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都心から1時間、神奈川県厚木市で開催された採石場レース「ケゴンベルグ」がハードエンデューロの未来を拓く

CROSS MISSIONを手がける石戸谷蓮が、2020年、2021年に開催したシコクベルグに続いて、またもや肝煎りのビッグイベントを開催した。それがこの「CROSS MISSION KEGONBERG」(通称:ケゴンベルグ)だ。注目すべき点は神奈川県厚木市という東京からほど近い開催地と、それを感じさせないロケーション、そして最高のホスピタリティだった。

 

最後尾からごぼう抜き、レースをリードした藤原慎也

愛媛県で開催されたシコクベルグに勝るとも劣らない広大な敷地をレース会場に提供してくれたのは、人の森株式会社。その華厳工場と名付けられた採石場がケゴンベルグのステージだ。

今大会は神奈川県や厚木市教育委員会など多くの自治体の後援も取り付けており、会場にはキッズ用電動バイク「ヨツバモト」に乗れるキッズエリアや託児所が設けられた。さらにストライダーを代表するランニングバイク体験やヤマハ親子バイク教室、巨大重機との写真撮影会など、世代問わず楽しめるエンターテイメント・イベントとなった。なんと総観客数は、エンデューロレースでは類を見ない1000人を超えた。

全国から集まったライダーは全部で201台。優勝候補はまずG-NET2021チャンピオンの山本礼人。そして今年エルズベルグロデオに参戦表明している藤原慎也、森耕輔。佐々木文豊、大塚正恒、西川輝彦、和泉拓、ZEROらG-NETでおなじみの姿もあった。さらにそこに特別ゲストとして昨年全日本モトクロス選手権でIA1チャンピオンとなって引退した山本鯨が電撃参戦。

スタート直後のヒルクライムでは登れないライダーで大渋滞が発生。最後尾スタートの山本礼人やZERO、藤原慎也はその中にしっかりラインを見つけ、ほぼ一発登頂。コースは主に採石場を登って降ってを繰り返すレイアウト。

狭い溝の中に大小の石が転がる枯れ沢のようなロックセクションや、タイヤや丸太を使った人工セクションもあり、ライダーの体力を奪っていく。一部、ほとんど垂直のようにすら見える斜面を登る場面もある中、1周目の中間地点に設けられた第1チェックポイントを通過した順番は藤原、ZERO、森、山本。ここで藤原と山本の間に10分のビハインドがあった。

トップで1周を終えたのはやはり藤原。周回タイムにして1時間10分29秒。約3分の遅れで森。そこからさらに6分遅れで山本が続く。2周目は周回遅れも出てきてラインが限定されるため、難易度はさらに上がるが、そもそも1周目から最後尾スタートだったトップライダーたちにとってはさほど大きな差は生じなかった。藤原は1周目よりも早いラップタイムで2周目を終えると、最終セクションまでトップをキープ。

しかし、まさかの最終セクションで、ペースアップして背後まで迫ってきていた山本にパスされ、優勝は山本の手に。続いて藤原、森が3周を終え表彰台を獲得した。ZEROは1周目中盤でパンクしたこともあり、2周目後半でレース終了を迎えた。

201台のエントリー中でコースを1周できたのはわずかに24台。2周できたのは9台。3周は3台という実にハードエンデューロらしい結果になった。そしてその3名が今年エルズベルグロデオにエントリーしている藤原と森、ルーマニアクスにエントリーしている山本なのだ。間違いなく日本のトップハードエンデューロライダーである3名の、海外レースでの活躍を期待できるレースとなった。

山本礼人

「こんなきつい3時間のレースはなかなかないですね。僕は何回か海外のレースにも出てるんですけど、それとも遜色ないコースで素晴らしいレースでした」

多くのハードエンデューロは山の奥の閉じられたステージで開催されている。そのため、こうして県や市の後援をもらって大々的に告知を行い、アクセスの良い場所で多くの観客を集めてオフロードバイクを知らない人の目に触れるという機会はほとんどない。

自身もエルズベルグロデオに挑戦し続けるライダーである石戸谷。国内ライダーのレベルアップを図ると同時に、ハードエンデューロの社会的地位の向上を目指して活動を行っており、今後もこういった革命的なイベントをプロデュースしてくれることだろう。

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この記事を書いた人

Off1.jp(ANIMALHOUSE)所属。2016年からG-NETの取材を続けるカメラマン兼ライターです。台湾、韓国、ルーマニアクスら海外レースへも取材に出かけ、日本のハードエンデューロシーンにかける情熱は誰にも負けません!

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