ライディングブーツはヘルメットのように着用が義務付けられているものではありませんが、実際に使ってみると必要性がわかるものです。
オフロードを走るモトクロスブーツは安全のために履いておいたほうが良い、という認識は強いですが、公道を大型車で走る場合にもライディングブーツは役立つものです。
今回はライディングブーツを履くことで得られるメリットについて。
安全性以外にも役立つことがあるんです。
足首を引き締めると重いものが支えやすくなる
重さだけで言えば250ccクラスのバイクならどんな靴でも、ビーサンでも支えることができるライダーは多いと思います。
しかし排気量が750ccや1000cc以上の大型車となると同じようには行きません。
瞬間的に支えることができても、足場が悪い状況や、アスファルトでも少しだけ凹んでいる場所などでは不意に支えることができなくなり、慣れている方でも立ち転けしてしまう場合も。
そんなときにしっかり支えられるようにしてくれるのがライディングブーツなんです。
ライディングブーツと言っても短いものからヒザ下までの長いものもありますが、短いものでも効果はしっかりあります。
丈の短いタフギアは2つのバックルで止められており、足首の上下を締める形で取り付けられています。
ストラップを適度に締め付けられる長さに調整し、足首を引き締めることでブーツと足の一体感が高まり、不安定な場所でもバイクを支えやすくなります。
逆にストラップがゆるく、締付けができていないとスニーカーなどと支えやすさは変わりません。
この赤線の部分を適度に締め付けることで、足首全体の安定感が増し、ずっしり重いものでも普段立っている感覚で支えやすくなります。
足で支える、というよりは、適度に締め付けることで足とブーツの一体感が高まり、ブーツ自体が足と一体化して支えられる、という感覚に近いため、足が大きくなったような安定感があります。
丈の長いブーツも同様に支えやすさは向上します。
丈が長い場合は足首だけでなくふくらはぎも適度に締め付けられるため、丈の短いブーツよりも一体感は高いと思います。
当然支えやすさも丈の短いブーツより長いほうが支えやすいですが、丈が長いと足全体がブーツにしっかり固定されている感覚があるため、街乗りやツーリングで使うなら丈の短いほうが使いやすいと感じる方もいるかもしれません。
オフロードブーツも同様ですが、オフロードとなるとアスファルトの上ではないため、ソールのグリップ力も支えやすさに影響する部分です。
モトクロスブーツは別にして、エンデューロモデルなどはソール自体がオフロードでのグリップ力が高く、登り坂でバイクを押す際にも重宝します。
もちろん支えやすさもしっかり向上するので、特に車重の重いバイクを林道などのシーンで乗る際には履いておいたほうが楽に運転できるでしょう。
締め付け加減はシーンによって変える
適度な締めつけをすることで支えやすくなるライディングブーツですが、締め付け方や加減は調整が必要です。
タフギアを例にして説明するとバックルを締める際に指一本でパチン、と締められるくらいの強さがベストだと思います。
締め付けすぎると足首が動かしにくくなってしまい、逆に緩すぎると履いている意味があまりなくなってしまうため、ストラップの長さを調整しながらベストな締付加減に調整してみてください。
しかし、オンでもオフでも使えるタフギアの場合、個人的にはオンロードの締付加減でオフロードでの締付加減は変えたい派です。
オンロードは本当に少しの締付けで大丈夫ですが、オフロードの場合はガッツリ締め付けたほうが運転しやすく感じます。
そんなときに便利なのが、2箇所ストラップ引っ掛ける溝が用意されているバックル。
タフギアやED-PROに採用されているバックルタイプです。
オンロードでは締め付けの低い根元側に引っ掛け、オフロードでは引っ張る距離の大きい外側に引っ掛けることで、ストラップの長さを変えずに締めつけ感を変更することができます。
これは林道ツーリングやアドベンチャーツーリングなど、オンロードを走ってオフロードに行くシーンでかなり便利。
オフロードに入る手前の休憩などで引っ掛ける位置を変え、オフを走り終わったら根元側に戻してオンロードで帰る、という使い方もできるため、オンオフ両方を走るツーリング時におすすめです。
大型クラスでも車重が軽かったり、足つきがいいバイクの場合はそこまで影響しないかもしれませんが、そもそも足とブーツの一体感が高まると運転しやすく、不意の出来事にも対応しやすくなるため、メリットは様々あります。
750cc以上のアドベンチャーなど車高が高く、重いバイクを運転する時は必須と言ってもいいほど支えやすさが変わるため、ぜひ使ってみてください。
これまで「よいしょ」と支えていたのが「スッ」と支えることができ、今よりもっと気楽にバイクを楽しむことができるはずです。
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