に走るということ。
海沿いの気持ちのいい道や、市街地を抜けて、北海道らしき大地がよく見えます。
大間まであと少しというところで、国道279号沿い、不思議な風景が目に留まり、少し休憩した、ふのり発祥の地。
生活が貧しかった明治初期頃、防波堤工事に使った捨て石にふのりが育っているという発見から、ふのり漁場拡大につながり、収入の道が開けたということが書かれていました。
もしかしてこのたくさんの石は、そのふのり漁場なのか? わかりませんでしたが、最果ての村の産業開花の物語に、胸が熱くなりました。
下北スポット7 本州最北端の地
本州最北端の地へたどり着きました!
さすが、大間のマグロで知られる地。あたりには食事処や土産処がたくさん。マグロ一色です。
マグロの一本釣りの像も迫力満点! その向こうに見える弁天島には、大間埼灯台が見えます。
下北スポット8 津軽海峡フェリー
時間は13時。急いで、大間フェリーターミナルへ。
津軽海峡フェリーで、大間から北海道・函館へ、約1時間半で渡れます。
「ノスタルジック航路」と呼ばれる、昔から生活航路として愛されてきた海の道です。
ただし現代では、ほかの交通手段も発達したこともあり、平常時は朝7時と13:40の1日2便の運航のみなので要注意!
事前に予約しておきました。フェリーの時間に合わせてスケジュールを立ててツーリングを楽しむのがおすすめです。
フェリーの中には、マグロの形をしたテーブルがあり、旅気分を盛り上げてくれますよ。
おわりに
1日程度で楽しめる、おすすめの下北半島ツーリングコースをご紹介しました。
個人的には、恐山、尻屋崎、本州最北端の地(大間)は外せないと感じます!
今回、まさかりの刃の部分(西側)は走れなかったので、また次の下北半島ツーリングで楽しみたいと思います。
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