今年も鮭のごとく鉱山をオートバイが駆け上るオーストリアの奇祭世界でもっとも難しいハードエンデューロ、エルズベルグロデオの季節がやってきた。田中太一が完走にとどまらず表彰台を目指して活躍していた時代から10年ほどが過ぎたものの、今なおその栄光は色褪せない。今年もひたすらにスロットルを開け続けるライダーたちにぜひ祝福とエールを
公式Youtubeライブ(6月2日)
ABOUT 2024 Erzbergrodeo
主なスケジュール
日時 | 現地時間 | 日本時間 | イベント |
5月31日 | 9:00 | 16:00 | アイアンロード・ヒート1(予選) |
19:00 | 26:00 | ライダーパレードアイゼンナーツ | |
6月1日 | 9:00 | 16:00 | アイアンロード・ヒート2(予選) |
6月2日 | 11:30 | 18:30 | オープニングセレモニー |
13:00 | 20:00 | エルズベルグロデオスタート(本戦) | |
17:00 | 0:00 | エルズベルグロデオフィニッシュ |
参戦する日本人と予選スタート順
藤原慎也(57)
吉良祐哉(133)
石戸谷蓮(165)
大神智樹(376)
大山稜生(377)
杉村晋吾(488)※アイアンロードのみ参戦
加原裕士(487)※アイアンロードのみ参戦
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エルズベルグロデオの正体
1500名ものエントリーから予選で500名まで絞られ、決勝を完走できるのはわずか10名ほど。そしてレッドブルTVで中継されるライダー達は、巨大な蟻地獄に囚われ無残に舞い散る姿。それは現地で見ても同様で、世界最凶のハードエンデューロであるエルズベルグロデオのイメージはTVから伝わってくる地獄絵図と変わりない。それどころか、たとえば間近でカールズダイナーという大岩が延々続くセクションを見ると、これは人類に完走できるものなのか……と疑問がふつふつと沸いてくるほどだ。断じて、オートバイが走るフィールドでは、ない。エルズベルグロデオを走りきった者、そしてそれに挑戦しようとする者には惜しみない賞賛が送られるべきだ。Enduro GPのチャンピオンたちでさえ、これはもう走りきれないと顔をバーパッドにうずめるほどの、とてつもないタフでシリアスなレースである。
こういった情報は毎年のように繰り返されるため、読者の皆様的にももはや耳タコ状態かと思われるが、ただ、それだけではエルズベルグロデオをわかったことにはならないだろう。エルズベルグロデオに7度も取材に行っている奇人・稲垣が主催者のカール・カトーに聞いた一節を紹介したい。「エルズベルグロデオを企画するときに最初に思い立ったのは、ここ(段々になったアイゼンナーツの鉄鉱山)でスピードレースをやったら盛り上がるだろうということだ。アメリカには、ひたすら長いグラベルのヒルクライムレース“パイクスピーク”があるだろう? あれだよ」。予選として知られているアイアンロードというイベントこそ、実はエルズベルグロデオの参加者にとってのメインディッシュなのである。ヨーロッパ中からオフロードのスピードクレイジーたちが、今年こそいい順位をゲットするんだと集まってくるのだ。さらにそこにオーストリアのおいしいビールが山積みにされているから、木曜から始まる4日間のエルズベルグウィークは、毎晩延々とパーティが鉱山中で繰り広げられている。また、レースウィーク2日目には街に降りて参加者全員がパレードをする。たぶん、彼らにとって大事なのはエルズベルグでどこまで走ることができたか、じゃない。何本のオッタクリンガー(地ビール)を開けることができたか、だ。
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