バイクのオイル選びが面倒…こだわりがないから何を選べばいいか分からない!
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バイクのオイルにはさまざまな種類があり、「どのオイルを選べばよいのか分からない」という方も多いのではないでしょうか。
オイル選びで必ず把握しておきたいことを解説するとともに、選ぶのに迷った時、メーカーなど特にこだわりがない場合など、「迷ったときにおすすめのオイル」を紹介していきます。
バイクが2ストか4ストか
バイクのエンジンには2ストローク(2スト)と4ストローク(4スト)があり、異なるストローク用のオイルを入れるとエンジン不調や故障の原因になります。
まずは自分のバイクのエンジンが2ストなのか4ストなのかを確認した上で、エンジンオイルを選びましょう。
2ストの場合はガソリンと一緒にオイルも燃焼していくため、交換ではなく補充が必要で、4ストの場合はオイルを循環させるので、定期的なオイル交換が必要です。
迷った時におすすめのオイル
オイル選びに迷った場合は、バイクメーカーが指定するエンジンオイル(純正オイル)を選ぶのがおすすめです。
バイクメーカー純正オイルは、バイクの性能をしっかり発揮できるだけでなく、バイクメーカーによるオイル性能の担保があるので、オイル選びにまよったらバイクメーカー純正オイル(または指定オイル)を選びましょう。
純正以外のオイルが欲しい方は、高いエンジン保護成分とコストパフォーマンスの高さで人気のある、「AZ MEO‐012」がおすすめです。
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- メーカー:AZ(エーゼット)
- 商品名:バイク用 4サイクル エンジンオイル MEB-012/E
- タイプ:4スト用(100%化学合成油)
- 規格・粘度:MA2・10W-40
- 容量:4L
- 参考販売価格(税込):3,049円
値段よりも定期的にこまめに交換
バイクのオイルは高額なものから安価なものまで、さまざまな価格帯のものがありますが、高額なエンジンオイルを選ぶよりも、安価でも定期的にこまめなオイル交換をする方がエンジンにとって優しいです。
サーキット走行などスポーツ走行をメインにしている方は高額なオイルを、通勤や通学、普段乗りがメインの方は安価なオイルをこまめに交換するとよいでしょう。
エンジンに高負荷をかけ続けるサーキット走行は、オイルの交換時期にならなくても走行後にオイル交換をするのがおすすめです。
エンジンや気温に合ったオイルを選ぶ
エンジンオイルにはそれぞれ粘度があり、外気温や季節、走行環境に合わせて粘度を変えるのがおすすめです。
粘度は「10W-40」などの数字で表され、最初の数字が低いほうが低粘度で、あとの数字が高いほうが高粘度になります。
春から夏は15W-50程度の高粘度のオイルを、逆に気温の低い秋から冬は10W-40程度の低粘度のオイルを選びましょう。
粘度に関しては、後の章で詳しく解説しています。
エンジンオイルの種類は大きく3種類
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エンジンオイルは、オイル全成分の約80%を占めるベースオイルの種類により、3種類に分かれています。
種類1.鉱物油
鉱物油は原油を精製し、不純物を取り除いてできるオイルで、コストがかからず大量生産が可能なので、3種類の中でも最も安価です。
コストパフォーマンスを優先させている方におすすめのオイルですが、熱などの影響で酸化しやすく、長期間安定した品質を保ちにくいです。
通勤や通学など日常使いがメインの方や、高速を多用しない方は鉱物油でも問題ありませんが、劣化しやすいのでこまめにオイル交換をしましょう。
種類2.全合成油
全合成油は原油を化学分解し、高度な精製技術で不純物を可能な限り取り除いたハイグレードなオイルで、化学合成油とも呼ばれています。
熱や酸化にも強く品質を長く保ってくれるので、3種類の中で最も高性能でエンジンに優しいオイルですが、どの種類よりも高額です。
全合成油は寒さにも強いため、寒い冬でもエンジンの始動性もよいほか、熱にも強い特性からレースなどの過酷な環境でも使われています。
種類3.部分合成油(一部合成油)
部分合成油(一部合成油)は、全合成油と鉱物油をブレンドしたオイルで、全合成油の高性能と鉱物油の安価さをバランスよく両立させています。
鉱物油に20%以上の割合(商品による)で全合成油が配合されており、鉱物油の劣化しやすい特徴を全合成油で補い、鉱物油より熱や劣化に強くしたオイルです。
価格帯は3種類の中で中間に位置し、コストパフォーマンスに優れており、高速走行の多い方や長距離のツーリングをする方は部分合成油か全合成油がおすすめです。
エンジンオイルの規格とグレード
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エンジンオイルにはJASOやAPIなどの規格やグレードがあり、エンジンオイルを選ぶ際の判断基準となります。
こちらの項では、エンジンオイルの規格やグレードについて解説していきますので、ぜひ参考にして愛車に適したオイルを見つけてください。
JASO規格
JASO規格とは日本自動車規格(JASO T903)によって規定されている、エンジンオイルの摩耗特性を分類した規格です。
JASO規格はエンジンオイルの特性を「MA、MA1、MA2、MB」の4段階に分け、高摩擦特性で滑りにくいのがMA、低摩擦特性でよく滑るのがMBになっています。
グレード分けではなくあくまでもオイルの特性の分類で、MT(マニュアル)バイクはMBのオイルを入れるとクラッチが滑りやすくなり、逆にスクーターなどのAT(オートマ)は、MB指定されているモデルも多いです。
バイクのサービスマニュアルなどで、自分のバイクがどの規格に指定されているのかを把握した上で、適したエンジンオイルを選びましょう。
API規格
API規格とはアメリカの石油協会が定めた「エンジンオイルのグレード」を表すDから始まる規格で、Sの次に続くアルファベットが後になるほどグレードも高いです。
バイクのエンジンオイルのグレードには、SAからSPまで14種類に分類されていますが、SA~SHは撤廃されているため、現在はSJ・SL・SM・SN・SN PLUS・SPの6グレードがあります。
最もグレードが高いのがSPグレードですが、エンジンオイルの中にはAPI規格の試験を受けていない劣悪なものもありますので、購入前にグレードの確認を行いましょう。
エンジンオイルの粘度
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エンジンオイルには粘度があり、アメリカの自動車技術者協会規格「SAE規格」により、「10W-40」「15W-50」などといった表記で、オイルの粘度が分かるようになっています。
SAE規格は世界的に使われている規格ですが、規格の見方を知り、季節や走行するシーンに合わせてエンジンオイルを選ぶのがおすすめです。
粘度のグレード
バイクのエンジンオイルの粘度には、シングルグレードとマルチグレードの2つ種類があります。
シングルグレードは現在のように配合する技術が確立される前に使われていたグレードで、「SAE40」など数字が一つしか表記されていないのが、シングルグレードです。
「5W-40」など2つの数字が表記されているのがマルチグレードで、現在はマルチグレードが主流になっています。
シングルグレードは規格が古いので、なかなか見かけることがありませんが、ヴィンテージのバイクにこだわって乗っている方など、一部のオーナーが使っているエンジンオイルです。
低温粘度
低温粘度はSAEに規格のマルチグレードで、粘度表記の最初に表記された「5W」「10W」など、数字の後に「W」が付いているのが低温粘度です。(Wはウインターの意味)
数字が低ければ低いほど低温粘度に優れ、より低い気温に対応していますが、昼間でも氷点下の寒冷地じゃない限り、冬場でも「10W」程度のエンジンオイルを選ぶとよいでしょう。
冬場などエンジン始動性が悪い場合、低温粘度を下げたエンジンオイルを選ぶと、始動性が上がることもあります。
エンジンオイルの粘度表記(例)
「10W(低温粘度)-50(高温粘度)」
高温粘度
高温粘度は粘度表記の後にある数字で、どれだけ油膜が切れにくいかを表しており、数字が高いほど高温になっても油膜が切れにくく、熱やエンジン内部の摩擦に強くなります。
また、高温粘度が高いと密閉性や冷却性能にも優れていますが、エンジンオイルが冷えていると粘度が高いため、エンジン始動性や燃費が悪くなることも。
夏にサーキット走行を続ける場合は、熱ダレしにくい高温粘度が40~50程度のものを選ぶのがおすすめです。
夏におすすめの粘度
普段乗りからツーリングまで、バランスよく使えるエンジンオイルの粘度は一般的な10W-30や10W-40ですが、夏場は高温粘度が高いエンジンオイルがおすすめです。
夏場など気温が高い日はエンジンが熱を持ちやすいため、より高温に対応できる10W-50や15W-50あたりのエンジンオイルを入れるとよいでしょう。
ピストンとシリンダーのクリアランスが大きめの空冷エンジンを載せたハーレーや旧車などは、20W-50くらいのエンジンオイルが指定されている場合もあります。
冬におすすめの粘度
冬場は気温が低いため、低温粘度に優れたエンジンオイルを選びたいですが、10Wはマイナス25度まで対応しています。
北海道など一部地域を除く日本のほとんどの地域では、真冬にマイナス25度付近まで気温が下がらないので、低温粘度が10W-30や10W-40あたりのエンジンオイルを選んでおけば間違いありません。
5Wではマイナス30度まで、0Wはマイナス35度まで対応しており、低温粘度が低いエンジンオイルの方が、寒い日にエンジン始動性が高いです。
春や秋におすすめの粘度
春はこれから気温が上がっていくので、10W-40または10W-50が、秋は逆に気温が下がっていくので10W-40あたりのエンジンオイルがおすすめです。
走行距離の多いバイク(5万Km以上)や旧車など、エンジン内部のクリアランスが大きくなっている車両は、粘度が高めの10W-50あたりを選ぶとよいでしょう。
高温粘度が高いとエンジンの密閉性に優れますが、燃費性能も低下する傾向にあります。
【FAQ】バイクのオイルに関するFAQ
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こちらの項では、バイクのエンジンオイルに関する「よくある質問」や「疑問」と「回答」についてまとめてあります。
「どのエンジンオイルにしようか迷っている時」など、エンジンオイルを選ぶ際の参考にしてみてください。
エンジンオイルは混ぜても大丈夫?
結論から言うと、エンジンオイルはできれば混ぜないほうがいいですが、混ぜてもよいケースと混ぜないほうがよいケースがあります。
混ぜてもよいケースは、粘度が同じエンジンオイル同士を混ぜる場合で、ベース油が異なっても故障などのリスクは低いですが、あくまでも緊急対策として早めにオイル交換をするのがおすすめです。
エンジンオイルを混ぜないほうがよいケースは、粘度が異なるオイル同士を混ぜる場合で、混ぜると粘度が変わり密封性能や熱対応性能の低下を生みます。
また、新しいエンジンオイルと古いエンジンオイルを混ぜる場合も、古いエンジンオイルは酸化が進んでいることも多く、オイル本来の性能が発揮できないこともあるので、混ぜないほうが無難です。
車用のエンジンオイルは使ってもいい?
バイクに車用のエンジンオイルは使用できますが、省燃費添加剤が入っていないものや、粘度が低いものは使用を避けましょう。
バイクのエンジンオイルはミッションまでの潤滑を兼ねており、車に比べエンジンは高回転まで回るので、高い摩擦保護性能(極圧性能)が必要です。
対して車のエンジンオイルはエンジンの潤滑のみに使われる上、バイクほど高回転までエンジンが回らないので、バイクほど極圧性能が求められません。
バイクに車用のエンジンオイルを入れると、油膜切れを起こすこともあるので、どうしても車用のエンジンオイルを使用しないといけない状況を除き、車用のエンジンオイルは避けましょう。
高いオイルと安いオイルどっちがいい?
乗っているバイクのタイプや用途によって異なりますが、通勤・通学など普段乗りをメインにしている方は安い鉱物油のエンジンオイルでも大丈夫です。
しかし、鉱物油は酸化しやすく性能が落ちやすいので、走行距離が3,000Km毎くらいの間隔で、こまめにエンジンオイルの交換を行いましょう。
高性能なスポーツバイクに乗っている方は、熱に強く性能を保持してくれる高性能な全合成油(化学合成油)がおすすめです。
エンジンオイルは一般的にベースオイルが鉱物油のものが最も安く、全合成油が最も高いですが、乗っているバイクや使用環境に応じて選択しましょう。
使うと危険なオイルってあるの?
バイクのエンジンオイルは、Sから始まるAPI規格が表記されているものがほとんどですが、中にはAPI規格の表記がないエンジンオイルがあります。
API規格の表記がないエンジンオイルは、品質を示す試験を受けていないので、粗悪なエンジンオイルの可能性も高く使うと危険です。
粗悪ゆえに価格が安いケースも多く、あまり安すぎるエンジンオイルは避けたほうが無難です。
高いバイクオイルを使うと実際どんな効果があるの?
高いバイクオイルを使うと、エンジン回転のロスが減ることから、スムーズに吹け上がるようになったと感じることも多いです。
高いバイクオイルは一般的に全合成油で、不純物が少ないため純度が高く、熱ダレを起こしにくいため、長時間の走行でもエンジンのヘタリを感じにくくなります。
エンジンへの負担も減り、スムーズな吹け上がりになることから、走りが滑らかになったと感じるでしょう。
まとめ
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バイクのエンジンオイルについて、オイルの選び方や品質の見分け方を解説してきました。
バイクのエンジンオイルにはさまざまな種類がありますが、バイクのタイプや走行する環境に合わせたエンジンオイルを選びましょう。
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